【プジョーSUVフルラインナップ試乗会 2/4回】3列7シーター採用の旗艦がブラッシュアップ【プジョー5008】


 今や世界的にSUV人気。5008は弟分の3008と共にSUV市場に連合艦隊でライバルに挑んでいる。プジョー5008。初代はミニバン然のスタイリングだったが2代目からはSUVスタイルに。そして今年1月に大幅なマイナーチェンジを受けた。そのフロントフェイスはグリルレスデザインになり、現行プジョーのアイデンティティでもあるライオンの牙をモチーフにしたデイライト、フロントフード先端に配される車名など一目でその変わり様がわかるモノに。

またリアまわりだが、ライオンの爪あとを連想させる三条のテールライトを初のLED化、ウィンカーは流行のいわゆる光が流れるシーケンシャルタイプを採用。

乗り込むとそこは現行プジョーの世界。天地がフラットの小径ステアリングなど「i-Cockpit」と呼ばれるそれだ。

今回のブラッシュアップではメーターやインフォテイメントシステム用のスクリーン(いわゆるセンターディスプレイね)が高精細化されている。
 5008のラインナップは全部で2つ。アリュールとGT。アリュールは2Lのディーゼルターボ(177PS・400Nm)のみだが、GTはそのエンジンの他に1.6Lのガソリンターボ(180PS•250Nm)が用意される。ミッションはすべてアイシン製の8AT。アイシン製という響きが壊れなさそうという心理的安心感がある(失礼)。なんせ605の時代はミッションがガラスのアキレス腱といわれるほど故障したら高額修理部品だったからだ。それはさておき。
 試乗車はGTでディーゼルエンジン搭載のGT。

 ライバルに比べるとその存在を忘れないで! と主張する(これがカワイイともいう)ディーゼルユニットだが走り出すとそれが頼もしく感じられる。なんせ400Nmのトルクがあるから低速でも高速でも何でもこい! なのだ。ディーゼルのランニングコストの優位性は疲れ知らずの長距離ランナーといったところか。加えて背の高いSUVだが旋回は深いロールをともなっても破綻のないプジョーの味付けもあり、結構なペースでもワインディングを駆け抜けることも可能。

 最後に使い勝手だが、3008の5人乗りに対して7人乗りのメリットは大きい。絶えず7人乗車になることはないと思われるが、最後尾に2人分のシートがあるのは心理的に余裕があるし、使わないで収納しておけばこのモデルならではの広大なラゲッジスペースが現れる。

 合理的な使い勝手の良さはフランス車の美点だ。もちろん、最新のインフォテイメントシステムや先進運転支援システムにグレードの差異はなく、標準装備。違いを強いて挙げるならシート表皮やフルLEDヘッドライト、モール類、アドバンスグリップコントロール(走行モードの選択や急坂を降りる時の速度制御)くらいのモノだ。
 ミニバンほどデカイクルマはいらないけれど、やはりなんかの時に7人乗れるのは嬉しい。

プジョー5008

価格:460万円〜
全長×全幅×全高:4640×1840×1650(mm)
エンジン:1997cc直列4気筒ディーゼルターボ
最高出力:177PS/3750rpm
最大トルク:400Nm/2000rpm
WLTCモード燃費:16.6km/L

プジョー https://www.peugeot.co.jp/
問 プジョーコール 0120-840-240

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  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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