ハッチバックの208やSUVが販売好調なプジョー。ラテン車偏愛な筆者はそうすると人と違ったクルマに注目したなるひねくれてみたいお年頃である。いい加減にオトナになろうよ、と方々でお叱りを受けるのだが。そこで売れている＝数が多い＝人と被ってしまう、この法則を避け、かつフランス車っぽい味を十分に堪能できるクルマはなにか？ そうこのプジョー508なのだ。
う〜ん、カッコイイ！ セダンは使い勝手が悪い？ オジサンっぽい？ とんでもないこのデザインをご覧あれ。「セダンの概念を革新する」というプジョーの力作である。ちなみにセダンとは呼ばずにファストバックという。フロントはブランドロゴでもあるライオンの牙をモチーフにしたLED仕様のデイライトを採用。
ただしスタリング優先なのでオトナが後席へ乗る時はアタマに注意である、のはご愛嬌。運転席に陣取ると「i-Cokpit」と名付けられた新時代のプジョーのそれ。
上下がフラット形状の独特なステアリングホイールデザイン、デジタルグラフィックのヘッドアップインストルメントパネルや8インチのタッチスクリーンなど近未来的なデザインに囲まれる。
タッチスクリーンは最新のインフォテイメントシステムに対応しAppleCarPlayやAndroid Autoが使える。 このモニター下はその操作用のトグルスイッチが並ぶ。
ナビやエアコンといった普段使うモノから車両の情報まで操作可能。う〜ん、美しい。高級ピアノの鍵盤みたいだが、使うには慣れが必要だった。このあたりはデザイン優先の国のクルマと思えばいい。
508は1.6リッターのガソリンターボ（180PS/250Nm）か2リッターのディーゼルターボ（177PS/400Nm）が用意され、試乗車は後者のディーゼルユニット搭載車両だった。
このエンジンは外で聞いていると、静かな分類に入るけれどその存在をひた隠すほどではない。一方車内はかなり静か。フォーカルのオーディオシステムでクラシックやジャズを堪能できる空間といえば伝わりやすいかも。走り出すと400Nm！ の大トルクの恩恵でどの速度域から踏んでも力強い加速を披露してくれる。乗り心地の良さは街中でも高速でも変わらず。
だし、直進安定性も抜群。山道を攻め込んでもフラ車特有の深いロールはするけれどそこに破綻がない。
「猫足」は今も健在である。この「猫足」はソフトな感じ（乗り心地に貢献）だけれどもスムーズなコーナリングをはじめとするスポーツ走行にも向いている。理由はいくつかある。ひとつはサスが内製であること。これは開発段階からクルマとの相性を探れる。また同じクルマでもモデルのキャラクターによってバネの定数やダンパーの減衰力が違うサスを造っている。旋回中のトーの変化で後輪がしっかり前輪に着いていくようにセッティングしているなどなど。
感覚的には1日で1000kmは楽に走れそう、そんなクルマなのだ。
※記事には本国仕様の写真も使用されています。
プジョー
508 GT BlueHDi
価格 507万6000円〜
●全長×全幅×全高：4750×1860×1420(mm)●エンジン：1997cc直列4気筒ディーゼルターボ●最高出力177PS/3750/rpm●最大トルク：400N・m/2000rpm●燃費WLTCモード燃費：16.2km/L
プジョー https://www.peugeot.co.jp/
問 プジョーコール 0120-840-240
