ヒト、モノ、コトの情報誌『ゲットナビ』と、“モノは文化だ”と言い続けて創刊40年『モノ・マガジン』がタッグを組んで、ひとつのモノをふたつの視点でレポートする奇跡のコラボレーション企画である。
本稿の楽しみ方
『ゲットナビ』川内編集長のレポートをお読みいただいた上で、モノマガ編集長前田のおしゃべりにお付き合いいただくと、ワークマンについての理解が深まることウケアイです。
ゲットナビ川内編集長のレポートはコチラ
というわけで、モノ・マガジン編集長前田のテキストのはじまり~。
こんにちわ。ゲットナビとモノ・マガジンによる業界では稀な編集長コラボ企画「ヒットスコープ」第3回をお届けします。今回の標的は先ごろついに銀座出店を表明したワークマン。ネタはキャンプギアです。
「ようこそ、やる気ワクワクワークマンへ!」
と申されるはワークマン広報部の鈴木悠耶チーフと、製品開発部の林邦彦チーフバイヤーご両名。
ゲットナビ川内編集長と前田がお邪魔したオフィスには、キャンプジオラマが展開されています。では今回の取材はここで、ということで、全員が屋内キャンプジオラマに突入です!
あのワークマンがキャンプギアに進出! 驚くほどの値ごろ感! と随所で話題沸騰。オンライン販売限定ということもあり、当初はネット回線がパンク状態に、なんてあまりうれしくないニュースもありましたが、「とにかく、爆売れしているようですね」と話を振ると、
「嬉しい悲鳴を上げているところです。すでに多くの反響をいただいており、今後も積極的にギア開発を行っていきたいと思います。そうですね、半年ごとに新作を投入するイメージでしょうか」と鈴木さん。
メスティンやペットボトルホルダー、耐熱フィールドテーブルなど。2合炊きメスティン780円。ポケットストーブ台299円。耐熱フィールドテーブル1900円。500ml専用真空保冷ペットボトルホルダー980円。真空保冷缶ホルダー780円(350ml用、500ml用とも)。
徹夜明けの川内編集長が片手でひょいっ! アルミローチェアはたったの1㎏! そしてたったの2500円な~り。
ドームテントとシュラフのソロ空間で、徹夜明けではないが乳児の夜泣きのせいで寝不足の前田。「BASICドームテント」は4900円。「BASICスリーピングバッグ(寝袋)」は1500円というフレンドリー価格にまず驚き!
ところでワークマンっていつからアウトドアブランドと認識されるようになったのだろう?
「皆さんご存知のようにワークマンの一丁目一番地は、むかしもいまも作業服です。1980年の創業以来、一貫して働く人の作業着を作り、販売してきました。しかし中長期的には作業員の高齢化や建築現場の減少は避けられません。社内的にも危機感を抱いていたさなかの2014年に、新たな中長期ビジョンが策定されました」と鈴木さんが言えば、「そして2016年に「フィールドコア」(アウトドア)」「ファインドアウト(スポーツ)」「イージス(防水、防寒)」の3ブランドを立ち上げ、客層を広げる挑戦を開始したのです」と林さん。
ワークマン広報部の鈴木チーフ
編集長も週末ジョギング族なのだけど、ワークマンのメリノウールソックスが良くて愛用しているのだ。そうか、3ブランドを立ち上げた結果、スポーツモノも守備範囲になっていたのね。ちなみに現在のワークマン飛躍のヨーイドンとなったのは「ワークマンプラス」。その第1号店は東京都立川市のショッピングモールで、路面店のみでやってきたワークマンにとっては初のモール出店だった。オソルオソルの出店だったが、これが売り上げ上々、かつママさん族など客層の拡大を実証したモデルケースとなり、ワークマンの進むべき方向が定まったという。
2022年3月現在、通常のワークマンが559店舗、ワークマンプラスが369店舗、ワークマン女子が11店舗、ワークマンプロが1店舗で、トータル940店舗を展開している。
ではキャンプギアは? と聞くと、実は今年ヨーイドンというわけではなく、2019年には試売していたらしい。アイテムはペットボトルホルダーやフォールディングチェアなどで、これらの評判が良かったため継続が決定。その後、メスティンや革手袋、アウトドアロープなどカタログを増やしていった。そして満を持してどーんと本格展開したのがこの2月というわけ。アイテムはおおよそ130種類。
「ワークマンのキャンプギアはエントリーモデルの位置づけです。いまキャンプをやってみたい人は多いのですが、一式揃えるとお金、いわゆる初期投資がかかりますよね。『なんだそんなにお金必要なんだ。じゃあ、や~めた!』というのはもったいないと思うんです。やれば楽しいですし! だからその心とサイフのしきいをググっと下げたいと考えたのです。キャンプに慣れてきて、ワークマン製品で飽き足らなくなったら、卒業して、もっと高性能なモノ、より好みに合うものを選んでいけばいいと思うのです」(鈴木さん)
そうそう、そうなんだよ! 最初はギア一式持っているベテランに連れて行ってもらって楽しさを知る。よし自分で買うぞ! と調べ始めると案外お金がかかる(笑)ので「勇気ある撤退」って、これキャンプあるあるなのだ。はじめの一歩を踏み出すためのギアというコンセプトは「あったらいいな」ですです!
