narifuri × WILD THINGS エアーダウンモンスターパーカー
寒さが増してくるこの時期の自転車移動は体温コントロールが難しい。漕ぎ出す前は震えるほど寒くても、ペダルを踏んでいくうちに汗をかいてくるなんてこともザラ。
身体にフィットするサイクリングウエアは、仕事や街中を歩く際は少々トゥーマッチ。そんな人に救世主現る! 自転車もファッションも楽しみたいという人に最適なnarifuriとWILD THINGSのコラボでもある『エアーダウンモンスターパーカー』の偏愛っぷりを語りたい。
narifuri(以下ナリフリ)は、2007年に創立された東京発のサイクルウエアブランド。シルエット、デザイン、サイジングがファッショナブルなので、海外のブランドと間違える人もいるが、ナリフリ(形振り)がブランド名の語源、正真正銘日本のブランドだ。
「ファッション+バイシクル」というコンセプトで、サイクルライフに自然に溶け込むようなものばかり。レースやトレーニングに特化したスポーツ的な装いというよりは、ファッション的にも楽しめるものが多く、シャツ、パンツ、ジャケットなどオーセンティックな洋服が、ナリフリの手にかかると機能的で長く着られるデザインになるだけでなく、耐久性を持ったものに変化するため、長い間虜になってしまうほど。自転車で漕いでいると心地いい洋服。これは創立当初から変わっていない。
今回のジャケットはアメリカのアウトドアブランドのWILDTHINGS(以下ワイルドシングス)との初のコラボ。秋に第一弾として、シャツ、ジャケットをリリース。今回は、冬の第二弾。
ワイルドシングスのほうは日本ではなくアメリカ生まれ。1981年に、ニューハンプシャー州ノースコンウェイ(ロゴマークにも入っている)にて、登山家のジョン・ボチャードとマリー・ミューニエール夫婦によって、本格的クライミングメーカーとして設立。
創始者のマリーはフランスのシャモニーで代々続いている マウンテンガイドの娘として生まれたらしい。『軽くてタフでなければいけない』 というコンセプトをもとにブランドをスタート。
2000年代に入ると米軍特殊部隊の発注を受けてタクティカルギアの製造を請け負うようにもなった。ここ最近のものは、日本のファッションシーンにもマッチしたようなカラーリングやサイジングにコントロールされているように思う。
こちらのエアーダウンモンスターパーカージャケットは、米軍特殊部隊で採用されている「PCU LEVEL 7」のモンスターパーカーを元型に、ミリタリーな雰囲気はそのままに動きやすさを重視し、着丈、身幅をショートに。
サイクリスト向けにアレンジしたモノ。カラーリングも特長的で、絶妙に2トーンカラーになっていて、袖部分にはブラック、本体部分にネイビーを採用。暗い中では分からないが、日中の明るい時間には分かるというのが、なかなかのエロさ。
コートといっても、上述のようにサイクリスト向けにアレンジしてあるので、膝下に来るようなロングコートではなく、歩きやすさ、ペダリングのしやすさはスポイルされていない。
もっちりとしたスタンドカラーの襟の部分にはフードが内蔵されているのでインナーにパーカーを着ていないときや雨が降ってきたときは、少しだけ水濡れからしのげるのもいい。
内側にはパラシュート装備からヒントを得て、袖を抜いて背負えるショルダーストラップを装着。着用しない時に肩にかけたり、 ボリュームがありすぎて持ち歩けないときには身体にバッグのように付けられる。
表地には防風性があり、撥水加工も施してあるため、多少の雨も弾くようになっている。本来ならこのくらいの大きさのダウンコートは重くて着ているだけで疲れてしまうが、軽量なのはワイルドシングスのお家芸。
こちらは、ワイルドシングスのインラインにあるモンスターパーカーとは異なり、冬でも汗をかくサイクリストのために軽量かつ保温力を抑えたシンサレートを内側に挟んでいる。
状況により不足する保温力を補えるよう「emulation /エミュレーション」の取り外し可能なエアユニットベストを、内側のライナーに採用することで保温性はピカイチ。
emulationは空気そのものを遮熱材として考えるブランドで、空気量を調整することで保温力をコントロールできる利点とともに羽毛に比べてサスティナブルな商材としても注目度が高い。
つまり、気温・走行距離などサイクリングのシチュエーションにより自由に体温調整することが可能になっている。化繊やダウン素材に比べて、温度上昇スピードが音速なのも嬉しい。軽量で着心地がいい本格的なウインタージャケットである。
サイクリストは手にモノを持つことができないので、バックパックやサコッシュといったものを持たないと物を運べないが、背面には超大型のバックポケットがあり、巨大な本が入れられるくらいとにかくデカい。頑張れば大根くらいはいけると思う。
また、走行時の”後ろ裾巻き込み”を防止するための裾調整ストラップを装備していて、こちらをグルッと丸めれば、夜間での視認性を確保できる。
裾内側をネオンイエローに切り替えてあり、右側の背中に配置したメーカーロゴはリフレクターにしてあるので安全だ。日本の右側通行に配慮した、車から見えやすいところにある。
冬場の鉄道輪行などのときは、電車内で暑くなるのでエアを全部抜く、外に出てすぐは寒いので改札前でエアを入れておく。走り出したら、エアを抜くといった具合で、外気温と体温をうまくコントロールできるので一着で秋、冬、春と季節を跨いで着られるのもコストパフォーマンスが高いと言える。
通勤や通学でも着られる落ち着いたカラーリングなのも◎。もはやこのコートを愛しすぎて、他のアウターが着られなくなるのだけは避けて通れない。
narifuri × WILD THINGS エアーダウンモンスターパーカー
価格: | 5万9400円 |
表地: | ナイロン100% |
中わた: | ポリエステル100% |
裏地: | ナイロン100% |
テープ : | ポリエステル100% |
生産国: | 中国 |
サイズ: | S , M , L , XL |
問い合わせ:https://www.narifuri.com/apply.html?id=APPLY1
ホームページ:https://www.narifuri.com/
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