イブニング・ドレスを着たF1マシン
GT系フェラーリの最新モデルがローマだ。そのスタイリングは「新しい、甘い生活」がコンセプトで、これは1960年に公開されたF.フェリーニ監督の名作「甘い生活」に描かれる優雅な時代をイメージしたモノという。
その60年代にはいかにも有閑階級的趣味な見せびらかせるクルマ、プロムナードカーというジャンルがあった。もともとフェラーリはメカニカルな面はレーシングカー直系、デザインは言わずもがな、見せびらかしても走っても満足できるクルマを作り続けてきたメーカーでもあるが。
デザインの出発点は「イブニング・ドレスを着たF1マシン」とチーフデザイナーのフラヴィオ・マンツォーニの弁だがまさに言い得て妙。
F1マシンにドレスを着せたらローマになる。シャークノーズの異名を持つシャープなフロントマスク、直線的なヘッドライト周りはモンツァSPにも通じるモノだし、それらのシャープながらも流麗なボディラインがエレガントさを強調する。
リアに回ると丸型からサングラスをかけたようなテールライトがこれまたカッコイイ。ローマは2+2とされるが実際には+2クーペでフェラーリの持つ非日常的なオーラの他にも日常の使い勝手が加わったクルマなのだ。
え? ポルトフィーノのクーペ版? とんでもない。立ち位置的にはそうかもそれないが、ボディの70%はローマのために開発したモノ。