東京オートサロン見てある記


 チューニングカー、カスタムカーの祭典、東京オートサロンが幕張で開催された。オートサロンといえばアメリカのSEMAショーと双璧をなす国際的なイベントで、昨年はコロナ禍で止むを得ずオンラインのみになってしまったが今年は入場者数に上限を設けての開催だ。またオートサロン、40回を数えるメモリアルイベントでもある。

さて。昨年オリンピックはやったけれどモーターショーが中止になってしまった。その分今回のオートサロンは濃厚な感じと各方面から絶賛されたとかされないとか。今回の目玉は数あれどベスト3に入るであろうクルマが日産ブースのフェアレディZだ。

昨年発表の海外モデルと違い今回は純日本仕様。合わせて特別仕様車「Proto Spec」も発表された。このモデル、Zにちなみ240台限定なれどジツは購入可能(価格696万6300円)。また写真はオレンジのボディカラーが鮮やかなのは、カスタマイズドプロト。Zの方向性で最も究極的なZ432Rをイメージしている1台。

続いての注目はやはりトヨタブース。サーキットとラリーに特化したGRMNヤリス(今夏発売)も

さることながら、ひときわ存在感を放っていたのはGR GT3 Conceptだ。カスタマーモータースポーツの最高峰であるGT3カテゴリーを視野に入れたコンセプトカー。

騒音規制やら環境問題と言われる昨今、クルマ好き、レース好きには大変肩身の狭い世の中だが、世界のトヨタがこういったモデルを発表してくれるのは素直に嬉しい。詳細は不明だが筆者のようなアナログ系クルマ好きには嬉しいマフラーがサイドにある点に注目したい。

 余談だが、4駆用のアフターパーツメーカーとして人気のJAOSブースにはデビュー間もないレクサスのフラッグシップSUV、LX600の姿も。

そしてスバルブースでもワールドプレミアされた1台が。それはSTI E-RAコンセプト。

これはモータースポーツの世界で新しい技術と修練を積むことを目的とした、STI近未来モータースポーツスタディプロジェクトで開発されたEVになる。注目のメカニズムは4モーター搭載。つまり4輪それぞれにモーターがついており、その最高出力は1088PS!! 加えてトルクベクタリングも採用される。将来的には2シーターのグランツーリスモモデルとして販売も視野にあるというから驚きだ。

 ホンダブースからはデビューしたてのステップワゴンの人気モデルになりそうなコンセプトカー、スパーダも登場。

そんなホンダブースで強い存在感を示していのはカムフラージュされてはいたが、シビックタイプRのプロトタイプだ。

今夏デビューの噂もあり、注目のクルマになるかと。

 三菱自動車のブースでは世界初公開となったK- EVコンセプトXスタイル、

ビジョンラリーアートコンセプト

が人気を集めていた。前者はekクロスベースと思われるスタイリング。これにはきちんとした理由があり、三菱自動車の加藤隆雄社長曰く「EVは特別なクルマというイメージではないことを示すため」という。そして後者は新型のアウトランダーがベース。三菱らしさを再定義したところこれまで培ってきたモータースポーツの象徴をブランド名にしたモデルだ。コンセプトモデルとはいえアウトランダーを名乗っていないところに注目。

 そしてダイハツブースでは歴代のハイゼットモデルが並んでいた。

なんといっても注目は昨年末にデビューしたアトレーをカスタマイズしたモデル。

アトレーのデッキバン自体がメーカーカスタムなのだがさらに輪どころかお湯をかけられたカスタムカーがこのクルマ。

アトレーデッキバン キャンパーVer.。文字通りアウトドアを楽しむ装備がてんこ盛りなのだが、なんと荷台部分がお風呂になっているのだ!! クルマにお風呂ですぜ、旦那。このベクトルのカスタムはさすがになかった。恐るべきダイハツ。いや、ダイハツだけに天晴!(編集部注:過去のアトレー/ハイゼットに設定された人気グレードのシャレのようです) 荷台をヒノキの枠にすればヒノキ風呂になるかも。

 とユニークなカスタムモデル多数のオートサロン、web上でも見られるので早速チェック!

オートサロン https://www.tokyoautosalon.jp/
オートサロン公式YOUTUBE https://www.youtube.com/channel/UCgAh9SlY8qwlw-tnEc-A9FA/featured

  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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