昨年発売された日清食品から誕生した「冷凍 日清本麺」。「こくうま醤油ラーメン」と「濃厚味噌ラーメン」の2つの味が登場し、その美味しさは瞬く間に知られて大きな話題となりました。
「冷凍 日清本麺」の誕生には約6年の開発期間がありました。「麺の美味しさとは何か?シンプルですがとても難しい問題に取り組むことからスタートしました。ラーメンの麺肌に咲く“小麦の花”ポイントだとなり、どうしたら再現できるか、突き詰めて6年を費やしました」とプロダクトマネージャーの三島さん。
日清食品がこだわったのは、お店で食べる用な本格的な“ゆでたて麺の美味しさ”。日清食品が冷凍ラーメンで培ってきた技術を結集して開発した「生麺ゆでたて凍結製法」を使った新ブランドが「日清本麺」です。麺の配合や厚み、ゆで時間などについてさまざまな条件で試作を繰り返し、細部に至るまで徹底的に検証することで、日清食品がこだわりたかった“ゆでたて”の麺のような食感や風味を実現する新技術が生まれました。
「そもそもラーメンは熱いゆでたての麺をそのまま熱いスープに入れて作ります。つまりそれを再現するならば急速凍結する工程で余計な作業はしない。ゆでたてを凍結すればいい」というのがスタートだったと三島さんは話します。しかし、冷凍麺の場合、最後の工程、つまり電子レンジでの温めは購入者が行います。なので、完全にできあがったものを冷凍麺として販売すると、電子レンジにかけた後では麺の状態は加熱し過ぎで、食感も悪くなります。
そこで、「日清本麺はでき上がり直前のいわば半ゆで状態で凍結させています。工程については企業秘密ですが、ラインの一部の大型設備投資をしました」(三島さん)。日清食品がこれまで冷凍ラーメンで培った技術を結集して開発を続け誕生したのが「生麺ゆでたて凍結製法」という新技術。6年の歳月をかけて完成しました。
「生麺ゆでたて凍結製法」は、麺の配合や厚み、ゆで時間などについて様々な条件で試作を繰り返し、細部に至るまで徹底的に検証することで、まるで“ゆでたて”の麺のような食感や風味を実現。「冷凍ラーメンはカップ麺の足元にも及んでいないのが、過去1年間の購入経験率をみるとわかっています。圧倒的においしい『日清本麺』を知っていただくことで、冷凍ラーメンの購入経験を低いところから引き上げることが、冷凍ラーメンのファンを増やす第一歩だと考えています」と三島さん。
内袋には具材と麺が一緒になった「具付めん」が入っていて、これを電子レンジにかけると、麺の上につけた氷の水分が溶け始め、麺が蒸されます。内袋の中で麺の風味を逃さずに、ベストな状態まで調理できるというわけ。麺の香り、麺の味、麺のコシにこだわった麺が、日清食品が作りたかった冷凍麺が完成したのです。
実際に食べてみても麺の食感やのど越しに驚きます。家庭で、市販の生麺でラーメンを作る時、鍋の大きさ(お湯の量)、ゆで時間、湯切りなど、実は手間もかかり、意外と面倒。理想とされる作り方を実践できていないケースも多いのが現状です。それに比べ、「日清本麺」は電子レンジで「具付めん」を温め、丼ぶりで作ったスープに入れるだけ。簡単すぎて拍子抜けする作り方で、失敗のしようがありません。
食べてみると、本当に麺が美味しい。電子レンジで温めることでできる麺なのか、一瞬わからなくなるぐらい、しっかりとコシがあり、風味がいいんです。大量の湯を使って、タイマー使って…というゆでる手間を考えると、冷凍に軍配が上がります。個人的には具材はもう少し追加したいので、ねぎを切るなり、煮玉子を作るなりして、トッピングを楽しみたいと思いました。麺が電子レンジで“つくれる”ので、その分、具材に手間をかけてもいいですね。
これまで、冷凍ラーメンを買うという発想があまりなかったのですが、買い置きできて、食べたい時に数分で作れ、火を使わず、調理器具も汚さないとなると、活用しない手はありません。夏場でキッチンに立ちたくない時や、仕事で疲れて帰った後、休日に面倒な調理から解放されたい時など、身近な生活シーンに寄り添ってくれそうな冷凍食品です。