VioRou×FACTORY900
異色のコラボプロジェクトが始動!

VioRou×FACTORY900 異色のコラボプロジェクトが始動!

2月上旬。眼鏡好きならば、ワクワクせずにはいられない情報が編集部に寄せられた。なんでも、国内外で高い評価を得ている日本の眼鏡ブランド『FACTORY900(ファクトリー900)』と『VioRou(ヴィオルー)』によるコラボレーションプロジェクトが現在進行中とのこと。4月のローンチを前に、両ブランドのデザイナーにコラボの経緯やコンセプトについて話を訊いた。


デザインアプローチの異なる2ブランド

本題に入る前に、ここで両ブランドについて紹介しよう。

VioRou×FACTORY900 異色のコラボプロジェクトが始動!

ファクトリー900は、眼鏡産地である福井県福井市に本拠地を置くプラスチックフレーム工場、青山眼鏡のファクトリーブランドである。独自開発の油圧プレス加工機により、世界でも同社でしか成し得ないプラスチックの立体加工を駆使。その技術を活かした三次元的造形と、デザイナー・青山嘉道氏によるアバンギャルドなデザインが特徴だ。独自の世界観は海外でも高く評価され、“眼鏡のアカデミー賞”とも言われるデザインアワード「シルモドール」にこれまで5度もノミネートされ、2度金賞に輝いた経験を誇る。


VioRou×FACTORY900 異色のコラボプロジェクトが始動!


ヴィオルーは、2016年にスタート。デザイナーの小野寺慎吾氏は眼鏡のセレクトショップ『KAMURO』在籍時からオリジナルブランドのデザインを手掛け、その後独立。約15年に及ぶ眼鏡店での経験を活かし、ユーザーにとっての使いやすさを追求した設計や、程よい個性を演出できるデザインに定評がある。度数の強い人でもレンズの厚みや輪郭の凹みが目立たないデザインを得意とし、とくに強度近視のユーザーからの支持が高い。

ここまで紹介してわかる通り、両者はデザインのテイストもユーザー層も大きく異なる。果たして、なぜコラボをすることになったのだろうか。それでは、二人の話をお届けしよう。


新しい価値を生み出すためのコラボ


VioRou×FACTORY900 異色のコラボプロジェクトが始動!


青山 今回のコラボは、僕のほうから小野寺さんにお声がけして実現しました。そもそも、小野寺さんとはもう長い付き合いなんです。

小野寺 僕がいた店は、ファクトリー900の最初期の取扱店だからね。でも、ブランドとしてのキャリアはファクトリー900のほうがだいぶ先輩になりますから。最初は、どうして声をかけてくれたのかなと(笑)。

青山 「自分がヴィオルーを作るなら、こうするな」。という絵が、頭に浮かんだんです。僕は、“自分がこのブランドのデザイナーだったら、どんな眼鏡を作るか”と考える遊びをよくやるんですけど、そのなかでもヴィオルーは明確にイメージが描けました。

小野寺 まずその話を聞いたとき、「一体どんな絵が浮かんでいるんだろう」と興味深かったですよね。それにヴィオルーにはプラスチックフレームのコレクションが少なかったので、その点でもファクトリー900と一緒に付加価値のあるものを作れるのは魅力的でした。じつのところ、一緒にモノ作りをするのは初めてではないんです。ヴィオルーの「Bungo」というモデルでは、波打つようなアセテートのフロントを青山眼鏡に作っていてもらっています。


VioRou×FACTORY900 異色のコラボプロジェクトが始動!


青山 だからこそ、今回コラボとして一緒にやるからには新しい価値を生まないと意味がないと思いました。どちらか単独では、絶対にできないものを作りたい。それが実現できる可能性を感じたのも、このコラボプロジェクトを始動させた大きな理由です。


VioRou×FACTORY900 異色のコラボプロジェクトが始動!


小野寺 今回は僕がフロントデザインを描いて、その厚みや奥行感など三次元的なデザインは、青山さんにお願いをするという形で製作しています。お互いデザインのアプローチもコンセプトも違うから、出来上がりがまったく想像つかなかったのが面白かったですね。

青山 まだお見せできないのですが、今作ではヴィオルーのアイコン的なデザインをアセテートで表現しています。技術的なアプローチはファクトリー900だけど、僕がフロントのデザインを担当したら絶対にこうはならない。本当にコラボならではだなと思います。

小野寺 パっと見はヴィオルーっぽいけれど、よく見るとファクトリー900ならではの仕掛けもあってね。今回のコレクションは、「ヴィオルー by ファクトリー900」として打ち出しますが、今後はまたさらなる展開も考えています。

青山 一般的に言うコラボとは、少し違うものになる予定です。


完成までのストーリーも共有したい


——今回は、4月の本格ローンチを前に、動画などでプロジェクトの経緯を見せていくと聞いています。こうした新作発表の方法は、眼鏡業界ではこれまであまりなかったですね。

青山 新型ウイルスの流行も1年ほど続いていて、何となく気持ちも落ち込んでしまっているじゃないですか。そうしたなかで、何か少しでも明るい話題作りができたらと思ったんです。これまでは展示会のときにサプライズ的に発表という形が主流でしたけど、ユーザーさんに経過をお見せしていくことで、より楽しみにしてもらえるのかなと。


VioRou×FACTORY900 異色のコラボプロジェクトが始動!


小野寺 今はSNSなどで情報を得ているユーザーさんも多いし、こうしたストーリー仕立てのような発表も面白いんじゃないかなと思いますね。これをきっかけに、ヴィオルーのユーザーさんがファクトリー900の存在を知ったり、その逆もあったりで。

青山 まずはこのプロジェクトについて2人で対談した動画を用意したので、そちらを見てもらえれば。少しずつ情報を提供していきますので、4月に皆さんに実物を披露できるまで楽しみに待っていただけたらと思います。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


デザインの全貌が明かされるのは後日。筆者は先んじてプロトを拝見させてもらったが、両者のセンスと技術が見事に融合したモデルに仕上がっており、これまでにないアプローチが新鮮に感じられた。本サイトでも、またローンチのタイミングで詳細をお届けする予定なのでお楽しみに!

デザイナー2人による対談動画はこちら! https://youtu.be/CXPQAqSdh9w
VioRou https://sow-eyewear.co.jp/
FACTORY900 https://www.factory900.jp/

  • 眼鏡ライター。眼鏡専門誌『MODE OPTIQUE』をはじめ、モノ雑誌やWEB媒体にて眼鏡にまつわる記事やコラムを執筆している。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』では眼鏡の世界の案内人として登場。眼鏡の国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査委員も務める。
  • https://twitter.com/mireiton

関連記事一覧