アルファロメオは創立111周年になる。そこで現行モデルの主力車種をここでご紹介。最初はアルファロメオ初のSUV、ステルヴィオだ。
筆者が乗ったのは7月10日にラインナップに導入されたばかりのヴェローチェ。
アルフィスタ(熱心なアルファロメオファン)の間ではその存在に関してはツーカー的なヴェローチェだが一応、補足的に説明させていただくとヴェローチェ(Veloce)とはイタリア語で「速い」を意味し、多くが高性能モデルのグレード名だったり、そのベクトルの車名であったりするのだ。
今回、追加されたヴェローチェ、エクステリアはホイールアーチ、サイドスカート、リアバンパーなどがボディ同色になったほか、専用スキッドプレートやダークエキゾーストパイプフィニッシャを装備するなど好きモノが見ればそりゃあテンションが上がるようなスポーティなイメージが強められ、且つオトナが見ればなかなかに上質な雰囲気が高められているのがポイント。
それはインテリアにも同じことがいえアルミニウムのインテリアパネルを筆頭に、レザーダッシュボード、ブラックまたはレッドのスポーツレザーシートを採用している。
内装で思わずさすがイタ車! と思ったポイントが、
リアアームレストの根元の化粧板(のような黒い部分)に「アルファロメオ」とブランド名が入っているところ。このさりげないオシャレがイタリアの伊達男たるゆえんだろう。
試乗車はアルファホワイトのボディカラーにインテリアカラーはレッドという白いスーツに赤いバラの花束を連想させ、まさにSUV界の柴田恭兵。
このエンジンはかなりキャビン側に位置しており、前後重量配分は50:50を実現。最近の乗用車のディーゼルエンジンの静粛性から考えればステルヴィオのそれはディーゼルであることの自己主張は若干強め。かといって不快かというとそうでもない。むしろクルマの接近がわかるので対歩行者や自転車にもいいのかも。チマタに溢れるハイブリッドモデルやEVだと近くにいても全く気づいてくれないことも多い。誰もいないはずなのに背後にむやみやたらと気配を感じ、振り返るとハイブリッドカーが迫っていた、真夏の夜の怪談っぽいがよくある話だ。
さて、このディーゼルユニットのスペックは210PS、470Nmと数字だけ見れば昨今のSUVでいうならば取り立ててすごい! とかではない(リッタ−100PS近いケド)。どちらかというとハイスペックな方。だがその回転のフィーリングを侮ってはイケナイ。ディーゼルエンジンの特性として低回転から粘りのあるトルクを誇るが、ガソリンエンジン同様にタコメーターの針は右半分、高回転域に固定したくなるほど楽しい。
その楽しさはエンジンのフィーリングだけではない。大きなボディのSUVながらもハンドリングが楽しいのだ。ステアリングのロックtoロックはわずか2回転ちょっと。専門誌的な表現ならステアリングギア比は12:1。この数字がどんなモノなのか。例えばSUV「ながらも」機敏な動きに貢献するハンドリングとかSUVにしてはウンヌンと表現されるライバルメーカーのSUVなんてアウトオブ眼中な切れ味なのだ。スポーツカーと言われて想像できるあんなモデルやこんな車種でもこれほどのギア比は少ない、そのくらいクイックな味付けになっている。そんなコーナリングマシンを8ATのパドルシフトで操る快感は自分が主役感いっぱい。これぞスポーツカーの醍醐味。
車名にイタリアでも有名な厳しい峠道、ステルヴィオ峠を使うだけのことはある。アルファロメオ曰く旋回中のロール角はクラス最小だけあって感覚だけでなく実際にスポーツカーなのだ、アイポイントの高さを除けば。かといって街中で乗り心地が犠牲になっているかというとそうでもないこともご報告したい。
駆動システムはQ4と呼ばれるアルファロメオの4WDシステム。通常は後輪にトルクが配分され、必要時には前輪にトルクがまわされる。これでDNAシステムをダイナミックにすると条件が許せばリアを少しスライドさせることが可能。楽しくて頬がにやけるSUVは598万円のスプリント(ディーゼルエンジン)からラインナップが用意されている。
アルファロメオ ステルヴィオ 2.2ターボディーゼルQ4ヴェローチェ
価格 | :687万円〜 |
全長×全幅×全高 | :4690×1905×1680(mm) |
エンジン | :2142cc直列4気筒ディーゼルターボ |
最高出力 | :210PS/3500rpm |
最大トルク | :470Nm/1750rpm |
WLTCモード | :16.0km/L |
アルファロメオ
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