完全ワイヤレスイヤホンは、高価格帯のものからコスパ重視のものまで幅広く販売され、いまや群雄割拠の時代である。機能もひと通り搭載しているものからある機能に特化したものもあり、どれを選ぶべきかわからない人も多いはず。
今回紹介するのは、そんな激戦市場に一石を投じる新興ブランドのイヤホン。実機を使う機会があったので、実際に使ってどこがスゴイのか紹介する。
■最高音質を再現する完全ワイヤレスイヤホン
今回紹介するイヤホンのブランドは、1more(ワンモア)。世界40カ国で販売するプロフェッショナル向けハイエンドオーディオメーカーで、ラインナップはワイヤレスタイプが5割、有線タイプが3割、ヘッドホンが2割で、ワイヤレスタイプが多い。
こちらのEVOは、2022年5月に販売したばかりの新商品で、総重量は58.3g。イヤホン片側の連続使用時間は最大8時間で、ケースを併用すると28時間も使うことができる。28時間なら、3分間の楽曲が1日560曲、90分の映画が18本も聴ける計算になる。
ケースに入れた際のイヤホンの充電時間は約1時間で、ケースの充電時間は約2時間。ケースはマットな金属製で、低価格のイヤホンケースに見られるプラスティックと比べてこちらのほうが重厚感がある。
■EVOの3つの優れた独自ポイント
イヤホン本体はこちら。タップする部品にはセラミック素材を採用して上品感を演出。IPX4の防水性能を備え、キズがつきにくい耐久性があるのもポイントだ。通信距離は見通しのいい状態で約10mとなっている。
同商品が他の完全ワイヤレスイヤホンと異なる独自ポイントは、以下の3点である。
1 いいとこ取りしたハイブリッド型ドライバーユニット
2 世界的に有名なプロがチューニング
3 自社アプリのノイズキャンセリング(以下、ノイキャン)が充実
独自ポイントの1つ目であるドライバーユニットは、ダイナミック型(中高域の力強い音)とBA型(低音域のクリアな音)のいいところを組み合わせたハイブリッド型。周波数帯域は20Hz~40,000Hzを搭載し、中高音域を得意としてクリアな声も実現している。
また、ハイレゾ音源を認証しており、プロが使用する本格的なヘッドホンに引けを取らないクオリティを実現した。実際に音楽を聴いた感想は後述する。
独自ポイントの2つ目であるチューニングは、世界最高峰の音楽賞であるグラミー賞を4度も受賞したサウンドエンジニア、ルカ・ビグナルディ氏が担当。プロによる繊細な音のバランスは、音楽にうるさい人でも満足いくこと間違いなしだ。
それ以外にハンズフリー通話も可能で、独自のマイク設計により周辺環境に左右されない安定した会話ができる。加えてDNN機能により、複雑な環境下でもクリアな音を実現している。
■独自アプリでさらに機能を充実
アプリを開くと、上にバッテリー状況、中央にノイキャン設定、下にプライベート設定がひと目で見られる。注目は独自ポイントの3つ目であるノイキャン機能。
ノイキャンには、おもにアクティブ(ANC)とパッシブ(PNC)があり、前者は物理的に壁を作って音をシャットダウンするのに対し、後者はデジタル処理で打ち消す。
EVOは、この両方のノイキャン機能をアプリで設定できるのが魅力で、ノイズリダクションがPNC、パススルーモードがANCにあたる。
ノイズリダクションはさらに4種類あり、しっかりと消してくれるものや、環境音と音楽をバランスよく聴けるものもある。これを使うことで、ノイズを40dB(閑静な住宅地の昼、図書館レベル)まで抑えてくれる。
屋外で使用するなら環境パスモードがおすすめ。周囲の環境音をナチュラルにしてくれるので、音楽はもちろん、通話で相手の声をしっかりと聴けるようになる。
個人的に驚いたのは、サウンドIDという音質のカスタム機能。最初に7種類の音楽が提示され、自分がよく聴く音楽のジャンルをセレクトする。
ジャンルをセレクトしたら、AとBの異なった2種類の音を聴き、好みの音のほうにアイコンをスクロールして右マークをタップ。これを8回行い微調整していく。
7つのジャンルからさらに8つの音(AとBがあるので合計で16つ)を選んでいくわけだから、無限大にある音楽の中から自分でチョイスする。
