麻布十番にオープンした隠れ家的な寿司店「鮨よしかわ」。2019年に恵比寿にオープンした同店の2号店です。豪快な見た目が話題になった太巻きや、鰻をご飯でサンドした「鰻ドック」なども本店と同様に楽しめるということで、さっそく麻布十番店を訪ねてみました。
こちらで腕をふるうのは、「鮨よしかわ 恵比寿店」の大将・吉川貴将氏の父親の吉川勲氏。貴将氏の師匠でもある方で、正統派江戸前握りを提供してくれます。こちらでいただけるのは、「親方おまかせコース」(1万1000円)のみ。その時々の旬の食材を使い、仕入れに合わせて組み立てられます。すべて親方が目利きしたものを豊洲市場から仕入れ、寿司、焼物、椀物などに使用。
上質の魚と合わせるのは、酒粕を6年寝かせて熟成させた赤酢を使ったシャリ。風味豊かな程よい酸味で、ネタの旨味を引き出してくれます。口どけがよく香り高い海苔にもこだわっていて、ネタ、シャリ、海苔の組み合わせが、「鮨よしかわ」ならではの味を作っています。
「アナゴの磯辺巻雲丹乗せ」
コースの内容は季節や仕入れで変更するのですが、一部ご紹介します。「アナゴの磯辺巻雲丹乗せ」は、アナゴの稚魚“メソ”に海苔と大葉を巻いてテンプルにし、雲丹をのせたもの。メソのふわっとした食感と海苔と大葉の風味がとっても上品。雲丹の甘みも加わって、贅沢な味わいです。
その日のおすすめを盛りつけた「刺し盛り3点」。包丁の入れ方など見た目も美しく、食べるのがもったいなく感じてしまうほど。白身には自家製の辛味大根を合わせるなど、素材に合わせた薬味や調味料で食べさせてくれます。こうした細かい手技が味にも関係しているのだと、しみじみ感じます。
「焼魚丼 濃厚アラソース添え」
「焼魚丼 濃厚アラソース添え」は、ひと口サイズのご飯の上に香ばしく焼き上げた魚がのり、その日仕入れた魚のアラで取った濃厚なスープと共に提供されます。魚の旨味がギュッと詰まっていながら、まったく臭みを感じないスープは、立ち昇る湯気の香りにやられます。魚の風味を味わったら、スープをかけていただくと、また格別。お寿司を食べる前に満足度がさらにUP。
握り4貫はそれぞれ工夫されている
そして、いよいよ握り。その日のおすすめを4貫握ってくれます。かんぱちにあん肝をのせていたり、海老にキャビアがのせてあったりと、伝統の江戸前握りに創意工夫をプラスした「鮨よしかわ」だけで楽しめる味わい。舌が喜ぶとはこのことです。
「鰻ドッグ」
その後に登場するのが、大将が考案したという「鰻ドッグ」。握りたてを手渡しされるスタイルにもテンションが上がります。鰻の新しい食べ方に出会った途端、忘れられなくなる、不思議な感覚に。
「トロと卵黄の太巻き」
次は「トロと卵黄の太巻き」。卵黄、中トロと赤身、雲丹を巻いた、ほかにはない濃厚な旨味の巻物で、その姿がSNSで話題になったそうです。このまま食べても十分美味しそうですが、これに濃厚な蟹あんかけソースが添えられていて、一緒に口に含んで“口内調理”でいただきます。もう、ため息しか出てこない、うっとりするお味。
「トロといぶりがっこの小どんぶり」
お料理の最後は「トロといぶりがっこの小どんぶり」。トロとお店で燻したいぶりがっこを合わせた丼ぶりにいくらと雲丹をトッピング。全体をざっくり混ぜて口に運べば、この上ない幸せが訪れます。そして、最後はデザート「パンケーキ~自家製バタークリーム」。これで¥11,000はさすがのコスパ。正直、一食に¥10,000は普段なかなか払えませんが、この内容なら満足するはず。
お料理やお寿司とお酒を楽しみたいなら、料理ごとにおすすめの一杯を出してもらうこともできます。お寿司とお酒のマリアージュを楽しむにもぴったりのお店です。
麻布十番店には8名まで入れる個室もあり、ゆっくり過ごすこともできます。場所柄、仕事仲間や商談などの席としてはもちろん、子どもと一緒のファミリーが周囲を気にせず美味しい食事を楽しめたり、子どもの節句や家族の記念日を祝ったりするときにおすすめです。
お店を利用するときは電話での予約がベスト。突然訪れても席が取れないことも。個室も個室料がかからないので、家族などで利用するときはぜひ個室を指定して。ここでしか味わえないスペシャルな“コース”をぜひ楽しんでみてください。
■鮨よしかわ ⿇布⼗番店住所:東京都港区⿇布⼗番1-3-8 エフプラザ1階電話:03-6807-4846営業時間:完全予約二部制 18:00~、20:30~ ※政府の緊急事態宣⾔の要請状況によって変動定休⽇:日曜日