CX-60が欧州でデビューしました。同車はマツダがかねてから公表していたCX-5よりも高価格帯のモデル(ラージ商品群)を充実させるというアナウンスがありましたが、その最初のモデルになります。
ラージ商品群というだけあり、ボディサイズもCX-5よりもひとまわり大きく、欧州仕様というタダシガキがつくが、全長4745mm、全幅1890mmに。そのサイズながらも2列シート5人乗りというから車内は広々のはずで、かつライバルをプレミアムブランドとしているあたり、品の良い内装も注目。
明るい内装色のほか、落ち着いたブラックも用意されています。
気になるパワーユニットは同ブランド初のPHEVを採用。その中身は2.5リッターの直4にモーターを組み合せ、システム合計出力は327PS、500Nmを発揮。オーバー300PS、こ、これはドン•ガバチョ大統領(NHKの名作人形劇「ひょっこりひょうたん島」の登場人物)的な表現ならば「みなさーん! ツイにマツダの市販車も300馬力オーバーですぞー」と声を大にして叫びたい。事実、マツダ自身も「このスペックはマツダがコレまでに製造したなかで最も強力なロードカー」とアピールするのだからして。公表された値ならば、0-100km/hは5.8秒という。組み合わされるミッションは8AT。
駆動方式は安心の4WDで、SUVらしくコンディションの悪い路面でも威力を発揮。
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンクとスポーツカー並みのモノ。さすればハンドリングも期待が高まると思いきや、なんと同車にはマツダの看板車種でもあるロードスター(ND型)と同様にKPC(キネマティック•ポスチャー•コントロール)が採用というではないですかい。ドライビングプレジャーにこだわるブランドらしいSUVに仕上がっているのは間違いないでしょう。
ちなみにKPCは工具のブランドではないです。それはKTC(失礼)。KPCは旋回時などにリア内輪に微弱な制動をかけることで、クルマの姿勢を安定させるマツダ独自の車両制御システムです。コーナリングの姿勢が安定すれば運転が苦手な人も連続カーブは怖くなくなるし、腕に覚えのあるドライバーなら「見せてやるぜ、ユーとミーのテクニックの差をな!」と名作「サーキットの狼」の隼人ピーターソンのように駆け抜けていけるでしょう。
スポーティなSUVは数あれどPHEVを持つモデルとなると選択肢が少なくなってきます。
CX-60のバッテリー容量は17.8kWh。EVモードも備え、100km/h以下という条件ではありますがバッテリーのみで63km航続可能としています。63kmといえば、おおよそ東京駅から直線距離で神奈川県大磯町くらい、梅田駅からならば和歌山の九度山までカバーできる距離。
賢明な読者の方ならば、なぜPHEVなんだ、とか世界的にはBEVの方向なのに、それじゃないのかとご指摘もあると思います。筆者の勝手な予想、いや希望的観測では車種別でなくメーカー別の平均燃費を算出、そのメーカーの年間販売台数を加味し、基準を超えたメーカーには罰金を科すという日本やヨーロッパで企業別平均燃費基準(CAFE規制※)が強化されたのもあるはずですし、もしかしたら平均燃費を底上げして1モデルだけ純ガソリンエンジンのスポーツカーを……だったらいいなぁと。興味は尽きないCX-60、日本では4月上旬に「発表」予定と噂されています。
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