香港の人気ヌードルチェーン「譚仔三哥米線(タムジャイ サムゴー ミーシェン)」が東京・新宿にオープンしました。やたら難しい漢字の店名ですが、香港によく行く人なら現地で見かけていたはずの人気店。本場を思い出させてくれる味をご紹介します。
「譚仔三哥米線」は、香港で毎年3000万人以上が来店する香港No.1人気の米線スープヌードルレストラン。2008年に香港で1号店がオープン。2011~2013年まで3年連続でミシュランガイドのビブグルマンに認定されたお店です。
オリジナルのスパイシースープは、「10小辣」から「特辣」まで辛さを選ぶことができ、トッピングと合わせて、好みの味を楽しむことができます。香港でもこの幅広い辛さのスープベースで人気を博し、香港の辛味料理の権威として地位を築いているそう。このスパイシーなスープの特徴は、お店の内装にも描かれている「香麻辛辣」。香は香り立つ複雑なスパイス、麻は鮮やかにしびれる感じ、辛は舌も心も熱くなる刺激、辣はピリッと魅惑な辛さを示しています。
前置きが長くなりました。本題のメニューの紹介です。まず、店名にもある「米線(ミーシェン)」。中国雲南省特産の米を使った麺のことで、製造過程で発酵させているからか、同じ米が原料のフォーやビーフンとも違う、もちっとした食感。水と米だけで作られているのでグルテンフリーなのも特徴です。
メインとなるスープは6種類。まず、いただいたのが、すべてのスープのベースとなっているのが「清湯」、クリアスープ。優しい味わいですが、コクがあった複雑さも感じます。そのままで十分美味しいスープで、ちょっと風邪気味のときとかにもよさそうな、ホッとする味です。シンプルですがおすすめ。
日本でおすすめと言われているのが「麻辣(マーラー)」。花椒オイルのしびれと、チリパウダーの辛さが味わえます。
また、ここでしか食べられない味と言われているのは「煳辣(ウーラー)」。“言葉で表現することが難しい中毒性のある味”ということで、一度は食べて欲しい一品。焦がしスパイスが印象的な独特の風味が堪能できます。
食べてみて驚いたのが「番茄湯(トマト)」。トマトのスープですが、このトマトがとにかく美味しい。トマトの甘さがスープとマッチしていて、このトマトだけ食べたいぐらい気に入りました。トマトの爽やかさとスパイスの相性がよくて食べやすく、女性に人気なのだそう。
より酸味を求めるなら「酸辣(サンラー)」。これはいわゆる“酸っぱ辛い”味。辛さと酸味のバランスを追求し、最適に仕上げているので、辛さを選ぶことはできません。が、しっかりと辛味は感じられる味です。
そして、店名が入った「三哥酸辣(サムゴーサンラー)」。中国のお酢の酸味とスパイスの辛味を合わせていて、さらにコクと旨みが加わった味わい。
また、肉5種、香港直送の海鮮2種、野菜5種、その他3種の15種類の具材を一度に堪能できる「クロスブリッジミーシェン」(1,100円~※スープによって価格が異なる)なるスペシャルメニューもあります。「清湯」と「酸辣」以外は辛さを10段階からチョイスできるのですが、初心者には一番辛さを抑えた「10小辣」がおすすめとのこと。数字が小さくなるごとに辛さが増すので、一般的な辛さ表記とは異なるので要注意です。
そして、もうひとつの楽しみはトッピング。野菜、肉、海鮮などなど、とにかく種類が多く、なんと25種類もあるんです。しかも、それぞれの量が結構ある!どれも試してみたいものばかりですが、欲張ってたくさん選ぶとかなりのボリュームになります。
今回、実際に食べたのは「清湯」に「きくらげ」、「チンゲン菜」、「うずらの玉子」トッピング。思いっ切り保守的です。でも、間違いない組み合わせ。かなり美味しいです。「清湯」はすべてのベースになっているスープですが、とにかくずっと飲んでいられると思うほど、優しいのにコクがあって、味わい深いスープ。
「きくらげ」のコリコリ食感、「チンゲン菜」のシャキシャキ食感は必要なアクセント。「うずらの玉子」はなんと5個も入るので、麺と一緒に、スープと一緒に、割って食べたりと、いろいろ試すことができる満足度もあります。
なんとなくヘルシーにまとめてしまいましたが、肉食派には、肉系トッピングも鶏、豚、牛と豊富。海鮮もベビーホタテやベビーイカのほか、香港直送の「フィッシュボール」や「三角揚げ」、「いかボール」も加わる予定で、とにかくおなかいっぱいになれること間違いなし。逆に野菜をたくさんトッピングして、日ごろの野菜不足を解消するアレンジもアリですね。
それから、サイドメニューも要チェック。麺と同じくお店の看板料理になっているのが「トーフェイ・チキン」(3個380円、5個550円)。
湖南料理の一種、トーフェイ料理をイメージしていて、香港では商標登録をしているほどの定番商品。クミンなど様々なスパイスを門外不出のレシピ配合し味付けた手羽先は後を引く美味しさ。ビールなどにもよく合うのでこれだけ食べに来る人もいる人気ぶり。
ドリンクでは、アルコールもメニューも多数ありますが、個人的にはアルコールが苦手なので、ソフトドリンクの充実ぶりがうれしいですね。香港ではスパイシーなヌードルには欠かせないという「香港レモンティー」(280円)と合わせるのがおすすめ。
レモンティーの中にはフレッシュなレモンが入っているので、自分で潰して好みの酸味に仕上げるのが香港流。紅茶は元々少し甘さがあるので、レモンを多めにつぶすしていい感じでした。価格もお手ごろで、このレモンの量、コスパ良すぎです。
とにかく、一度ではすべてを知ることができないほど、いろいろな楽しみ方がある「譚仔三哥米線」。米線(ミーシェン)1杯の組み合わせだけでも100万通り!サイドメニューやドリンクも美味しい実験のようにいろいろ試して楽しめます。ぜひ、実際に香港の人気麺を体験してみてください。