世界的なコロナ禍の影響で、国内でも長期にわたって各種イベントが自粛されるなか、自衛隊の航空祭や在日米軍のオープンハウスと呼ばれる一般公開イベントも規模の大きなものは長く開催が見合されていましたが、5月21日と22日、東京都下の在日米空軍横田基地で3年ぶりとなるフレンドシップフェスティバル(FF)こと日米友好祭が開催されました。イベントには約30機の航空機が展示されたほか、周辺住民に配慮する規模での飛行展示も実施されました。またアメリカンフードなどのブースも以前同様に出店、バンド演奏などのステージイベントも2日間にわたって多数催され、初日が終日不安定な天候となったにもかかわらず、2日間で約11万人が来場する盛況ぶりで、セキュリティチェックなどの影響もあって一時は入場待ちの列が3時間以上にもおよびました。
横田基地には空軍374AW(第374空輸航空団)のC-130Jのほか353SOG(第353特殊作戦航空群)のCV-22Bオスプレイも配備されており、これらが地上展示と飛行展示に参加、また在日米軍司令部が置かれており、航空自衛隊も航空総隊司令部を配置していることもあって、日米のさまざまな機体が並びました。そのなかでも話題となったのは、配備基地以外では初の地上展示となる航空自衛隊のF-35AライトニングⅡ。青森県の三沢基地から所属する2個飛行隊、第301飛行隊と第302飛行隊の所属機各1機が飛来しました。このほかにも横田には初参加となるブルーインパルスのT-4(地上展示のみ)や新型飛行点検機U-680A、エンジン改修が進んで再配備が始まった陸上自衛隊の観測ヘリコプターOH-1なども参加、また米軍からもF-15、F-16といった戦闘機に加え、高高度無人偵察機RQ-4Bグローバルホークなども展示されています。そして、21日の夜には盛大な花火も打ち上げられました。
しかし、今年の友好祭最大のサプライズは22日日曜日の夕方に用意されていました。アジアを歴訪、東京で開催される日米豪印のクワッドに関連する首脳会談に参加する、ジョー・バイデン大統領を乗せたVC-25A“Air Force 1”が横田に着陸したのです。横田飛来については事前にはまったくアナウンスされておらず、大統領は羽田に到着すると思っていた人も多かったようですが、一般公開が実施されているとはいえ米軍基地のほうが警備は厳重に行なえるとの判断だったのでしょう。とはいえ米国外の施設でこうしたイベント中に大統領搭乗機が着陸するというのは異例で、17時過ぎに同機が着陸すると、会場では拍手が沸き起こりました(バイデン大統領は着陸後、会場から滑走路を挟んだ反対側でVC-25Aを降機、VH-3D“Marine 1”に乗り換えて都内へと向かっています)。
これまで、友好祭の花火の打ち上げは日曜日に実施されてきましたが、今年土曜日に実施したのは、こうした事情があったためだったようです。なお、日本での全日程を無事終えたバイデン大統領は、24日18時過ぎに、横田を離陸してアラスカ州JBエルメンドルフ-リチャードソン経由でワシントンDC近郊のアンドリューズAFBに戻っています。
※6月21日発売の次号『航空ファン』8月号では、横田基地日米友好祭とバイデン大統領来日のリポートを詳しく紹介する予定です。