レザーソムリエ・マキマキのゆったり革講座episodo 12
老舗レザーケアグッズメーカー「コロニル」に聞く!!レザーグッズのお手入れ方法〜スエード編その1〜

2022.07.13

みなさんこんにちは。レザーソムリエのマキマキです。今回から新連載として、老舗レザーケアグッズメーカーの「コロニル」さんのご協力の下、ありとあらゆる革製品のお手入れをしていきたいと思います。第一弾はスエード。スエードは表面が短い毛でできている、暖かい雰囲気の革です。一昔前は冬の商品という感じでしたが、今は年間を通して使用するようになりましたね。スムース革(表面がツルツル)はwebに数知れずお手入れ方法はヒットするけど、スエードは意外にないもの。
そこでプロに直接聞いてみました。今後、シリーズでお世話になるのはコロニルの正規代理店である、エスアイザックス商会の松田さんです。お二人の情報は記事中にちょこちょこ挿していきます。ではお手入れいきましょう!!

今回レクチャーを受けるミーナさん。靴販売歴いっぱい(笑)のベテラン販売さんです。


写真0698[今回レクチャーを受けるミーナさん。靴販売歴いっぱい(笑)のベテラン販売さんです]
今回はスエードの靴を用意しました。せっかくなので、靴を提供してくれたミーナさんにお手入れレクチャーを受けていただきます。まずは現状確認を….とても汚い靴ですね….
やり甲斐ありますと意気込む松田さん。
松田「まずは汚れ落としです。今回はヌバックボックスを使用します。よく消しゴムを使うと汚れが取れるなどと言われていますが、推奨はしません。」
確かに消しゴムってよく聞きますよね。

エスアイザックス商会の松田さん。めちゃくちゃいい人

松田「このヌバックボックスは片面がちょっとザラザラでもう片面が結構ザラザラです。
まずはちょっとザラザラ面で気になる汚れた部分を優しく擦ります。」
 松田さんはジムに行っているだけあって、体格がかなり良いのですが、その体に似合わないほど優しく擦っていました。

目に見えて汚れが落ちてるのがわかります。こういうのはやり甲斐でますよね。

松田「擦っていくと汚れがヌバックボックスに移っていきます。スエードは起毛している素材です。毛足が擦ることで毛足が寝てしまい、汚れをかき出しことができなくなります。」
なるほど。毛足が寝てしまったら毛が蓋をする感じで、中の汚れが掻き出されませんよね。

ブラシサイドのギザギザの使い方は次回説明します

松田「そこで次はコンビブラシを使います。これは片面がラバー、片面がブラシになっています。まずはラバーの方でブラッシングします。」
ラバー部分を使うことで汚れを表面に浮き出すのが重要とのこと。
松田「そして、逆側のブラシで毛を立たせるようにブラッシングしていきます。スエードはこの作業を繰り返しすることで、汚れを落としていきます。」
ミーナ「汚れ落としのクリーナとかスプレーは使わないの?」
おお、いい質問です。
松田「コロニルではスエード用のスプレーもご用意していますが、今回は最も簡単な方法で汚れを落とすので使用しませんでした。
クリーナーは今回の汚れが取れなかったりした時の次の手段でもいいかなと思います。」
その都度で使い分けることが大切なんですね。

右:お手入れ後 左:お手入れ前

ヌバックボックスで擦り落とし、ラバーブラシで毛足の奥の汚れを出し、ブラシで毛並みを立たせて汚れをとる。これを繰り返すのが基本とのことです。
松田「スエードはこの作業を、汚れに気づいたらこまめにやることで、だいぶ汚れが目立ちません。是非試して欲しいです。」

今回はヌバックボックス、コンビブラシを使用しました。東急ハンズさん、amazonなどで販売しています。

思ったよりも簡単で、すぐに出来るのでスエードはちょっと難しそう….と思った方はぜひお試しください!!
次回はスエードのお手入れ第二弾!!もう少し細かく隅々までお手入れする「もうちょっと手を加えた編」をお届けします。コロニルの得意技「防水スプレー」も登場。そしてミーナが初スエードお手入れ。
 今回は動画も撮影しています。マキマキチャンネルでぜひ視聴もお願いします。

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  • 1977年生まれのバリバリ氷河期世代。19歳から靴屋のバイトを初めて、そのまま靴、革にどっぷりハマる。靴メーカーやベルトメーカー、靴の組合など、とにかく革がある場所で革の知識だけでなく、売り方やマーケティングを学ぶ。レザークラフトの作家としても活動中。主な作品はレザーベアー。手縫いをこよなく愛するLEATHER ARTIST。 現在はフリーランスで革関連会社のアドバイザー、革、靴、BAGのライターそしてレザークラフトなどをして、日々革について精進中。

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