2023年5月に開催された静岡ホビーショーでタミヤが本邦初公開したのがRCバギーのBBX。往年のバギーをイメージしたその姿とメカは、実際の販売前から大きな注目を集めている。ここではそんなBBXに注目!
文/長谷川敦
来年には自社初のRCモデルを発売してから50周年を迎えるタミヤ。実は、そのタミヤ製RCカーのラインナップでは復刻モデルの人気が高く、特に70年代末~80年代に販売されたモデルの復刻版は、現在でも定番の製品になっているものも多い。〝あの日〟を思い出すことができ、さらに補修パーツもそろった復刻版の人気が高いのは理解できるが、いざ走らせてみると、残念ながら走行性能にはやはり古さを感じてしまうのも事実。そうした思いを抱いていた人にとって待望ともいえるのが、このBBXのデビューだ。
8月発売が予定されているBBXは、完全新設計の1/10スケール電動バギーだ。まずはそのルックスに注目すると、1982年にタミヤから発売され、大人気となったファイティングバギーをオマージュしていることがわかる。だが、中身はもちろん、カウル(ボディ)もまったく別モノ。
メインフレームは樹脂製パーツの組み合わせで構成されるが、形状は70~80年代の実車レーシングバギーの定番だったパイプフレームを模している。そしてそのフレームに装着されるカウルもまるで実車のよう。ちなみにこのカウルのデザインは人気イラストレーターの有野篤氏が担当していて、同氏も古き良き時代のバギーをイメージしたという。
オフロード走行で重要な役割を果たす前後サスペンションも、80年代RCバギーに近い方式が採用されている。そこに現代の技術を盛り込むことにより、見た目と走行性能をハイレベルで両立させている。このサスペンションに組み合わされるタイヤも既存の流用品ではなく、完全新設計品だということにBBXにかけるタミヤの意気込みのほどが理解できる。独特の光沢を放つクロームメッキ処理が施された前後ホイールもBBXのために製作されたもの。
実車の世界でも80年代のネオクラシックモデル人気が高まっていて、程度の良い車体の販売価格が高騰している。これに対して完全な復刻版がリーズナブルな価格で入手できるRCカーは比較的平和であり、さらにクラシックテイストの高性能新設計モデルであるBBXの登場は、ユーザーの選択肢を広げてくれる。80年代RCバギーを知る人、そして新規の人にもBBXは魅力的だ。
TAMIYA 1/10RC BBX(BB-01シャーシ)
価格3万4980円(2023年8月頃発売予定)
実車の1/10サイズでつくられたRC(ラジオコントロール)カー。充電式バッテリーとモーターを動力にする電動モデルで、後輪を駆動するRWD方式を採用。扱いやすいシンプルな構成でありながら悪路の走破性も高い。※組立キット、RC装置、バッテリー、モーターは別売。
(問)タミヤ (電話)054-283-0003
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