いちいちミキサーのようなもので音質を細かく調整するより、AとBの音を聴き分けてどちらかを選んでいくほうが初心者にとっては好みの音を決めやすいかもしれない。これがプロによるチューニングのスゴいところだろう。
■EVOを実際に装着してみた
実際にEVOを装着。アイピースは3種類あり、ユーザーの耳に合わせてつけ替えることができる。筆者はもともとついていたMサイズでちょうど。ホワイトとブラックの2色展開で、ホワイトは男女とも合わせやすい色味だ。
基本操作はダブルタップかトリプルタップで、それが左右別々ででき4種類で使いこなす。本体の楕円型の形状が指先のかたちにぴったりで、タップしやすく操作がしやすいと感じた。
実際に音楽を聴いてみると、中高音域がクリアに認識でき、ポップスやロックとの相性がいいと感じた。また、ドラマとアニメといった声優の声が大事な作品もピッタリ。
オーケストラやジャズなど低音が重要な音楽も、ビート音が利いてある程度幅のある音が聴ける印象。音楽系の趣味を持っていた筆者にとっては、満足のいく音であった。
■EVOの気になるところ
1つ目は、好みの音質を見つけるのが少し面倒であること。前述したサウンドIDでまず7つのジャンルから1つをセレクトし、次に8つの音を微調整して決めていくのだが、ボタン1つでサクッと音質を変更わけではないため楽ではない。
ちなみに、筆者は低音重視の音質(ベースブースターのようなもの)にカスタマイズしたいのだが、サウンドIDで出てくる7つの音楽ジャンルはロックかレゲエ(機械音)のみでオーケストラやジャズがなく、その時点で正確な音を探し出すのが困難だった(最終的には好みの音を選ぶことができた)。
2つ目は、ノイキャン機能に慣れていないと閉鎖感を感じて気分を害することがあること。これは機能がちゃんと利いていることにはなるのだが、筆者も慣れるまで2日ほどかかった。
もしそれが心配な人は、まずは風切り音低減を試してみて、そこからノイキャンをやって少しずつ慣らしてもいいだろう。
■発売は5月10日から!気になる人は試してみよう
筆者は完全ワイヤレスイヤホンを10点ほど試してみたが、1more EVOはその中でもずば抜けた音質の高さを誇ると感じた。
それは、ハイブリッド型ドライバーユニットによる2種類のドライバーのいいとこ取りした点に加え、ハイレゾ認証による高次元の音源を実現したこと。さらには、プロによる音のチューニングで非常に細かい音質調整ができることが理由だろう。
商品は同社のAmazonもしくは楽天のみで5月10日から発売。また、5月10日から6月10日の1ヶ月限定で16,990円とお手頃に買えるチャンス! ワンランク上のイヤホンを探している人はぜひとも探していただきたい。
1more
イヤホン重量(片方) | 5.7g |
充電ケース重量 | 46.9g |
総重量 | 58.3g |
イヤホンサイズ | 22×20.7×25.mm |
充電ケースサイズ | 66.6×28.6×38.7mm |
イヤホンバッテリー容量(片方) | 48mAh |
充電ケースバッテリー容量 | 450mAh |
イヤホン充電時間 | 1時間 |
充電ケース充電時間 | 2時間 |
連続再生時間(ANC ON)/イヤホン(片方) | 5.5時間、充電ケース併用:20時間 |
連続再生時間(ANC OFF)/イヤホン(片方) | 8 時間、充電ケース併用:28 時間 |
インピーダンス | 32 Ω |
通信距離 | 10m(見通しの良い状態で) |
Bluetooth仕様 | Bluetooth® 5.2 |
対応Bluetoothブロファイル | HFP/A2DP/AVRCP |
入力 | 5V 1A |
作動温度 | 0〜45 ℃ |
周波数帯域 | 2.400~ 2.4835 GHz |
公式アマゾン店舗 : https://www.amazon.co.jp/1more
公式楽天店舗: https://www.rakuten.ne.jp/gold/1more-direct/