【宙翔ける広報】大事なのは愛なんだよ! ACE・ジョニー物語 其の1

優れたモノづくりを展開している企業に名物広報担当者あり。会社の看板を背負う立場にある広報担当者の等身大の姿を通じてイイ感じの企業の在りようを垣間見る新連載・「宙翔(そらか)ける広報」。シリーズ第1回目は日本を代表するバッグの総合メーカー、ACE(エース)の名物広報”ジョニーさん”こと、難波敏史さんです。全5話でご紹介します。

ACE・ジョニー物語 其の1

取材のこの日、モノマガwebが取材場所に指定したのは東京・駒形にある「世界のカバン博物館」。ACEが運営する、世界唯一のカバン専門の博物館だ。1Fの受付で挨拶をするなり突如、顔を強張らせた難波さんが、日頃から親交あるモノマガweb担当編集・O川に「取材の前に言うことがあるだろう」と鋭い視線を向けてきた。何か粗相したかと焦るO川に難波さんは「肋骨を骨折したんだってな、本気で心配していたんだぞ。大丈夫そうでよかったよ」。一転、優しい表情を浮かべた。

あるメディア関係者の結婚パーティーで司会を頼まれた時にはゲストはおろか、主役の2人にも完全に内緒で、現役プロ野球選手や書道家をサプライズ登場させ、一筆書きのパフォーマンスで場をおおいに盛り上げた。「サプライズゲストは僕が勝手に呼んだの。だって、みんなが喜んでくれると思ったからさ」。

とにかく粋な男なのだ。カバンの情報を取り扱うメディア関係者なら知らない者はいないだろう、ACEの名物広報・難波さん。以下、本稿では彼への敬愛を込めて、通称の”ジョニー”と記すことにする。

ACE・ジョニー物語 其の1

mono:ジョニーさんにまつわるエピソードには事欠きませんが、もともとイベント好きなのでしょうか?

ジョニー:そうね、イベントは大好き。そもそもACEではレセプションなども業者さんにお願いするのではなく、自分たちで考えて自分たちでやっていますからね。それには理由があって、自分たちのブランドのことを一番知っているのは誰? って言ったら僕らじゃないですか。だから、レセプションもどうしたいかを社内でもんで僕らがやるのが一番いいわけなんですよ。

mono:広報担当はいつ頃から?

ジョニー:僕のポジションで一番最初に来る広報、PRという仕事ですが、実は17、8年前ぐらいまではPR会社に頼んでいたんです。当時は、僕も営業から今のマーケティングの仕事に来て、PR会社の方とお付き合いをしていました。ただ、見ていて彼らがウチの商品をどこかへ持って行って露出するよりも、絶対に僕らの方が商品に愛があるよなって思ったの。愛情がある方が相手に伝わるじゃないですか。だから僕らが自分たちで広報、PRをやった方が、世の中の人たちにACEのよさをわかってもらえるんじゃないか、と。そういうことを当時の上司に進言したことがあって、もちろん、それだけがきっかけではないと思いますが、しばらくして、会社として広報をちゃんとやろうというスタンスになり、そこで、僕に任が降りてきたわけなんです。

mono:そこで正式に広報部門設立ですか?

ジョニー:もともとマーケティング部の中に広報部に相当するのがありましたが、当時はマーケティング部自体も人数が少なく組織として小さかったから、外にお願いしていたという背景もありました。いまは16、7人いますが、当時はその1/3の人数でしたからね。「プロテカ」がデビューしたのが2004年でその前ぐらいからですかね、自分たちで広報をちゃんとやるようになったのは。

ACE・ジョニー物語 其の1

mono:ちなみにジョニーさん、最初に入った会社は?

ジョニー:ここ、ACEです。生え抜きなんです、もう34年目かな。

mono:お祭り男的な土壌は学生時代に?

ジョニー:お祭り男って感じでもないですけどね。大学を卒業するまでずっとバスケットボール部で、チームのムードーメーカーだったことは間違いありません。スポーツではどんなにいい試合をしても1点差で負けたら負けなんですよ。反対にどんなに泥臭い試合であろうと勝ちは勝ち。試合に勝つためにはやっぱりチームを鼓舞しないとダメでしょ。誰がやるの? というところで僕がやっていたんですよね。

mono:それは今の仕事にも生きている?

ジョニー:学生時代の経験って人それぞれですけど、僕は運動部でいろいろ鍛えられたのがすごくタメになりましたね。クラブを引退するかしないかという時期に系列の女子大の監督さんに誘われて、アシスタントコーチ的なことも経験させてもらえて、それも今もの凄く役立っています。僕にとって1つの糧ですね。

mono:ところで、なんで通称がジョニーさん? って話を聞くと長いんですよね?

ジョニー:いやいや、そんな長くはないですよ。ハリウッドスターにJohnny Deppっているじゃない。それで僕、Debuだから。

mono:えぇ? そういうことだったんですか!

ジョニー:ただ、そこに至った背景はちゃんとあるんですけどね。  其の2へ続く

ACE・ジョニー物語 其の1
  • 80’sをこよなく愛するグラサン男。モノづくりやライフスタイルに強いこだわりを持つ人々の熱血応援サポーター。みなさんの熱いハートと想いを写真と文でほどよくゆるくお届けします!

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