最近の軽自動車の売れ筋は背の高いクルマ、いわゆるスーパーハイトワゴンが中心。乗り込んだ時の「広っ!」な魅力は抗しがたいけれど、人と違ったベクトルのクルマが欲しいユーザーにはタフトはいかがだろうか。
デザインはカクカクシカジカとダイハツらしくスクエアなデザイン。
かつて同ブランドからリリースされていたネイキッドを思い出した方、職業でなければダイハツファンと名乗っても差支えはあるまいて。フェンダー周辺に配された樹脂製パーツなどSUVの力強さを演出するマストアイテムもお約束通り。またタイヤサイズは軽自動車としてはかなり大きな15インチが全モデル標準。
タフトは本格的なガレ場などには向かないとされているが、なかなかどうして。最低地上高は190mm、27度のアプローチアングル、58度のディパーチャーアングルはシティ派SUVと考えるならば立派過ぎだ。ちなみにこの何たらアングルとかは、バンパーとタイヤをつないだ線と地面がつくる角度のこと。アプローチはフロント側、ディパーチャーの方はリア側になる。この角度が大きいほど急斜面でもバンパーを擦らずに済む。タフトの値は上記の通りで、街中から河原BBQ、雪道のワダチまでかなり行動範囲を広げてくれるはず。加えて片輪のタイヤがスリップするような状況でも空転したタイヤに制動力を、空転しないタイヤには駆動力を伝えて発進しやすくするグリップサポート制御も全モデルに標準だ。
いやいや。オイドンは厳しい岩場なんか行かんですたい、と多くのユーザーはお思いのことと思うけれど、ジツは普段使いでも強い武器になる。例えば街中で良く見かけるスーパーの屋上駐車場。このアプローチが助走エリアもなく、いきなり急坂!! ってな時でもフロント下を擦ることなく進入可能だし、その逆も然り。下回りの「ゴリっ!」がないのは運転していても精神衛生上大変よろしい。また車庫入れで小回りの効く軽自動車の利点を活かしたアタマ(車前方)から駐車した時、車輪止めにクルマ下部を当ててしまった経験があるユーザーも多いと思う。しかしタフトなら大丈夫な場合が多いのだ。
事実、筆者は試乗中に段差や車輪止めに気を使わないで使えた。
さて。試乗車はGターボグレードで、FF仕様のターボエンジン搭載モデル。
スペックは自主規制値いっぱいの64PS、100Nm。馬力はともかくこれがかなり元気のいいクルマで、高速道路の合流加速も右車線の流れにのった巡行もラクラク。むしろ流れをリードできる力を持っていた。今時の……といえばそれまでかもしれないが、見た目から受ける印象よりも速いし、車内は静かだし、快適クルージングの旦那仕様なのだ。Gターボには全車速追従機能付ACC、LKC(レーンキープコントロール)も標準装備ということもあり、流れにのった高速移動は楽チンであった。
インパネはSUVモデルらしく直線を基調としたモノ。
G以上のグレードには随所にオレンジのアクセントカラーが配されていてスタイリッシュに「映え」ている。タフト注目のスカイルーフトップは全モデルに標準装備。これは紫外線だけでなく赤外線までもカットしてくれるスーパーUV&IRカットと至れり尽くせり。
この時期はここから見える夜景やイルミネーションなどでテンションもアゲアゲになること間違いない。そんな夜間のドライブで気づいたことが。G以上に標準装備されるアダプティブドライビングビーム
がかなり便利だった。ハイビームとロービームの切り替えを自動で行ってくれるだけでなく、ハイビーム時に先行車や対向車を感知すると部分的に遮光する優れモノ。装備の話でもう一つ。タフトにはオートホールドモード機能付きの電動パーキングブレーキは全モデルに標準装備される。
加えてG以上には前席のシートヒーターも標準装備ときたもんだ。パン(扇子で額を叩く音)こりゃあ、充実装備でお買い得っすねえ。(編集部注:落語ですか!)
タフトの魅力は後席の足元スペースがかなり広い。
リアシートのスライド機能はないけれどこの広さはスゴい。後席は左右分割可倒式採用。
街乗りから遊びに大活躍しそうなタフトは135万3000円から。
以上、現場からお送りしました。
タフト Gターボ(2WD)
全長×全幅×全高 | 3395×1475×1630(mm) |
エンジン | 658cc直列3気筒ターボ |
最高出力 | 64PS/6400rpm |
最大トルク | 100Nm/3600rpm |
WLTCモード燃費 | 20.2km/L |
価格 | 160万6000円〜 |
ダイハツ
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問 ダイハツお客様コールセンター 0800-500-0182