伝統と実績ある関東屈指の発酵エリア! 千葉の発酵文化の再発見!

【神崎町編】

千葉県北部に位置する神崎(こうざき)・佐原エリアは近くを流れる利根川水運の中継地として、江戸時代に繁栄した水郷の町として知られている。ミネラルを豊富に含む清らかな地下水に恵まれ、作物がよく育ち、良質な米や大豆が採れることから日本酒や味噌、醤油など醸造業が発展。そんな日本の伝統文化が息づくこの地でいま、発酵をテーマにした町興しが進んでいる。その観光交流拠点になっているのが道の駅「発酵の里こうざき」だ。同エリアの入口にあたる圏央道神崎IC至近の好立地に2015年オープン。地元はもとより、全国から取り寄せたおもしろ発酵食品約600品がそろう。オリジナル商品の開発にも精力的で、レストランでは地元の発酵調味料を活用したメニューを提供。その奥の深い味わいに、あらためて発酵文化の魅力に触れることができる。

全国初の「発酵」をテーマにした道の駅。地元をはじめ全国の発酵食品を取り揃えた「発酵市場」を中核に、地域の食材がそろう「新鮮市場」、発酵調味料を使ったメニューを提供する「はっこう茶房」などが入居する人気スポットだ。

約600品もの発酵食品がズラリと並ぶ圧巻の「発酵市場」。地元産の糀を使ったオリジナル商品の「甘酒」や「こうざき納豆」も大人気だ。各地から取り寄せたよそではなかなかお目にかかれないレアモノも。

「はっこう茶房」の人気メニューが神崎町産の発酵調味料を使用した「みそ豚あんまん」とツブ感大満足な「甘酒糀あんまん」。いずれも味が濃厚で、糀のうまみがギュッと凝縮されている。ココに来たら必食だ!
【SHOP DATA】道の駅 発酵の里こうざき
千葉県香取郡神崎町松崎855
Tel 0478-70-1711
営業時間 9:00〜18:00

https://www.hakkounosato.com


かつて神崎町をはじめとする利根川流域は“関東灘”とも呼ばれ、最盛期には100軒近くもの酒蔵があった。その旗頭が日本酒の「不動」「仁勇」の醸造元で知られる鍋店だ。江戸中期に創業。その神崎酒造蔵は現在も県内トップクラスの生産量を誇る酒蔵で、最新のバイオテクノロジーを採り入れつつ、昔ながらの酒造りにこだわり続けている。手間ひまのかかる吊るししぼりによる最高級「不動純米吟醸生原酒」は全国の日本酒党をも唸らせる逸品だ。鍋店の第19代目社長を務める大塚完さんは神崎の発酵文化のオピニオンリーダーのひとりだが、発酵文化の魅力を広く伝えるべく酒蔵を一般公開。さらに神崎2大蔵元のもう1つ、寺田本家と連携して毎春、酒蔵まつりを展開している。限定酒をはじめ、20種類以上のお酒の試飲、購入が可能で、人口5000人の町に約5万人もの観光客が押し寄せる町の一大イベントへと発展させた。

蒸米・麹・もろみに至る酒造りという「生まれ」から、おり下げ・濾過・火入れ・貯蔵、瓶詰めに至る「育ち」まで、人の手による伝統的な酒造りが行われる酒蔵。約4500石(800kl)の生産量を誇る。酒蔵見学希望の際は事前要予約。

看板商品は吊るししぼりによる「不動」ブランドの純米吟醸生原酒。発酵を終えた醪を酒袋に詰め吊るして干し、そこから自然に滴り落ちる酒だけを集めた香りの良さと奥行きのある味わいを堪能したい。

【SHOP DATA】鍋店 神崎酒造蔵
千葉県香取郡神崎町神崎本宿1916
Tel 0478-79-0161
営業時間 10:00〜17:00
https://www.nabedana.co.jp

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