掃除機を選ぶとき、何を重視しているだろうか。吸引力の強さ、吸引力が低下しないこと、本体の軽さ、バッテリー駆動時間、デザイン。いろんな要素がある。そんな中で、今トレンドとして是非チェックしてほしいポイントがある。それが掃除機のヘッドだ。
実は今、ちょっと変わった面白いヘッドを搭載する掃除機が増えているのだ。掃除機のヘッドといえば中にゴミを書き込むためのブラシを搭載している。このブラシの形状や取り付け方に各掃除機のこだわりが詰まっている。
昨年発売されたパナソニックの「パワーコードレスMC-SBU840K」は向き合った円錐形のブラシを2本搭載する「からまないブラシ」を採用。掃除機で床に落ちた長い毛を吸い取るとブラシに巻き付いてしまうのだが、パワーコードレスなら、それがない。
厳密には長い毛は一度巻き付くのだがブラシの回転と吸引力によってゆっくりと真ん中に移動し、最後は2本のブラシの隙間から吸い込まれて行く仕組み。ブラシを外して巻き付いた長い毛を取り除くといったメンテナンスが不要なのだ。
なお、「からまないブラシ」はスティック掃除機だけでなく、キャニスター型掃除機(サイクロンのMC-SR580K、紙パック式のMC-JP830Kにも採用されている。
2本の向かい合ったブラシにより浮き上がったような軽さで掃除できるのがバルミューダの「BALMUDA The Cleaner」だ。ホバー式クリーナーと同社が呼ぶこのスティック掃除機は360°、自在に動く大型のヘッドを採用するのが特徴。2本のブラシはそれぞれ内向きに回転する仕組みとなっており、電源をいれると浮いたような状態になるのだ。
あとはフロアブラシのように前後左右に自由自在に動かして掃除できる。ヘッドが大きいので一度に掃除できる範囲が広く、また、横向きにも動くので狭い場所にも入り込める。掃除機というより、ほうきやモップのような使い方で掃除ができるのが面白い。
この複数のブラシを搭載するヘッドはこれからのトレンドになりそうだ。東芝ライフスタイルが新たに発表したスティック掃除機、「TORNEO VC-CL3000X」も2本のブラシを搭載している。
新たに採用された「オシドリヘッド」は回転方向の異なる2本のブラシを搭載し、強力な回転によって、前後からゴミを搔き込める仕組み。掃除機を前に進めて行くだけで前後に往復させたような掃除ができるのだ。
このように掃除機はヘッドの形状も日々進化を続けている。吸引力が高いことは掃除機の基本性能として正しいが、強すぎるとマットレスを持ち上げてしまったり、そのぶんバッテリー性能が低くなったりすることがある。様々なアイデアヘッドを最適な吸引力と組み合わせることでベストな掃除ができるのだ。