スバル車をじっくり体感できる
スバロードでクロストレックに試乗!

アプリもワークスチューン!?

一味違ったモノを提供するモノ・マガジン、「旦那、今回もいいネタを仕入れてますぜ」と馴染みの寿司屋の大将のような話っぷりだが個性的なアプリを発見したのでご報告。

それは「SUBAROAD(以下スバロード)」! このアプリはドライブを楽しめるよう作られたアプリなのだ。名称からしてスバルがリリースしているのだが、膝をポン! と叩きたくなるシロモノなのだ。

何がヒザポン(編集部注:膝をポンの略らしいです)なのか。それはごくごく普通のカーナビと一味違うドライブコースを提案、案内してくれるのだ。

気になるそのコースだが西は淡路、和歌山から始まり、広島は2ルート、群馬、奥多摩、千葉、伊豆半島は3ルートと6月上旬現在、全部で10コース。どれもクルマ好き、ドライブ好きには「この手があったのか!」的なコースで、これはぜひ皆様に体験してご報告せねばならぬ、と筆者は趣味とじつえ…、仕事に忠実(編集部注:……)に、「非常に前向きに」出かけたのだ。

世界のスバル、世界のクロストレック

今回の相棒はスバルXVのフルモデルチェンジを機に世界共通のネーミングになったクロストレック。読者の皆様はご存知と思うが6月16日発売号ではコンパクトカーを特集しており、クロストレックも登場。

今回より深くご紹介できることになったのだ。試乗車は2グレードあるうちのスタンダードグレード、ツーリングのAWD。フルモデルチェンジながらデザインは先代のキープコンセプトで一目でXVの進化版とわかるモノ。

運転席に乗り込むと、最近のスバル車同様のデザインテイストを持つインパネが迎えてくれる。センターの11.6インチディスプレイだが、ツーリングにはオプション設定になる。

筆者が今回スバロードで選択したのは、奥多摩エリア。コースを決めるとBGMの設定画面になり、ポイントごとにBGMが流れるという(筆者はBGMなしを選択)。

またそのBGMはAWAと連携、自分のライブラリからの2択になる。ちなみにスタート地点は自宅ではなく、スバロードの提案するスタート地点からだ。つまりそのスタート地点まではカーナビなどで移動する必要があるが、ドライブと考えればそれも楽しい。

コレぞオトナの穏やかさ

スタート地点まで高速で移動するのだが、クロストレックは乗り心地がかなり良い。骨格はスバルグローバルプラットフォームなのだが、今回のフルモデルチェンジにあたりフルインナーフレーム構造採用。

乱暴にいうと、ひとクラス上のレヴォーグと同じになっているのだ。この恩恵もあり穏やかな乗り心地と感じる。穏やかといえばパワーユニットも穏やか。

心臓部は145PSを発揮する2リッターの水平対向エンジンに13.6PSのモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド、「eボクサー」。この組み合わせは先代から受け継いでいるのだが、モーターの介入時なども先代よりも穏やか。

パワー感もキター!!!!! 的なのではなく粛々と力を出す。じゃあ遅くてツマラナイか、と聞かれればNo。一言で片付けるならばオトナのSUVなのだ。

燃費の面で「大幅向上!」を謳わない美学がそこにはあって、もちろん無いよりは燃費がいいのだが、ここ一番のパワーや安定したトルクの出し方に魅力がある。先代よりもエンジン、モーター切り替え時のショックもかなり穏やかになっていたことは声を大にしてご報告。

得意科目ワインディングロード!?

撮影日はあいにくの雨模様。しかし高速走行時でも抜群の安定感で巡行し、奥多摩コースの出発地点に到着。

雨脚が強くなるが、気分だけは楽しみたいからステアリングに設けられたSIドライブモードをスポーツにしてワインディングロードに出発。

ここでクロストレックは別の顔も見せてくれる。例えば制限速度でもきついコーナー。こんな場面でもクロストレックはアクセルを緩めるだけもクリアできる。

よく動くサスと低重心のフラット4で、さすがスバルと感じる瞬間だ。SUVゆえアイポントはそれなりに高いのだけれど、ブレーキを踏むことなくクリアできる。

無駄にクルマの姿勢を変えないことは同乗者のクルマ酔い防止にもつながる。スバルは2020年から群馬大学と共同で「次世代自動車技術研究講座」を開催。クロストレックのフロントシートはそんな中から生まれたモノで、頭の揺れを抑え疲れにくくしているのだ。

スバロードでこのコースを勧めるだけある。曲がることが楽しく感じられるポイントばかり。さすがにこのアプリはクルマの得意科目を知り尽くしている。

英国の超高級車メーカー、ベントレーの創始者でもあるW.O.ベントレーは「悪条件下でこそクルマの真価が分かる」と言ったと言われているが、なるほど。試乗日は時折雨脚が強くなったり、霧が出たりと必要以上に注意しなければならないコンディションだったが、終始安定した走りを提供してくれるクルマのおかげでリラックスして運転できた。

クロストレックの車名の由来はクロスオーバーとトレッキングを合わせたモノ。気軽にいろいろ楽しめるクルマは266万2000円から。

クロストレック・ツーリングAWD


価格288万2000円から
全長×全幅×全高4480×1800×1575(mm)
エンジン1995cc水平対向4気筒
エンジン最高出力145PS/6000rpm
エンジン最大トルク188Nm/4000rpm
モーター最高出力13.6PS
モーター最大トルク65Nm
WLTCモード燃費15.8km/L

スバル
問 SUBARUお客様センター 0120-052215

  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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