【餃子フリークももちゃんの餃活レポート】 #1 チャー餃「高伸」「三久飯店」

はじめまして!餃子のためだけの検索サイト「くいれぽ餃子」を作ってしまうほどに餃子をこよなく愛している餃子女子の松田萌々子です。


年間400種類もの餃子を食べるほど餃子好きの私は、「また餃子食べてるの?飽きないの?」と言われることがしばしば。昨日の餃子は“もちもち水餃子”だけど、今日のは“ニンニク効いたガツンと焼餃子”。同じじゃないから飽きるわけがありません。

餃子といっても、焼き餃子、水餃子、蒸し餃子、揚げ餃子から、お肉の種類も豚、牛、羊などさまざま。そのとき食べたい餃子も、人によって好きな餃子のタイプもそれぞれ。だけど、イメージの餃子を探すというは意外という難しく、実際に食べに行ってみて「今日、食べたかったのはこれじゃないんだよな」と感じた経験はありませんか?「こんな餃子食べたいな」の“こんな”にピッタリ合う餃子はどこかにあるはず!今食べたい餃子に出会って欲しい!そんな思いから「くいれぽ餃子」を立ち上げました。

この連載では、『餃活』をテーマにいろんな餃子の楽しみ方を書いていけたらと思っています。

私は餃子はもちろん大好きですが、「チャーハン×餃子」略して『チャー餃』の組み合わせをこよなく愛しています。今回は東横線沿いの中目黒と祐天寺でチャー餃の食べ歩きをしてきた様子をレポートしていきます!

王道を極めた真心たっぷりの餃子が大人気の町中華「高伸」

まず1軒目に向かったのは、中目黒の「高伸(こうしん)」さん。目黒銀座商店街の中にある創業38年の町中華です。

店構えはシンプルで、店内も清潔感があります。

メニューは町中華らしさ全開で、麺類からチャーハン、カレー、定食と中華を超えたラインナップ。いつもなら迷ってしまいますが、今日はお目当てが決まっていたので、即座にチャーハン(700円)と餃子(480円)を注文しました。

綺麗に巻かれた餃子

ちなみに高伸では餃子を包むことを餃子を「巻く」といいます。

ぜひ厨房での会話に耳を澄ましてみてください。

なぜ餃子を巻くというのか気になったのでお店のお母さんに質問してみましたが、「普通、餃子を巻くって言いますよね。」と当然のように言われてしまいました。理由なんてありません。愚問でした。

チャーハンと並ぶとわかる大きな餃子

そんなこんなでこちらが綺麗に巻かれた餃子と、チャーハンです!

みてくださいこの狐色の焼き目を。餃子の焼き目は食べる前のテンションに大きく影響を与えると思うんですが、みなさんいかがでしょうか?

大きさは縦8~9cmで大きめな部類に入ると思います。また、ふっくらとしたお腹から餡もたっぷりなんだろうと期待させてきますね。ひだはないタイプで、餡を入れて皮をパタンと閉じるという餃子を作る動作は確かに巻くという言葉は近いのかもなどと、勝手に推測していました。

お母さんにお話を伺ったところ、今の時期はキャベツが水っぽく、餡が柔らかくなるので、包みにくくなるらしく、簡単に塞ぐためにひだがないのだそうです。その時期の野菜の状態などに合わせて調理の仕方にも工夫がされているんですね。

「チャー餃」を前に笑みが溢れる

一口食べると、カリッとした焼き目に柔らかめの皮。餡はふわっとして、ひだがない分、皮の主張が少なめな特有の食感でした。

この餃子はキャベツ・ニラというシンプルな具材で、野菜が大きめに刻まれているのでシャキッとした野菜の食感があります。味付けもシンプルで、野菜のうまみがしっかりと感じられる王道の餃子と言えるでしょう。

