販売好調なプジョーのSUV。そのSUVモデルだけを集めたフルラインナップ試乗会でも存在感を示していたのがリフター。
リフター?? 数字名以外のプジョーといえばパートナーとかあったっけとお思いの読者諸兄、まさにその通り。そのワーキングビークル、パートナーの後継モデルがリフターなのだ。そしてシトロエン・ベルランゴと兄弟車。なんだ、エンブレムだけ交換したバッヂエンジニアリングみたいなものか、と嘆く無かれ。リフターのフロント周りは全くのオリジナルだしリアバンパーなども別モノ。
全体的な雰囲気もSUV風、いやSUVのサロペットをスマートに着こなしているクルマなのだ。
よりプジョーらしさを感じるのはコクピットに座った瞬間だと思う。エクステリアの雰囲気からすると実用一辺倒とか想像しやすいがそれは良い意味で期待を裏切ってくれる。現プジョーのモデルに採用される近未来的なデザインが特徴のi-Cockpitを搭載。
コクピットでもユニークなのはダイヤル式のシフトセレクターだろうか。
これにパドルシフトが装備される。シフトセレクター左上のダイヤルはアドバンスドグリップコントロールのセレクターだ。試乗車は上級モデルにあたるGT。他のグレードとの一番の違いはコレを装備するかしないかといっても過言ではないくらい。これは雪や砂、ぬかるみといった路面状況に合わせた走行モードを選択するとクルマがいろいろ制御してくれて悪路での走破性能を高めてくれる。今回の試乗会はSUVらしいシチュエーションを体験できるよう未舗装路も用意されており、その効果を体感できた。特に小刻みにアクセルを操作したり、ブレーキを気にしたりすることなくフツーにアクセルを踏んでいればクルマが判断して進んでくれた。
走り出すとこれまた良い意味で裏切られる。ワーキングビークル然の生い立ちを予備知識として持ってしまっていた筆者は荷運び用の味付けだろうとタカをくくっていたのだが、乗り心地がトレビヤーンだったのだ! しかもネコ脚は健在ときた! 背の高いミニバン並みのボディを持ちながらもオワーっという不必要な緊張感がない。フランス車らしくロールは速く深くするがそれ以上はこれまた不必要な汗をかかない。かかないどころか、もうちょっと攻め込んでみようかなんてヨコシマな考えが浮かんでしまうほど。ボディサイズの割りにとても小さいステアリングからのインフォメーションも良い。試乗は高速道路が含まれなかったけれどもおそらく高速道路も不安なく走れるに違いないはずだ。
ちなみにアリュール、GTの2グレードともパワーユニットは1.5Lのディーゼルターボ4気筒。
130PSの最高出力と300Nmの最大トルクを誇る。プジョーのディーゼルは排気量の割りにトルクが大きくて乗りやすい。
もちろん、肝心な使い勝手の良さも二重丸。ユニークな新幹線の頭上荷物置き場的なガラスサンルーフの下に設けられた半透明のブリッヂをはじめとする豊富な収納や自分流のシートアレンジを可能にする3座独立式の後席に加えリアゲートはガラス部分だけも開閉可能となれば無敵のMPV、いやSUVなのだ。
RIFTER
339万円〜
●全長×全幅×全高:4405×1850×1880(mm)●エンジン:1498cc直列4気筒ディーゼルターボ●最高出力:130PS(96kW)/3750rpm●最大トルク:300Nm/1750rpm●WLTCモード燃費:18.2km/L
プジョー https://www.peugeot.co.jp/
問 プジョーコール 0120-840-240