スバルがグローバルに展開していくBEV、ソルテラがデビュー。
といっても発売まではもう少しかかるけれど。ソルテラ、ご存知のようにトヨタのBEV、bZ4Xとは兄弟車で開発もスバルとトヨタの共同開発。開発に当たっての根幹は根幹は「いっしょにいいクルマを作る」で、そのためにはお互い譲れない部分は「仲良くケンカした」そうだ。自動車界のトムとジェリーといっても差し支えはあるまいて。実際モーター、バッテリー制御のECU、ステアリング、サスペンション、ブレーキは共通。生産もトヨタの工場だがトヨタにはないスバルのボディカラーなどは持ち込んで生産するという。
さて。ソルテラの車名の由来だが、太陽(SOL)と大地(TERRA)を組み合わせた造語。世のオトーサン、オカーサン世代に懐かしい久保田早紀の歌の歌詞にあったような(編集部注:1979年のヒット曲「異邦人」の歌詞を言っているようです)モノか。筆者のツマラナイ話は置いておいて、ソルテラ、BEVである。EVではなくBEVなの? そうなのです。最近の表記としてジツはEVのカテゴリー分けができていまして、BEVは Battery EV。つまり搭載されたバッテリーを動力源とするため、外部電源から充電する必要がある。同じモーターを動力として走るFCEVやFCVもあるが、こちらは水素と酸素で発電して走る電気自動車だ。この2つとと区別するためEVでも棲み分けが進んでいるのだ。両者ともEVだけれど。
ソルテラのデザインはEVらしい前後のオーバーハングが短く、先に発表されたbZ4Xと異なり、シームレスな造形のヘキサゴングリルを持つ。またSUVらしさを感じるフェンダーが特徴的。対してbZ4Xは都会的な雰囲気だろうか。
さて。BEVとしての性能はFEDモデルはフロントに150kWのモーターを搭載、4WDモデルではフロントに80kWのモーターとリアに160kWのモーターを載せている。充電性能はAC充電器最大出力が6.6kW、DC充電最大出力が最大150kW。ソーラーパネル仕様の設定も公表されている。また先進感もクルマの特徴の一つ。例えばスバル初の全自動駐車支援機能。これはステアリング操作、シフト操作、アクセルやブレーキの操作をシステムで制御しすべて自動で駐車を行ってくれる。この機能、スマホで車外からでも操作可能というから気分は1/1スケールのラジコン? かも。実際自分が降りて車庫入れすればあちらこちら目視できるからぶつける心配は皆無。もちろんスマホはクルマのカギとして使えるデジタルキーや空調の予約、クルマの起動にも使える。コネクティビティが大幅に強化されているのだ。
なんだよー、結局トヨタ印なのね、と嘆くことなかれ。この辺りが今回の肝で各ブランド色を色濃く出しているのだ。運転する楽しさ=スバルらしいと感じるユーザーにはさすが! と思えるベクトルになっているという。例えば足回りの味付けはbZ4Xとは異なっている。スバルが独自の悪路などのオフロードテスト走行からダンパーの減衰率を調整したり、2モーターAWDの細かい制御をする自慢のX-MODEを装備させたりしている。最低地上高も210mm確保するのも特長だ。
またEVならではのワンペダルモードもあるそうだが、アクセルオフでの完全停止まではソルテラは未採用。クルマを止めるのはブレーキ、という運転の基本に沿った考えかたからだ。裏返せばEVになってもドライバーがクルマを動かすことに変わらない、ということ。その延長でソルテラのみに与えられた装備としてパドルシフトがある。これは回生ブレーキの調整を行うモノ。乱暴な表現だけれどエンジンブレーキの効き具合の調整といえばわかりやすいかも。もちろんエンジンはついてないけれど。山道などでパドルを使って減速、ブレーキング、加速といった運転のダイレクト感はスバルらしさだろう。実際の仕様は発売までにきめ細かくチューニングしていくといい、具体的には不明な部分が多いが電動化でも走る楽しさは残されている点は素直に歓迎したい。ただ意外なのはスバルのもう一つのお家芸でもあるアイサイトが採用されなかったこと。これは制御がトヨタのモノを使っているので先進安全装備はトヨタの「Toyota Safety Sense」を採用している。共同開発とはいえそれぞれのブランドの「色」が出たエコカー、発売が楽しみだ。
ソルテラ(AWD)
全長×全幅×全高 | 4690×1860×1650(mm) |
フロントモーター最大出力 | 80kW |
リアモーター最大出力 | 80kW |
システム最大出力 | 160kW |
一充電走行距離 | 460km前後(FWD車は530km前後) |
価格 | –万円から |
スバル https://www.subaru.jp/
問 SUBARUお客様センター 0120-052215