モノマガジン874号(発売中)の特集の一つに「冒険と海」をテーマに海洋冒険家の白石康次郎さんにご登場願った。おかげさまで好評発売中だ。やはり冒険という響きには何か惹かれるものがあるのだろう。冒険といえばドラクエの頃よりワクワクするモノ。あるいは川口浩隊長が洞窟に入る様子をブラウン管(世代がわかる)を通して見ていてもワクワクドキドキ。それをもし自分が同じ体験は難しいにしろ、何かしら体験できればアメージング以外の何者でもない。
クルマでアメージングといえばレクサス。なんせブランドスローガンが「EXPERIENCE AMAZING」や「AMAZING IN MOTION」で、驚きと感動を与えるクルマ作りがポリシー。同ブランドは1989年に北米で誕生し、日本で正式に展開されたのは2005年から。その感動っぷりの代表例は初代LS(日本名:セルシオ)。その群を抜く室内の静粛性は乗り手になんて静かなんだ! と驚かせた。その静かさに世の高級車メーカーは度肝を抜かれた。それは危機感に近いほど衝撃だったという。事実メルセデスのSクラスは次の代から採用した2重ガラスはレクサスの影響ともいわれているほど。
その感動体験はクルマ以外にもある。次世代を担うクリエーターの発掘・支援を目的とした国際デザインコンペティションなどだ。このプロジェクトは「レクサス・デザイン・アワード」と呼ばれ2013年から始まっている。今回はデンマークを活動拠点にしているヘンリー・グロガウ氏の「Portable Solar Distiller」がグランプリに輝いた。
これは太陽光を活用して汚染された水や海水を蒸留し飲料水を作り出すというモノ。余談だがこのデザインアワードの審査基準は「Anticipate(予見する)」「Innovate(革新をもたらす)」「Captivate(魅了する)」といったブランドの3原則が具現化されていること。
他にも2013年の「Fスポーツロードバイク」や2015年の「ホバーボード」などクルマ以外の体験を次々に提案している。極めつけは2017年に発表されたラグジュアリーヨット、LY650。
トヨタブランドにはやはりマリン事業部があって、海外向けのランドクルーザープラドのV8を載せ、頑強なアルミハルを使ったポーナムシリーズがあるが、ボートでのカテゴライズもしっかりしたモノだ。
LY650はレクサスブランドだけあってゴージャス。艇体はアメリカのカーバー社の高級ブランド部門マーキーと共同開発、エンジンはボルボペンタのディーゼルターボを搭載する。またクラフトマンシップを誇るブランドがインテリアで選んだのはイタリアのヌボーラリ・レナルド社。簡単に船を眺めてみると艇体は丸みを帯びたエクステリアやボリューミーなトランサム(船尾)周り。
またキャビン内はOMOTENASHI(おもてなし)の精神を核にするブランドらしく全乗員が寛げる空間に。
貧しき筆者の高ポイントはポーナムのコクピットだとカローラ然のスイッチでウン千万のボートという雰囲気が少ないのに対してLY650はきちんとフネのスイッチになっている点だ。結構気分の問題は大きい(失礼)。
2019年にはレクサスのこれからのビジョンを発表している。簡単にまとめるとすなわちそれは2025年までにEV、PHEV、ハイブリッドといった電動車を世界各国に適材適所に展開、合わせて電動車の割合、販売比率をガソリン車よりも上回る計画という。それでいて「クルマを操る楽しさを提供し続けるモデル」や「これまでにない新しいジャンルのモデル」も忘れていない。クルマ好きにとってEVのパソコン的なクルマよりも自分が操っている、エンジンの回転とともに気分が高揚するようなモデルもありうるのかもしれない。
そんな同ブランドから新型NXが発表された。
写真はFスポーツ
NXはグローバルコアモデルとして位置づけされブランド初のPHEVを搭載。
このシステムは2.5リッタ−直4に大容量、高出力のリチウムイオンバッテリー、フロント・リアモーターを搭載。その他には2.5リッター直4ハイブリッド、2.5リッター直4NA、2.4リッターの直4ターボが用意され2.5リッターモデルにはFFも用意される。筆者の期待値はPHEVもさることながら従来の2リッターターボから2.4リッターになったターボモデル。これからもレクサスに要注目だ!
レクサス https://lexus.jp/
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