野菜は全て手で切られ、あえて水分を絞らないことで、野菜のジューシーさが際立っているようです。

具材も味付けもシンプル。一つ一つの工程が丁寧で、こだわり抜かれているからこその王道の美味しさ。お客さんに愛されているわけがここに詰まっているんですね。

お次はチャーハンも食べていきましょう、の前に、ここでどうしても耐えられなくなり、ビールを注文してしまいました。昼から失礼します。

生ビール小もあると言われましたが、迷わず中ジョッキを注文

ネギ、卵、肉、なるとが入ったチャーハンはこちらも王道、ド直球のチャーハン。

しっとりふわふわ系のチャーハンはギトギト感皆無で、餃子と同様に優しい味です。

ふわふわ食感のポイントは、鍋をしっかり振り、チャーハンを振り上げて空気を入れることだそうです。

何か変わったことをするわけではなく、丁寧に愛情のこもった料理を創業時から変わらずにお客さんに届けていることが、長く愛される秘訣なのかもしれないですね。

ごちそうさまでした!

餃子データ

餃子(6個)480円
大きさ8cm
もちもち★★
パリパリ★★★
皮の厚さ★★
餡のまとまり★★
具の量★★★★
ジューシー★★★★

常連さんを虜にした「砂」と共に食べる餃子がやみつきな町中華「三久飯店」

2軒目に向かったのは、祐天寺の「三久飯店(さんきゅうはんてん)」さんです。創業54年、赤い屋根に、暖簾がかかり、年月を感じる佇まいはこれぞ町中華といったところですね。店内に大量のメニューの札があり、これはまた、普段なら迷ってしまうやつだ。

たくさんのメニューと、4代目の尾林正浩さん

炒飯もいくつか種類があり悩んでしまったのですが、一番人気と言われたえびチャーハン(900円)と、焼餃子(400円)を注文。さらに壁のメニューの中でどうしても気になった「三久メン(800円)」を追加で注文してしまいました。

今回は調理している姿も少し見せていただいたのですが、1.5人前くらいの量の白米を大きな中華鍋で、軽々と炒めていき、炒飯をおたまにまとめてお皿にぽんとのせると中央に大量のえびが乗った状態で炒飯が姿を見せました。流れるような一連の動作、お見事!!

続いて三久メンも素早い手つきであっという間に完成。餃子もしっかり蒸し焼きにされていました。

調理をする3代目佐藤一夫さん

まずは餃子からいただきます。

大きさは縦7cm、ひだの数は7つ綺麗な半月型をして一列に並んでスタイリッシュですね~。数字にすると大きめに感じますが、印象としては小さめで、ぱくっと食べれるサイズ感です。食べやすいサイズ感もこだわりの一つのようです。

しっかりめな焼き目にキュッと尖った形に惚れました

ここでくいれぽ餃子の記録についてお話ししますと、大きさについてはiPhoneの計測というアプリを使い毎回測っています。ひだの数を数え、大きさを測り、撮影をして、という一連の流れを、餃子が冷める前にと、焦りながら爆速で行うのです。

そして、記録をつけるとき、一口目は何もつけずに食べます。味付けや下味の濃さをちゃんと知るためです。

メンバーと記録をつけに行くときは、餃子が運ばれた瞬間、何か別の話を話していても、ひとまず無言で餃子を食べ、その後、「皮がこうだ」「餡はどうだ」と感想を共有しながら記録をつけていきます。

餃子をガン見

しっかりした焼き目の裏は蒸し焼きされた皮が水分を含んでぷるっとしています。

ひとまず酢胡椒でいただくと、薄めの皮にはしっとりとした餡がぎっしり詰まっており、ごま油の香りと肉汁がじんわりと感じられます。薄皮にしっとり餡は町中華餃子の王道ですね。餡の具材はキャベツ:ひき肉=2:1が良いバランスなのだとか。下味は少し薄めで、あっさりとした印象。酢胡椒ではなく、味濃いめのタレでいただきたくなる味でした。

というのも、ここ、三久飯店には特製の卓上調味料があり、それをつける前提で料理が作られているらしいです!その調味料の名前は「砂」(名付け親は常連さん)。ラー油を作るときの底にたまるカスらしく、元は捨てていたものなのだとか。

