カローラといえば、トヨタの老舗モデルであり、今や数少ない半世紀以上同じ車名を受け継ぐクルマです。同車は1969年から2001年まで国内年間販売台数1位を33年キープしてきた人気車種でもあります。が、しかし。首位陥落してからカローラは営業車とかオジサンオジサンっぽいとか言われるようになっていますが、本来は違うのです。デビュー当初から若い世代をターゲットにした意欲的なモデルでした。頭文字Dでお馴染みのAE86しかり。 またラリーといったモータースポーツの世界でも昔からカローラは活躍しています。
単にユーザー層の高年齢化でオジサンっぽいとイメージがついただけ、と思います。ただ、残念ながらイメージの影響力は大きくカローラ、オジサンから年齢を重ねオジーチャンのクルマ、ないしはリーズナブルな実用車のイメージになってしまいました。そんなカローラですが、どえりゃあスゴイモデルが発表されました。それはGRカローラ。そう、トヨタのスポーツカーブランド、GRからなのです。ジャーン!(銅鑼の音)
ベースは車名の通り、カローラスポーツ。
しかし、しかしなのです。ベースのスタイリッシュな雰囲気とまるで違うシルエットは戦闘的なオーラーを醸し出しています。例えばフロントフェンダーのエアアウトレットや
ボンネットに設けられた同様のモノもレーシーですし。
リアビューの3本出しのマフラーも特長的です。
またボディサイズも変更されていて、ベース車両に対してフロントフェンダーは片側で20mm、リア片側で30mm、それぞれ拡大。そんなGRカローラに搭載されるエンジンはGRヤリス譲りの1.6リッターの直3ターボ。
これをさらに強化。馬力で32PSアップ。トルク自体の数値は変わらないが、発生し続ける回転域を4600rpmから5500rpmまで約1000rpm高めに。高回転域もより楽しめるようなセッティングになっていると思われます。テンロク(編集部注:1.6リッターの意)で300PSオーバー!! リッター150PS以上! その馬力を受け止める足回りはあの「GR-FOUR」。GRヤリス同様のメカニズムだが、今回駆動配分を制御する4WDモードとアクセルレスポンスやステアリングを制御するドライブモードを分けています。フロントとリアのデフにはそれぞれトルセンLSDが設定。もう一つの注目はなんと、GRカローラ、ブッシュにはピロボールを採用!!!(編集部注:一般的にはサスのゴムブッシュの代わりに使われる金属製のモノ) ピロボールですよ、ピロボール!! カリカリチューン(死語)のクルマや本気のサーキットアタックモデルに使われるモノを採用してしまうあたり、トヨタの本気っぷりが伝わってきます。もちろんボディもバッチリ補強されています。タイヤサイズは前後共235/40R18でタイヤはミシュランのパイロットスポーツ4。
インパネの基本デザインはカローラスポーツ同様だが、
パーキングブレーキがハンドブレーキタイプに変更されています。ベースのカローラスポーツは電動ブレーキだったけど。
限界域での車両コントロール用途ばかりでなく、ドリフトなどのきっかけ作りに使い易いタイプなのです。やっぱり、スポーツカーはこうでなくちゃねぇ、とほくそ笑んだ皆様、筆者もそうです。GRカローラはいかにスポーツ走行を重視しているかがわかります。ミッションは6速のiMT。MT復帰組にも嬉しい発進時に軽くアシストしてくれるアノ装備です。加えてカローラスポーツのロングホイールベースによる走行安定性はそのままに、5人乗り、5ドアの実用性も持っています。先進の予防安全パッケージももちろんです。
プレスリリースには「お客様を虜にするカローラを取り戻したい!」とあります。発表されたプロトタイプはフォーミュラドリフト(乱暴な表現ならばアメリカのD1)に参戦しますが、GRヤリスのホモロゲーションモデルの生い立ちとは違うことを考えると、あくまでも公道をメーンに時にサーキットでも楽しめるクルマ、ということになりそうです。モリゾウ(豊田章男社長)氏がドライバーとして出走する水素エンジンカローラ
によるスーパー耐久シリーズ参戦を通じて水素エンジンの実用性や耐久性の検証など「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の一環として誕生したGRカローラは2022年後半に日本でも発売予定。カローラシリーズのマイナーチェンジが2022年後半に予定されていると噂もあるので、それに合わせての日本発売かもしれませんね。
GRカローラ(北米仕様)
全長×全幅×全高: | 4410×1850×1480(アンテナを含む)(mm) |
エンジン: | 1618cc直3ターボ |
最高出力: | 304PS/6500rpm |
最大トルク: | 370Nm/3000-5500rpm |
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