最近、見慣れない宅配車を見かける。荷室、いわゆるコンテナの部分にはこちらは見慣れた黒猫のマーク。ジツはこのクルマ、宅配大手のヤマト運輸が導入しだした宅配専用のトラック。しかもEVだから2度びっくり。
ヤマト運輸といえばトヨタのクイックデリバリーが街中ではイコール的存在。
このクイックデリバリーは1982年、トヨタがヤマト運輸の要望を受け開発したといわれる宅配専用車。車内で作業をする時も腰に負担をかけない高い天井高が特長的。このモデルも1985年、1999年とモデルチェンジを繰り返し進化していった。2011年からはヤマト運輸向けの生産を続けていたが、やがてそれも2016年に幕を閉じることに。ちなみにこのクイックデリバリーは移動販売車やキャンピングカーのベース車両としても人気がある。
さて、この新しい宅配車だがドイツ製。世界最大の国際物流グループ、ドイツポストDHL傘下のストリートスクーターが手がける輸入車なのだ。
ボディサイズは全長が4700mm、全幅1830mm、全高2250mm。全高以外はミドルクラスの乗用車とほぼ同じ大きさで中型免許不要で普通免許で運転できる。このクルマは宅配業務に特化しており1日平均200回以上の乗り降りをするドライバーを考慮しそのシート高は乗用車並の低い位置に。またシート形状もドア側(いわゆる外側)をフラットにするなどプロ仕様。加えてシートヒーターを標準装備にするなど快適な「仕事場」にしている。また乗用車同様のキーレスエントリーもプロ仕様にバージョンアップ。ドライバーがクルマから離れるとドアと荷室にロックがかかり、近づくと解錠され、煩わしい一手間を減らしている。トラックの宿命でもある死角もモニターが補助するなど安全面も考えられている。
走行性能はメーカーのHPによると1回の充電で約150km走行可能。これは街中をまわるのに十分な距離だ。
このクルマは一都三県(東京、神奈川、千葉、埼玉)で順次稼働する予定という。