おすすめ調味料「砂」

存在に気づかず食べ切るところでした。危ない。「砂」をたっぷり入れた酢醤油につけて食べると、これが正解だったのか、と納得。酢胡椒では素材のうまみを直に感じていたところが、「砂」を入れたタレと食べると、素材のうまみが引き立つというのでしょうか。完成された味になります。

続いてビジュアルのインパクトが最強なえびチャーハンをいただきます。具材は卵、ネギ、えびのみとシンプルで、味付けも優しめ。だからこそ素揚げのえびの風味をしっかり感じられました。こちらもしっとり系のチャーハンです。

先ほど紹介した「砂」をチャーハンにも入れて食べるとパンチが加わって、いい味変に!これは飽きずに最後までモリモリ食べられちゃいますね。

10個以上のエビがゴロゴロ乗った最強ビジュアルのえびチャーハン

そして気になる三久メンもいただきます!正体は五目野菜タンメンでした!見ただけでは何が入っているか全貌がわからないほどさまざまな具材が盛りだくさんで、食べ進める中で、えび!いか!豚肉!なると!と、どんどん具材を発掘していくかのような楽しさがあります。超具沢山でスープはどこか懐かしさを感じる味でした。

気になる「三久メン」の由来は初代のみぞ知るとのことで、謎に包まれていました。

ではお店の名前でもある三久はどこからきたのかというと、初代の方の名前からとったらしいです。そして三久メンはその当時からあったメニューらしいです。

湯気がほかほかの三久メン

こんなに頼んでどんだけ大食いなんだという感じではありますが、撮影をしてくれた先輩と一緒に美味しくいただきました。そして三久飯店でもしれっとビールを注文させていただきました(迷わずアサヒをセレクト)。

お店の佇まい、お店のお兄さんお母さん店主さんの人柄に惹かれ、「砂」の虜になり、三久飯店さんの常連になっていくのかと納得。ごちそうさまでした!

餃子データ

餃子(6個)400円
大きさ7cm
もちもち★★★★
パリパリ★★
皮の厚さ★★
餡のまとまり
具の量★★★
ジューシー★★

最近は本当に暑すぎて夏バテで痩せちゃうかもなんて不安に思っていましたが、餃子と炒飯、そこにビールがあれば、食欲なんて勝手に沸き上がってくるので心配無用でした。

昼からお腹いっぱい食べて飲んで、家に帰って、クーラーのきいた部屋で昼寝をしながら、炒飯をベッド、餃子を枕にして、すやすやと眠る夢を見れたらそれ以上の至福はありません。

あー、うまかった。


高伸(こうしん)
東京都目黒区上目黒2-18-9
(営業時間)11:30~14:00
17:30~21:30(L.O.21:15)
(定休日)土曜日
https://www.cuisinereport.com/store/46

三久飯店(さんきゅうはんてん)
東京都目黒区祐天寺2-17-11
(営業時間)
11:30~14:30
16:30~20:30
(定休日)火曜日
https://www.cuisinereport.com/store/494


  • 2000年生まれ。22歳。 大学1年時から餃子にハマって以来、週3日以上餃子を食べ始める。 餃子好きが高じて、餃子だけの検索サービス「くいれぽ餃子」を開発。 特に町中華系のお店が好き。食べにいくだけではなく、家で皮から餃子を作ることも。餃子用の鉄鍋や照宝せいろを持っている。 くいれぽ餃子:https://www.cuisinereport.com/ 【好きな餃子のタイプ】 焼餃子:王道のニラキャベツが入ってるもの。具材は細かいのが良い。 餡は「しっとり」「じゅわ」。皮は分厚くなくて、綺麗なひだに萌える。 水餃子:ニラ抜きお肉たっぷりシンプルな餡にもちもちな皮。まんまるほかほかなビジュアル。 揚餃子:餡が「ふわっ」まわり「サクッ」。 蒸餃子:ぷるぷるではなく、「ムチッ」としたものが好き。
  • https://www.cuisinereport.com/

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