『革の天敵カビ!!~カビに侵されないようにする予防＆超応急処置編～』
皆さんこんにちは。レザーソムリエのマキマキです。今回は『カビ』についてです。久しぶりに出した革靴やバックが、カビだらけ‥なんてことも。こんな時、本当凹みますよね。でも今日はそんなお悩みを解決するやり方をご紹介します。
まず、カビは拭いても完全には消去できません。完全になくすには、お風呂のカビとりみたいな次亜塩素酸やアルコールだと思うのですが、絶対に革には使用しないでください。革が硬くなったり、特に色が落ちることがあるので、絶対ダメです。近年のコロナ対策用の除菌シートなどもダメですからね。
では、まずはカビ取りから行きます。今回は、この記事用に自前の靴をカビカビにしました（泣）。靴は前回の記事でも書いたように（参照）初めはブラッシングをするのですが、カビの場合は水拭き雑巾でまず拭き取ります。カビが舞い上がるが嫌なので、ゆっくり丁寧に拭き取ります。拭いても落ちないシミのようなものが残る場合もありますが、ゴシゴシしないで、革用クリーナーを使います。今回使用するのはサフィルーレノマットリムーバというクリーナー。サフィールはフランスの靴クリームのメーカーです。色を染める染料や靴磨きセットなども販売している、世界でも有数のレザークリームメーカーです。それではカビ取りの続きです。見えるカビは取り除きましたが、根が張り付いていて完全にとり除けた訳ではありません。そこでサフィール「レノマットリムーバー」を使います。
使い方は簡単。少しだけウエスなどにとり、薄く塗って行きます。これだけで終わりなのですが、このバームローション臭いが結構キツいです。思ってるよりキツいです…でも僕が使った中でも１、２を争う汚れ落としローションです。オススメです!!
次はしっかりと乾燥させます。今回の一番重要な部分です。丸一日、２日乾燥させてもいいと思います。カビは湿気を好むので直射日光の当たらないように注意して、風通しが良いところで乾燥させましょう。
十分乾燥したら、クリームを塗ります。ここからはエピソード４（動画もあります）と同じです。今回はサフィールのビーワックスを使用しました。満遍なくクリームを塗っていきましょう。何度も言いますが、塗りすぎ注意です。カビの根は取れていませんので、クリームが栄養になってしまい、また繁殖する可能性があります。
ここまでがカビ取りの応急処置です。どうしてもシミになる、取れない…という方は靴磨きの専門店をおすすめします。プロはやはり素晴らしいほど完璧に綺麗にしてくれるので、是非行ってみてください。
ではカビさせない方法はどうしたらいいか。湿気の少ない風通しの良い場所で革製品を保管する事です。カビてしまうモノとしては靴が圧倒的に多いと思います。
本来、日本は湿気が多い土地です。畳や襖などは風通しを良くするための先人の知恵の塊です。玄関は特に湿気があるので風が通りやすい作りになっていました。現代では下駄箱と、今は言わないかもしれませんが、扉が付いていて中は湿気がムンムンです。そして１足カビてしまうと、シューズボックス内の靴は一気に全滅します。
おすすめは、お客さんなどが来ない時は、扉を開けて風通しをよくしましょう。あと、靴を買った時の靴箱で収納するのは絶対やめましょう。湿気の溜まり場です。靴底がボロボロになる加水分解も助長させます。（加水分解についてはいずれ。）歩いて帰ってきた後は、かなりの量の水分が足から放出されていて、靴の中は水分だらけです。中敷を外せる靴は外して干した方がベターです。
そして靴をフックでぶら下げて乾燥させる。‥とまでは普通はできないので、湿気とりを使うなどして対応しましょう。ちなみに湿気取りは１足用のものでなく、玄関全体に使えるモノを推奨します。今は玄関用乾燥機などもあるので、ご自身にあったものを探してくださいね。これは洋服のクローゼットでも一緒で、BAGを保管するときもクローゼット内の湿度に注意です。洋服もカビますし、虫にも食われます。
後は、防カビ材が入っているクリーナーやクリームを使ったり、防水スプレーを使うなどの方法があります。ただそれらも100%ではありません。やはり日頃のお手入れが重要です。拭いたり、たまに風通しをよくするだけでも、カビは防ぐことができるので、そのあたりから始めましょう。
カビも繁殖する事が生きていく方法で必死です。我々もしっかり対応しましょう!!
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