『革ってそもそもどんなモノ?』
こんにちは。今回から革に関わるあれこれや、お手入れ、そしてレザークラフトについて、レザーソムリエ・マキマキがお話ししていきたいと思います。その前に、レザーソムリエってなに?思う方も多いでしょう。革の素材や、お手入れの方法、革に関する知識があり、レザーソムリエの資格試験を合格した者のことです。詳しくはLS&DのNO,8に記事がありますので、そちらも是非!!
僕の自己紹介をちょっとだけ。19歳から靴店でバイトを始めそこで革の魅力に取りつかれました。靴メーカー、ベルトメーカー、靴の組合などを経て、革・靴に関するアドバイザーをやっています。とにかく革が好きだけで生きてきました。そんなマキマキの革講座を楽しんで貰えたらと思います。
それでは第一回目はこれ!!
革の世界は奥が深くて、マニアにしか理解できなそう…と思っている方が多いはず。この回は革の歴史についてわかりやすくお話しします。
革といえば、動物の革、果物の皮、魚の皮など様々ありますが、今回は動物の革のお話し。靴とかバッグとかお財布など、革製品って色々あります。まぁ、大体牛革です。ヤギや羊、鹿なんてものあります。
『革』を人類が使い始めたのが、200万年前と言われています(諸説あり)。寒いから着たり、足が痛いから履いたり、荷物を持つために使ったりしたと言われています。きっと丈夫で便利だから昔の人も使ったんでしょね。では、なぜ昔の人も革を使用したのでしょうか。それは革しか無かったからではないでしょうか。そもそも、ビニールなんてないし、綿も8000年前から誕生した(諸説あり)と言われています。
もう一つは、生きていく為に狩をしてお肉食べたからです。きっと皮は硬くて食べられなかった…のかどうかはわかりませんが、食事後、皮だけ残されたのが、たまたま腐らずに柔らかく革になったものを使用したのでしょうね。
この腐らずに、柔らかくなったのがいわゆる『鞣(なめし)』をされた状態のことです。
鞣についてはちょっと難しいので、また別の機会に。腐らず、柔らかくなったのは、自然、言わば地球の環境機能が働きました。落ち葉がいっばいの森で動物が死に、木の革や土、葉などがタンニンと言われる物質を出し(ワインなどにも入ってます)皮を『革』に化学反応させたと言われています(タンニンなめし)。その後、人類は革の作り方を覚えて、すごく便利に使ってきました。
その後、産業革命あたりで、科学的に皮を革に作ることに成功して丈夫で早く生産できるようになります(クロムなめし)。
そして今や合成皮革、人工皮革など動物の革を使わないもの(正確には革ではないと思いますが)も多く普及しています。最近ではマッシュルームやリンゴ、サボテンの皮などもあったりします。どの素材を選んで使うかは、人によって違うと思いますし、自由だと思っています。個人的な意見だと、動物の革が一番地球に優しいのかなと。なんせ捨てるところを再利用してますし、耐久性もあり、劣化(よくボロボロになるやつ)も有りません。値段がちょっと高いっちゃ高いですが、皮を革にする工程での排水処理なんかは、完璧で、設備投資しています。
で、革ってどうなのよ!!ってことなんですが、人間が人間らしく生活する前からある物であるのは間違いなく、動物の皮を使うなんて、かわいそうって声もいっぱいありますが、どうせ捨てるところなんだから、もったいないから使った方がいいと僕は思います。
でもあの肌触りや、匂いって癖になりませんか?きっとずーと昔の祖先から革はいいよ
っていうDNAが我々に受け継がれてるのかもしれませんね。今回は革ってそもそもどんなモノ?と言う事で語ってみました。
今後は、あんまり他では言わない『革のお手入れ』や、僕自身も講師をしている『レザークラフト』、一番大好きな『靴』などを中心にお話をしていきたいと思います。お楽しみに!!