ファッションモデル山下晃和の偏愛モノ図鑑 44
世界で1番指を動かしやすい自転車グローブ


年が明け、少しずつ日が延びてきて、寒い冬も慣れてきた。東京の街を歩いている分には問題ないが、自転車やモーターサイクルに乗ると、手に冷たい風が当たり、すぐにかじかんでしまう。ブレーキレバーに指をかける二輪移動ならではの悩み。今回は、そんな冬の自転車ライドに欠かせない無敵のグローブrinprojectのウィンドシェルターグローブの偏愛っぷりを語りたい。

私は、rinproject(リンプロジェクト)のウィンドシェルターグローブを愛している。

なぜこれほどまでに惚れ込んだのか?

riproject(リンプロジェクト)は、2000年代前半に生まれた日本のサイクルカジュアルブランド。代表の山田浩氏が立ち上げた。自転車用のウエアが世の中にあまりなかった頃に、ピストバイクやメッセンジャー などのストリートバイクカルチャーが台頭してきたころ、自身の自転車通勤用に良さそうな「自転車に乗る時に、こんな服があったらいいな」を具現化したブランドだ。

 自転車といっしょに暮らし、旅するサイクルグッズが豊富にあり、定番のサイクルパンツ、自転車用のカスク(自転車用のレザー製ヘッドガード)など、乗る時と、乗らない時を分けなくてすむよう、場所、年齢、性別など多角化したサイクリストの雰囲気にも溶け込みやすいものばかり。

リンプロジェクトは「風を切る、のではなく、風とともにー。」そんな製品のフィロソフィーがある。

生みの親でもあり、シャノア(フランス語で黒猫という意)という会社の代表でもある山田氏は、1980年代、当時フランスを舞台として活躍していた日本人ファッションデザイナーたちと共に、ファッション業界で働いており、企画制作を担当。様々なブランドと組んで、バッグ、アクセサリーなどを提案していた。より面白い仕事をしたくて方向転換をする

そのきっかけが1995年の交通事故だ。車の恐ろしさを知ることになり、自転車中心の生活にシフト。

自転車に乗りながら、今の原型となるストレッチ サイクル パンツとバイクウェイパックを発案。このときは「燃えるゴミ・燃えないゴミ」というブランド名でドイツケルンショーを見据えて、東京のサイクルショーでローンチ。適切なリサイクル手段で、生活システムに適応できるよう心がけ、ゴミとならないように、という思いがあった。

その後、社内研修と称して、日本各地を自転車で旅し、スタッフらのフィードバックを製品に活かしている。私も、かつて一緒に東北大震災の復興を後押しすべく企画したリンプロジェクトのツアーに参加。福島から茨城まで3日間かけて漕ぎ、恒例の年末伊豆大島ツアーに行ったことも。

リンプロジェクトメンバー全員が、自転車に乗って、旅をすることで、単なる自転車ファッションではなく、旅ウェアとしての機能も年々ブラッシュアップしている。

福島から茨城まで3日間自転車で走り抜けたリンプロジェクトツアーの集合写真

リンプロジェクトの自転車旅とは「汗をかいて、シャワーを気持ちよく浴びて、おなかいっぱい食べ、体の赴くままにベッドに倒れこむこと。これが私たちの自転車旅の目的です。」のことだ。

こちらがウィンドシェルターグローブの握ったときのかたち

私が愛用している前後示唆灯(ヘルメットやカスクに付ける自転車用ライト)、サイクルポロパンツ、ストレッチサイクルパンツなどと共に使い倒していると言っても過言ではないのがこちらのウィンドシェルターグローブだ。

おそらく2代目のものだと思う。現在はさらに新しくなっていて進化しているよう。まず、1番の特徴は非常に保温性が高いということ。世間のあらゆるサイクルグローブはロードバイクを意識したものになっていて、風の抵抗、軽さ、プロテクションを重視しているためデザインが普段着に合わせるのが難しい。サイクルジャージ上下だったら違和感はないが、街乗り、買い物程度で乗るのであれば大袈裟な物は必要ない。