キャンプギアは展示場所を必要とする事情から「ネットで購入~最寄りの店舗で受け取り」という販売スタイルをとっているが、むろん有料の通販も利用可能だ。
(ただしキャンプギアのテントなどの大型商品はWEB注文→店舗受け取りで自宅配送なしだぞ!)
ところでキャンプギア開発の前段階として、ワークマンのウエアを自発的にキャンプに活用している人が多かった実態があった。自ら発見して、キャンプで着用してワークマンウエアをSNSで紹介していたのだ。いわゆるインフルエンサーの存在である。
林さんは言う。「実直な造りのキャンプギアに比べると、ウエアはどれもトンチが効いているのがワークマン流です。たとえば「SOLOTEXリバーシブルワークスーツジャケット」。はっ水&ストレッチで、リバーシブルで、洗濯機で洗えて、ポケッタブルってスゴくないですか(笑) しかもジャケットが2900円、パンツが1900円だからスーツ上下が5000円でおつりがくる!」
自慢のワークスーツジャケットを手に熱烈プレゼンの林チーフ。
ワークシーンでは「デニムがアツイっすね」とこれまたプレゼン。ストレッチ性と環境対応がジマンの林さん入魂の「エアロストレッチスサステナブルデニム」のデニムクライミングパンツ2500円。
前田が着るとアレですが、ストレッチが利いて着用感のいいジャケットでした。
スゴ過ぎです。普通のスーツ屋が泣きますって……。それからその、ちょっと銀行強盗みたいなフェイスカバーつきのは?
このまま街を歩くとヤバいすね(笑)
「これは防虫加工生地DIAGUARDで作った「ステルスジャケット」。アウトドアはもちろん野山で作業する人にもお勧めなのですが、それは網戸や蚊帳からヒントを得た「360°AMIDOガードシステム」を備えているからです。お値段は2900円で限定生産でございます! お早めに!」
見た目はアヤしいですが、ともかく安心感高そうです。着用してみるとおもったよりずっと通気がいいです。
それから気になるのがこのベストですよ!
「FLAME-TECHアウトドアワークベスト」。コイツはまさに“着るカバン”で川内編集長もぴったしゴマンエツの模様です。これまた2900円。色はオリーブ、ベージュ、イエローの3色展開で、サバイバルゲームなんかにも便利に使えそう!
ところで最後に質問。ご両名とも入社10年以上のバリバリの中堅ですが、正直なところ、入社時に現在のワークマンのトレンドセッターぶりを想像できました?
(声を揃えて、)「ぜんっぜん!(笑) 入社時は100%作業着屋さんに就職した気持ちでした。それがあれよあれよという間にアウトドア、スポーツウエア、キャンプギアまで手がけるとはねえ~」(ご両名とも遠い目)
ですよね! 私ら取材陣もいまだに、あの陽気なCMソングが浮かびますもん。
でも優良・廉価のワークマンだからこそ気楽・気軽に入手できる部分があるわけで「野フェスの第一歩がワークマンウエアだった!」「初キャンプがワークマンギアだった」という人、これからどんどん増えるに違いない。ニッポンのキャンプ事始めはすでにワークマンギアが一馬身リードなのかも、なのだ。
ちなみに編集長前田の住む東京都板橋区にある板橋高島平店はナント、全国でも売り上げ上位店だとか! どーりで朝っぱらから混みあってるわけだ。
鈴木さん、林さん、本日は対応ありがとうございました!
では次回ヒットスコープもお楽しみに!
ゲットナビ川内編集長のレポートはコチラ
問:ワークマン/03-3847-7760
https://www.workman.co.jp/
写真/青木健格(WPP)