イヤフォンやヘッドフォンがワイヤレスになってノイズキャンセルが効いて当然な昨今ですが、つい先日試聴したテクニクスがちょっとすごかったので紹介します。
テクニクスはパナソニック・オーディオの大看板ですが、ワタシ(編集長前田)のような音好きにとってテクニクスの特長・印象はなにかと問われれば、これは即答です。「先端技術探求&投入」です。その歴代の名機について思いを馳せ、筆の向くまま書いてしまうと3万字くらい余裕なので、ここでは自制しておきます。
さて先日「だよね、テクニクス!」と思わず膝を打った新製品と出会いましたので、レポートすることにしました。ブツは完全ワイヤレスイヤフォン。その名は「EAH-AZ80」です。
業界最高クラスのノイズキャンセリング性能!
業界初の3台マルチポイント接続対応!
風ノイズ環境下でも声がクリアに!
などウリ文句は明瞭ですが、なんといっても当方にとっての「テクニクスらしさ」は、(たぶん業界唯一となる)10㎜ドライバー×アルミニウム振動板の採用です。
オーディオ趣味とは、つまるところスピーカー選びなのですね。音声信号を音波として人の耳に届けるスピーカーそしてイヤフォン、大げさに言えばこれが試聴体験を決める。だから空気を震わせる振動板にどんな素材を使うかはとても重要なわけです。
テクニクスは、直径10㎜という大型振動板にアルミニウム素材を採用しました。リリースにはこうあります。
「AZ80はアルミニウム振動板を採用 色付けのないきめ細かな再生と広い音場感を実現」
いわゆる原音の再生が目標であり、加えるなら、電気的なイコライジングによるのではなく、アコースティックなテクニックでそれを実現するのだと理解できます。
むろん脚色のないサウンドの再生にあたっては「アコースティック・コントロール・チャンバー」や「ハーモナイザー」も肝ですが、肝心要は振動板素材。
みなさん、たとえば紙を手で叩いてください。「パンッ」と音がします。同じく木の板を叩けば「バンッ」となり、金属なら「カンッ」と鳴ります。つまり同じ信号を入力しても出音の傾向はこれだけ違うのです。だから振動板が重要だと、繰り返すわけです。
一般的なイヤフォン振動板は樹脂。それに比べアルミニウムは硬い。硬いから大きな信号入力でのたわみに対して耐性が高く、たわみにくいから低音再生にブレがない。ブレがないから低音の切れが良く、リズムが明瞭だから、ノリのいい再生音になる。広域の伸びも得意ですが、過度なキラキラについては先ほどの「アコースティック~」や「ハーモナイザー」で調整というわけです。
さらに耳の穴圧のみならず、耳に置く設計で高いフィット感と長時間使用を実現した「コンチャフィット形状」も見逃せません。
試作は300個以上、装着試験人数234人を費やしてデザインされた「コンチャフィット形状」。専用シリコン製イヤピースは7種類を同梱。
発表会ではサウンドとフィット感をそれぞれ担当された田中さんと重富さんによるトークショーも実施され、「正確かつ力強い音」「テクニクスの音をより快適に」とアピールされていました。
パナソニックはグローバルのコードレス電話販売シェア【19年連続№1】です。この開発で培われてきた「無線通信」「省電力」「クリアな声を伝達する技術」が、テクニクスのオーディオ魂と合体しているのがEAH-AZ80だと思えば、これが良い製品でないわけはありません。
平たく言って、編集長としては「EAH-AZ80推し」。これ結論です。
テクニクス/完全ワイヤレスイヤフォン「EAH-AZ80」価格オープン(実勢3万6600円前後)
(問)テクニクス (電話)0120-878-982
●公式サイトもぜひご覧ください! コチラ