昨夏に音楽グループ・いきものがかりを卒業し、作曲や執筆などの創作活動をはじめ、新しい道へと歩んでいる山下穂尊さん。以前、『モノ・マガジン』誌上でご登場いただいた連載「イキなモノ語り」ではあらゆるモノに関する独自の目利きぶりを発揮してくれたが、そんな彼がいま何に興味を持ち、何を目指し、どこへ向かおうとしているのか。山下さんの思いのままに各所へ訪れる密着ドキュメンタリーの新連載、『山下穂尊の徒然走』を不定期更新でお届けします。
山下穂尊さんと再会したのは4年ぶりだった。前回、取材させていただいたのはちょうど、グループが”放牧中”のころで、当時、『モノ・マガジン』誌上で小屋特集を展開することになり、山下さんが旧くからの友人たちと共同管理している小屋があるというので、ご紹介させていただいたのだった。
父親がかつて山奥に仲間と建てた小屋があり、むかしは山下家を含む複数の家族でアウドドア遊びを楽しんでいたが、家族の成長とともに自然と利用頻度が減り、このままでは想い出の小屋が朽ちていってしまう。そこで、山下さんをはじめとする息子世代が集まり、受け継ぐカタチであらためて小屋を共同管理していくという話だった。
山下さんにお会いするなりすぐに小屋のその後についてうかがうと、「凄い順調に進んでいますよ」とのこと。このあたりの活動も山下さんの”新しい道”のひとつなのかもしれない。
少し前置きが長くなったがこの日、山下さんとモノマガが訪れたのは神奈川・厚木にある「キャンパー厚木」。神奈川エリアでキャンピングカーの販売を行うその道の中核的なお店だ。
実は4年前にキャンピングカーを購入したという山下さんだが、その最新モデルが気になるということで現在、愛車のメンテナンスでお世話になっている同店でじっくりとお話をうかがうこととあいなった。それにしても、キャンピングカーを所有とは山下さん、思い切りましたね!?
「当時、友人がキャンピングカーを買いたいというので、そこそこ規模の大きめな展示会につき合いでついていったんです。ほんの軽い気持ちで。そしたら意外にも、値段もまったく手が届かないというところではなかったし、アウトドア遊びで便利なのはもちろん、ボディがコンパクトでちょっとした買い物とか普段使いにも問題ないことに衝撃を受けたんですよね。思わず、友人ではなく僕が買っちゃいました」(その後、愉しくキャンピングカーを使い倒している山下さんに影響され、かの友人も後年、キャンピングカーを購入したという)。
ここ、「キャンパー厚木」はコンパクトなボディに、現場で役立つ気の利いたディテールに凝りまくっている知る人ぞ知る、キャンピングカーの名店。その道30年の同社代表を務める竹内啓二さんは、もともと普通のクルマを販売していたが、人とは違ったことをしたいと一発奮起し、趣味でもあったキャンピングカーの世界へ。独自性の高いカスタマイズで、日々、オリジナルのキャンピングカーを製造、販売している。
「キャンピングカーの業界の中ではウチのクルマは独自色強いかも。自分たちのアイデアはもちろんだけど、ユーザーのみなさんのリクエストを吸い上げて、使いやすさと快適さを徹底的に追求していますからね」(竹内さん)
なんだかおもしろくなりそうな気配濃厚。さすがは山下さん、イイお店をご存知ですね! 次回は「キャンパー厚木」が手がける最新キャンピングカーの内外装のディテールを山下さんが入念にチェックしていくのだが……続く。
山下穂尊
1982年神奈川県生まれ。音楽グループ・いきものがかりの元メンバー。昨夏にグループを卒業し、作曲や執筆などの創作活動をはじめ、新しい道へと邁進中。公式インスタグラムで展開している旧友のイラストレーターKITO氏のイラストとコラボした「梅の花咲く頃」も好評。
Instagram:@yamashita_hotaka
キャンパー厚木
神奈川県厚木市山際511
Tel 046-280-5983
www.camperatsugi.com