それはオフロード専用のコンセプトカーなのだが、あの高級車だったり「芸術的な〜」の形容詞を持ったりするレクサスがROVですと!! とびっくりした人が何人もいるとかいないとか。筆者もびっくりでした。ちなみにROVとはレクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークルの略。コンセプトカーの車名かと思いきやジツはこのROV、車名でなくクルマといったようなくくりになる。乱暴に言うとオフロードバギーのことだ。
しかもこのコンセプトカー、フロントをよくよく見るとレクサスのデザインアイデンティティ、スピンドルグリル調のデザインを見て取れるし、
前後の灯火類はレクサスのLを模した現行モデルに見られるモノ。
レクサスといえば高級セダンからスポーツカー、果てはモータークルーザーまでリリースしており、「さらなるアドベンチャーを求める顧客に向けた提案」と謳っているが、考え方が柔らかい同ブランドのこと、もしかすると本気で市販しちゃうかもしれない。
この手のバギーは北米では人気のモデル。それにしても1/1RCカーみたいなボディ、見るからに楽しそうだ。頑丈なパイプフレーム、むき出しのサスペンション、これらはドライバーの意図に忠実でリニアな応答を可能にするレクサスドライビングシグネチャーをよりリアルに体感可能らしい。
フロントガラスの開閉も可能
エクステリア同様にインテリアもレクサスのクラフツマンシップを感じさせるモノだ。
ステアリングはレザーで、シフトノブは彫刻が施される。未舗装路をガンガン走ると泥や水跳ねなどで汚れることを考慮してシートはさすがに合成皮革らしい。
注目すべきはレクサスがこのイデタチのクルマを作っただけでなく、そのパワーユニットだ。それは排気量1リッターの水素エンジン。これは従来のエンジンの燃料供給・噴射システムを水素燃料用にしたモノで、バイク、いやF1並な高回転仕様でレッドゾーンはなんと1万0500rpmからという。エコカーなれど心地よいエンジン音を聞けるのはクルマ好きにとって大きな魅力だ(ここが大事)。トヨタが水素エンジンでレース活動をしているが、その実用性が少しずつ現実味を帯びてきた、と筆者は喜びたい。また一般的に水素エンジンの水素を燃焼する速さはガソリンエンジンのそれよりも速い。つまりレスポンスに優れるということも魅力だと思う。水素を燃料とするモデルにトヨタブランドのMIRAIがあるが、アチラはモーター駆動(水素を空気中の酸素と化学反応させ発電する)だが、ROVコンセプトのソレはしっかりとクランクが回ってピストンが上下するのだ。レクサスはカーボンニュートラルに取り組みつつもクルマの運転そのモノの楽しさも追求するメーカーとしての立ち位置も明確にして、ライバルと差異化を図る大人の事情もあるのかもしれない。レクサスの水素エンジン、ますます目が離せないゾ。
レクサスROVコンセプト
全長×全幅×全高 | 3120×1725×1800(mm)! |
レクサス!
https://lexus.jp/
問 レクサスインフォメーションデスク 0800-500-5577