ジャズでいうところの「サマータイム」であり「マイウェイ」だったりそれらの世代を超えて親しまれる定番をスタンダード何々と例えられる。クルマでもそれは当てはまる。スタンダードコンパクトカー、500だ。イタリア語読みならば「Cinquecento(チンクエチェント)」でチンクの愛称で親しまれるソレだ。モノwebもスタンダードになれるようにそのオーラにあやかりたいモノ。500でドライブする前に少しだけ勉強してみると……。
初代500のデビューは1936年。
1936年といえば日本では2.26事件があった年だ。当たり前だけれども文化の違いはスゴイ。初代モデルはフロント周りのデザインからトッポリーノの愛称で呼ばれた。この頃から500はネズミ系の愛称だったともいえる。ラダーフレームでフロントエンジン、リアドライブのFR方式で搭載されるエンジンは569ccの直4、13PS。500kg台の軽量ボディで85km/hの最高速を誇ったという。しかし完全な2シーターで実用車としては難しい面もあった。
そして新世代の500として1957年にNUOVA(ヌオーヴァ)500とまさにそのままやん! とツッコミたくなるネーミング(NUOVA含めての正式車名)だった。
しかし実際の初代の後継モデルは1955年デビューの600(初代とホイールベースが同じ)であるというウンチクも。同様にこの新500の後継モデルは126でもある。まあ、いずれにしてもこの新500は世界中で大ヒットした。居住空間を確保するためにエンジンをリアにし、こもるメカニカルサウンドを逃す意味も含めてキャンバストップを採用した。搭載されたパワーユニットは初期型で479cc、13PS。中期型以降で499.5ccの18PS。決して速くはないけれどもどんな状況でもエンジン全開的に使われ、世界中の街を走り抜けたのだ。
そして2007年にデビューしたのが現行モデルになる。
コンパクトカーの金字塔の一つをなす500、デザインは世界中で愛された新500をモーチフにし復活。アイドルの瞳と例えられるつぶらな瞳、いやライトも健在。何よりも快適性が向上し4人乗車も後席に乗る人が気合いを入れる必要もなくなった。エンジンも日本仕様では1.2Lの直4、69PSと875ccの直2気筒ターボ、85PS(いずれもガソリン仕様)の選択が可能。「らしさ」といえば直4の方が「っぽい」と筆者は思う。またモデルバリエーションもクローズドボディからカブリオレ、
Xのスポーティグレード、xスポーツ
さて試乗開始。(後編に続く)