ドレスを脱げばF1になる ?
クネッた道ではマネッティーノをスポーツに。やはり足回りが引き締められエレガントな雰囲気から一転した雰囲気に。
ミッションはF1譲りの8速DCT。これはFRフェラーリとしては初で、搭載位置はエンジンと離れた位置にするトランスクアクスル方式を採用。重量バランスにもこだわった。
2013年にデビューした458スペチアーレに初搭載されたSSC(サイドスリップコントロール)も6世代目に進化しよりキメ細やかな制御をしてくれる。
こ、これはフェラーリ初心者、いやスポーツカー初心者でも乗りやすい。しかも信じられないくらい速い。サーキットではきっと別の顔を見せてくれるはず。取説にもあるくらいだ。
でも、「FR」のフェラーリでしょとお思いの皆様、それは全く違う。クルマの動きはドライバーの意思をカケラも見逃すことなく、クイックでダイレクト。そこにエンジンのレスポンスとフィーリングが加わり、ふとメーターを見ようか、と視線を向けるとステリングの中央には跳ね馬のエンブレムが輝く。これほど素敵な体験があるだろうか。
またエアロダイナミクスはほぼすべて見えないようになっているのもこのクルマを美しく見せる手法でもある。
例えば、空気の流れ方。F1同様アンダーフロアはフラットだし、前から入る風をボルテックスジェネレーター(乱流生成装置)でその速度を増しリアのディフューザーに導き、ダウンフォースを発生させる。
空力を味方につける武器はまだある。トランンクに装備されたアクティブスポイラーは100km/hで自動的にせり上がり、サーキットなどで超高速域や大きなGをクルマが判定すると、ダウンフォースを目一杯稼ぐモードになる。
これはドライバーの任意で設定できないところがホンモノの凄みというヤツだろう。そして目一杯せり上がった時にはトランクリッドのFerrariの文字がミラー越しに逆さだが見える小ワザが。なんという演出。
デザイン、乗り心地、走りの質などローマは熱狂的なフェラリスタの他にもクルマにエレガントさを求める顧客にも訴求するモデルというのは芯から体験できた。クルマから降りた時に筆者の鼻がひどく膨らんでいたのは内緒である。
フェラーリ・ローマ
価格 | 2756万円から |
全長×全幅×全高 | 4656×1974×1301(mm) |
エンジン | 3855ccV型8気筒ツインターボ |
最高出力 | 620PS/5750-7500rpm |
最大トルク | 760Nm/3000-5750rpm |
欧州規制値燃費 | 11.2L/100km(WLTP換算8.9km/L) |
フェラーリ
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問 フェラーリジャパン https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/ferrari-roma