1980年のジュネーブモーターショーで発表されたのがクワトロ。
新しい4WDシステムがそのまま車名になったモデルでもあり、ベースとなったのは同ブランドの80。2ドアハッチバックで量産車初のフルタイム4WD搭載車でもある。この何がスゴいのか?
それは4WD=悪路走破性の単純公式しかなかった時代に全駆動輪を安定した走行のために開発、採用した点だ。この「走行」の部分を「加速」や「旋回」に置き換えも可能、つまりはスポーツ走行に適している伝達方法なのだ。しかもこの4WDシステムはいわゆるタイトコーナーブレーキング現象が発生しない。
1981年にはこのニューウェポンで世界ラリー選手権に参戦、2戦目には初優勝を飾るなどその戦闘力の高さを示し、サンレモラリーではドライバー(ミッシェル•ムートン)、コ•ドライバー(F•ポンス)も女性というWRC初の優勝記録も。
翌年にはWRCもなんでもあり! 的なグループBカテゴリーができ500psオーバーのモンスターマシンが砂煙をあげコーナーを抜けていった。このアウディクワトロのカッコ良さにしびれた方も多いはずだ。
この技術はモータースポーツでも成功を収め、1986年にはクワトロシステムが第2世代ともいうべきトルセン式に。これは乱暴な表現をすると前後のどちらかが空転するとどちらかの分の力を配分する機構。こうしてアウディ=4WDのイメージが定着。日本でもそれをお茶の間に届けた伝説のCMを覚えているだろうか? 当時のインポーター、ヤナセのCMでフィンランドのスキージャンプ台をアウディ100が登るというモノ。
このCMでアウディ、すげー!!! というイメージがついたはずだ。筆者は当時、TVを見ていただけだが免許を取ってからこの動画を見るとクワトロ、すげー!!!! と思う。なおこのスキージャンプ台のスペックは最大斜度37.5度、80%の勾配をアウディは登ったのだ! スキーやスノボをやる方ならこの傾斜角がどれほどか想像がつくと思う。しかもこのクルマ、MTというから2度ビックリ。坂道発進どころの騒ぎでない。なんせスキーのジャンプ台なのだからして。なお、残念ながらこのジャンプ台は1994年に閉鎖されている。余談だが、3代目のA6で同じジャンプ台を使ったCMがヨーロッパで流れていたという。
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