GetNavi×monoマガジン編集長コラボ取材!ヒットスコープ第5回
「いまさら電子レンジ」にヒットの予感!
シロカが敢えて電子レンジを作るワケ


「そう感じますよね。しかしレンジから出してすぐ食べるのではなく、取り出してから自然解凍の時間をもうけた方がおいしいので、「包丁で切れる程度までの解凍」をプログラムの基本としているのです。かけすぎてしまうとドリップが出たり、茶褐色に変色してしまいます」

レンチンを出してから、副菜を並べ、調味料を出し、ご飯を盛り、お味噌汁をよそって「いただきます!」のタイミングで仕上がり100%になるイメージですね。自然な手順で納得です。続いてひき肉比較ですが、こちらは一般的な同価格帯の電子レンジと比較してみましょう。

仕上がりは一目瞭然。むろん右がシロカ、左が一般的な同価格帯のレンジによる解凍の結果であ~る! (左が一部裂けているのは底面に触れるため持ち上げたことによります)

ははあ~。ひき肉ではドリップの出方が明らかに違います。いずれも食材の重さを設定してからの解凍プログラムですが、一般的なレンジの方ではドリップが多く出ており、かつ天面はゆるくなってしまい、かつ底面は手で触れないほど熱いなど温めムラが出ています。他方シロカでは非常に均一に温められておりますね。ひき肉などは最終的には調理という“後処理”が加わるのであまり解凍クオリティがわかりづらいのですが、刺身などは解凍クオリティ=食味に直結します。

それにしても、現在のシロカの元気を取り戻した金井社長の手綱さばきは見事ですね!

「はい会社の雰囲気も明るく変わりましたし、また中国の家電メーカーで副社長を15年ほど務めてきた経験や人的なネットワークも含め、とにかくバイタリティがすごくて、いつしかノセられちゃうんです! もちろん開発に対するプレッシャーもすごいですが(笑)」

なごやかな取材の一コマ。調理家電ゆえでしょうか?

と、そこにいつの間にか金井社長が。

「もともと”シロカのクレーム処理案件を手伝う”という話から転じて現在の立場となったのですが、そうして関わってみますと、改善できるところや伸ばせるところがあることに気づかされました。開発メンバーが本当にマジメで熱心な人ばかりでしたので、モノ作りの徹底を推進してまいりました。今回の電子レンジも最大の特長は解凍上手ですが、庫内にヨゴレが付きにくい加工(さっピカコート)や、不使用時はインテリアを映し部屋になじむミラーフィニッシュなど、小さな工夫もあるんです」

庫内にはよごれの接地面が少なくて清掃しやすい「さっピカコート」を施す

かつてはOEM製品をシロカブランドで販売することも多かったが、金井リーダーのもと、自社設計、自社開発、新規金型で挑戦するスタイルへと転じ「シロカらしさ」を追求。現在の好調はこのギアチェンジが功を奏した結果だ。

取材の最後に佐藤さんから「オーブンレンジのご要望も多くいただいておりますので、今年中の発売を目標にしています!」と、自らの退路を断つ(笑)宣言をいただきました!

取材前は「いまさらレンジ」と思っていましたが、「あったらいいな」という根源的なニーズに対する改良点はそれでもあって、この解決によって商品力が高められるのだと気づかされた、いい取材でした。

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  • 元・モノ・マガジン&モノ・マガジンWEB編集長。 1970年生まれ。日本おもちゃ大賞審査員。バイク遍歴とかオーディオ遍歴とか書いてくと大変なことになるので割愛。昭和の団地好き。好きなバンドはイエローマジックオーケストラとグラスバレー。好きな映画は『1999年の夏休み』。WEB同様、モノ・マガジン編集部が日々更新しているFacebook記事も、シェア、いいね!をお願いします。@monomagazine1982 でみつけてね!

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