手を広げたときのウィンドシェルターグローブ

もう一つの特徴は、保温性の高さだ。フリース素材のためとにかく温かい。速乾性素材が一つも使われていないのもありがたい。そして、握り心地がいい。ブレーキレバーにかけたり、シフトレバーに指をかける時にも柔らかい素材のため握りやすいのである。特に、握力が弱い方や女性にもおすすめ。

温かいのには理由があって、フリースの外側には影響しない内側に防風素材(サイトス)がほどこされているからだ。フリース素材はモコモコにすればするほど暖かくなるが、スキマから風がどんどん入ってくる。なので、登山などのウエアリングだと、フリースやダウンは中間着にして、1番上にレインウェアなどの防水、防風性の高いものを着るのだが、このグローブは1つで二つの役割があり、さらにフリースを外側にすることで触り心地がスポイルしていない 。

手のひら側。こちらは人差し指と親指の先がスマホ対応だが、新製品は全面になったよう

またスマホ対応になっているので人差し指と親指で画面に触れるときちんと動いてくれる。新作は手のひらの全面でスマホ対応になっているとのこと。

わずかにクッション性もあるのでドロップハンドルでもフラットバーハンドルでも、握る手が疲れない。

右手の下にはさりげなくrinprojectのロゴタグがある

また、小指の下に付いている4つの丸はリフレクターだ。自転車乗りにとっては当たり前のハンドサイン(曲がるときや車線変更をするとき)を出すと、ちょうど自動車やバイクから見えやすい位置にあり、視認性を上げ、暗い夜道でも安心安全の自転車ライドになるのだ 。

裏の製品表示にはMADE IN JAPANの文字。新製品にはKAGAWAとあるとのこと

また、日本製であるところも嬉しい。新製品はKAGAWAの文字が入っていて、手袋の有名な産地「香川県」のタグが付く。製造工程も素晴らしいのだ

モデルやライターの仕事をしていると本当に多くのサイクルグローブ(海外ブランドもアウトドアブランドのものも)を装着してきたのだが、このウィンドシェルターグローブに勝るものは今のところない。デザイン、握り心地、視認性の高さ、軽さ、素材感。海外自転車旅でもこれよりもいい物はなかったと豪語できるので、私にとっては現在、世界で1位にランクインしている 。

手の暖かさで自転車ライドがハッピーに!

rinproject ウィンドシェルターグローブ No.8030

価格9900円
甲:ポリエステル100% サイトス(R)
掌:ナイロン60%、ポリウレタン40%
手首:アクリル60%、ウール40%
※サイトス(R)は小松精練株式会社の登録商標です。
製造国 日本
【カラー】GRAYグレー、BLACKブラック
【サイズ】 S – L( 3サイズ)

ホームページ: https://www.rinproject.com/
お問い合わせ:カスタマーショップ 03-3842-2883(代表)
カスタマーショップ所在地:〒111-0036 東京都台東区松が谷1-2-3 
ニュー松が谷マンション1F

ファッションモデル山下晃和の偏愛モノ図鑑 38
ファッションモデル山下晃和の偏愛モノ図鑑 37
ファッションモデル山下晃和の偏愛モノ図鑑 36
ファッションモデル山下晃和の偏愛モノ図鑑 35
ファッションモデル山下晃和の偏愛モノ図鑑 34

  • 本業はファッションモデル(タイクーンエージェンシー)。自転車、バイク、クルマで旅をしながら旅の素晴らしさや旅に最適なアイテムを紹介するトラベルライターとしても活動。地方自治体サイクルマップやWEBで連載ページを持つ。 趣味は、旅行、キャンプ、草野球、オフロードバイク、自転車全般(ロードバイク、MTB、ランドナー、小径車)、トライアスロン、トレイルランニング、登山、パックラフト、サーフィン、スニーカー収集、NEWERAキャップ収集、ウエイトトレーニング、読書、インドカレーの食べ歩き、MLB観戦など。  スポーツトレーナーの資格はNASM-PES、小型船舶一級免許、小型特殊船舶免許、大型自動二輪免許、JCTA認定自転車ツアーガイドなどを持つ資格マニアという一面も。かつて、海外30か国以上を自転車で旅したこともある放浪癖あり。好きなファブリックはキューベン、好きな金属はスカンジウム、好きな筋肉は三角筋。20代の頃は某アウトドアショップでバイトをしていた経験も。
  • http://akikazoo.net

関連記事一覧