富士スピードウェイ。日本、いや世界でも有数の直線距離が長いサーキットで1周約4.5km。ここを24時間で多く周回し一番先頭でゴールをする、耐久レースが5月23日に開催された。中でも大いに注目されたのは#32のルーキーレーシングのカローラH2コンセプト。
※画像はテスト時のもの
エンジンはGRヤリスのモノがベースで、燃料に水素を使うマシンだ。
ちなみにGRヤリスはトヨタがレースで勝つためのクルマと言ってはばからないほど気合いの入った1台。ラリーなどでは今までは市販車があって、それを改造するというパターンだったがGRヤリスは逆。モータースポーツで勝てるクルマを作り、それを改造して一般ユーザーに販売する。F1黎明期のフェラーリみたいだ。
それでいてジツは大変乗りやすいクルマだった(詳しくはこのサイト内、トヨタGRヤリスRZハイパフォーマンスで検索)。
閑話休題。耐久レースとなればドライバーも多く必要なわけで、今回水素カローラを操るのは小林可夢偉、井口卓人、佐々木雅広、松井孝允、石浦宏明、モリゾウの6人。そして耐久レースには燃料補給やドライバーやタイヤの交換といったピット作業必要。いやこの場合は燃料ではなく水素の補充だ。ん? 燃料に水素を使っているからいいのかもしらん。その水素の補充だが一般公道では水素ステーションで行えばいい。ちなみに水素ステーション、全国に144カ所あるが未設置の県もあり、このレース、いや技術が進化すればより扱いやすい次世代エネルギーとして期待される。なんせEVの急速充電で30分待つのはツラい時もあることだし。その水素ステーション、移動式もあるのだ。トレーラーが停められるスペースがあれば、の話だが。水素は爆発力が高い。そのため各種法律がある。今回のレースでトレーラーに水素を載せてくるとジツに4台くらいになったそうで、そうすると水素の貯蔵量(この場合はトレーラーが運んでくる量)が規定値を超えるため、「貯蔵所」として県から認可を受けたそうだ。
レースの結果だが358周で見事完走。358周ということは冒頭でお伝えした通り富士スピードウェイの1周が約4.5kmで1600km以上を高負荷の状態で走ったことになる。1回の走行は180Lの水素を搭載し、およそ13周くらい(約60km)でピットイン。水素の補填が1回あたり10分くらい。距離で計算すると34.5回水素を補填したことに。
しっかりと完走した水素エンジン、これからの動向に注目だ!
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