「Cockpit Historia」は『モノ・マガジン』で好評連載中「モノ進化論」の著者、早稲田大学の原克教授が、飛行機のコックピットについてだけを12回に分けて語る、なんともマニアックな企画です。
第5回はコックピット内がむき出しの機械で氾濫しているのではなく、綺麗にパッケージされていることに着目します。内容は「コックピット内で機械がむき出しのままであるのと、カバーが掛けられユニット化されているのとでは、機械と人間の関係において大きな違いがある」「19世紀産業革命の時代、メカノフォビア(機械恐怖症)という感情が根強く人々の心を捉えていた」「1931年の映画『フランケンシュタイン』が村はずれにある風車小屋でラストを迎えるのはなぜか?」「かつて、村はずれの風車小屋には悪の巣窟というイメージがあった」「1889年、ニコラ・テスラが電動式の扇風機を市場に送り込んだ」「肝心なのはモーターをむき出しにするのではなく、小綺麗なカバーでパッケージ化したこと」「風車小屋も扇風機も外から見えないようにパッケージすることで、駆動部をブラックボックス化した」「パッケージ化とは機械仕掛けそのものと対峙する必要性を使い手から免除してくれる」他です。
原克(Katsumi Hara)
早稲田大学教授。専門は表象文化論、ドイツ文学、都市論。1954年生まれ長野県出身。『流線形の考古学』(講談社学術文庫)、『騒音の文明史』(東洋書林)、『サラリーマン誕生物語』『OL誕生物語』(講談社)、『身体補完計画』(青土社)、『気分はサイボーグ』(角川学芸出版)、『ポピュラーサイエンスの時代』(柏書房)他著書多数。
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