2部構成の総火演!前段、火力はすべてを支配する!
総火演は前段と後段の2部構成となっています。
前段は、小銃、火砲・ミサイル等が射撃をし、それぞれの性能等を紹介していきます。
それゆえに、とても見やすいだけでなく、「へぇ~、そんなに弾が飛ぶんだ!」などと、トリビア的な発見も多く、初心者ほど前段はおススメです。
何よりも火力。目の前で火を噴いて飛び出した砲弾やミサイルが目標へと命中する様子をしっかりと見届けることが出来ます。
それも、拳銃や小銃と言った、隊員が個人で携行するものから、誘導弾、火砲、戦車など満遍なく射撃をしていきます。ここで射撃できないような長射程の装備等については、会場にある大型モニターで射撃シーンを映し出す方法を用いています。
陸自火力を徹底的に理解してもらう、それが前段の趣旨なのです。
やっぱりすごいよ!砲迫火力
まず「普通科火力」の射撃からスタートします。その「普通科火力」を「小火器火力」「迫撃砲火力」「対機甲火力」の3つに分けて、細かく見せてくれます。
今回、ここで、60㎜迫撃砲(B)が登場しました。2014年度概算要求にて、12門2000万円で購入して以降、配備数を増やしている新しい迫撃砲です。オーストリアのヒルテンベルガー社製で、「M6Cコマンドゥ・モーター」という製品名を持ちます。陸自では、他の迫撃砲同様に、“60㎜迫撃砲”と呼ぶことにしましたが、“B”を付記しています。これは、かつて米軍から「M2・60ミリ迫撃砲」を供与されていたことがあり、この旧型と混同しないためです。ですが、もちろん、現在旧型は使っていません。
この迫撃砲の特徴はコンパクトで軽量であること。軽装甲機動車からさっと展開して、あっという間に射撃できます。
続いて、 野戦特科及び高射特科部隊による「砲迫火力」となります。ここでいう「砲迫」とは、りゅう弾砲と迫撃砲のことです。155㎜りゅう弾砲(FH70)、203㎜自走りゅう弾砲(20榴)、99式自走155㎜りゅう弾砲(99HSP)など、陸自の代表火砲が射撃をしていきます。第2回目でご紹介しました19式装輪自走155㎜りゅう弾砲という新装備も登場しました。
そして、81㎜迫撃砲小隊、120㎜迫撃砲も射撃します。これらは、基本的に普通科の装備です。しかし、今後、120㎜迫撃砲は、野戦特科職種に移行する流れがあります。
これまでは、普通科連隊の重迫撃砲中隊が配備していましたが、即応機動連隊においては、特科隊員で構成された火力支援中隊が扱うことになりました。普通科連隊についても重迫撃砲中隊を見直す考えもあるようです。これまで普通科“最大”の火砲であった120㎜迫撃砲が、特科“最小”の火砲となります。
射撃を終えると、各砲は、陣地変換を行うとして、会場から出ていきます。各火砲の変換にかかる時間の違いを見せることが目的です。1番早いのは、やはり小型の迫撃砲です。続いて、自走砲が出ていきます。最後に出ていくのが155㎜りゅう弾砲です。大砲なのに、動力が付いていて、時速15㎞程度で自走できるのです。トコトコとゆっくり走る様子は非常にかわいらしいです。