フルマラソンで4時間切りを目指すためのシューズ
ファッションモデル山下晃和の偏愛モノ図鑑78

アシックス S4

運動不足解消に1番お金がかからないのがランニングだ。ジムには月会費が存在するし、都内在住であれば駅に近いところにあるが、郊外住まいだと通うのにも車を使わざるをえず、ガソリン代も嵩む。やはり、ランニングは始めやすい。ただし、モチベーションをキープするために東京マラソンなど大きな目標を掲げたい。そして、走るならタイムにもこだわりたい。そんな人に向けた夢のシューズ、アシックスのS4の偏愛っぷりを語りたい。

私は、アシックスのS4(エスフォー)を愛している。なぜこれほどまでに惚れ込んだのか?

説明不要の超大手スポーツブランドのアシックス。1949年に、鬼塚喜八郎氏が神戸市で鬼塚商会を創業、同じ年に鬼塚株式会社を設立。競技用スポーツシューズ第一号はバスケットボールシューズだったそう。

1953年にはマラソンシューズを発売。その後もレスリング、野球など様々な競技のシューズが発売され、1977年に、3社が対等合併し、総合スポーツ用品メーカー「株式会社アシックス」ができる。アシックスの社名の由来は古代ローマの風刺作家ユベナリスの「Anima Sana In Corpore Sano」という言葉の頭文字。

意味は「(もし神に祈るならば)健全な身体に健全な精神があれかしと祈る(べきだ)」。この言葉自体が創業哲学なのだそう。

アシックスとなってからも、様々な競技の革新的なシューズを発売し続けていて、有森裕子選手、高橋尚子選手、吉田沙保里選手、ノバク・ジョコビッチ選手、大谷翔平選手(昨年まで)など、時代を象徴するアスリートの記憶と共にある。(引用元:アシックスオフィシャルサイト)

アシックスのS4 Hazard Green /whiteはレモンイエローのようなカラーリング

数々の偉業を成し遂げてきたアシックスが、トップアスリート向けではなく、アマチュアランナー向けのシューズS4をリリースしたのが、2023年2月だった。

こちらは珍しくサブ4を達成したいランナーのためのシューズなのだ。じつは、フルマラソン42.195kmを4時間切りたいというアマチュアランナーは多く、僕もそのひとりだった。

4時間台で走るのは、ある程度運動をしたことがあれば達成できてしまうが、4時間を切るにはそこそこトレーニングをしていないとできないからだ。僕はフルマラソンは2回走ったことがあり、サイパンマラソンと横浜マラソン。4時間29分21秒がベストだった。

指が透けるほどの薄さが分かるだろうか。

カーボンプレートを内蔵した厚底モデル

こちらのシューズは見た目はもっちりしているがアッパーは透けるほど薄く、シューズの重さも片足で約240gと軽量。そのおかげで足のムレも軽減され、柔らかいが、ホールド感もしっかりあって、履き心地もいい。

ここ最近のランニングシューズのトレンドとなっている厚底の理由は、例にも洩れずカーボンプレートが内蔵されているため。前方への優れた推進力をアシストしてくれる。アウトソール前足部が広くなっていて、接地面のスタビリティもあって、オーバープロネーションなどもしづらく、ケガ予防にもなり、足運びもスムーズ。

足先からかかとまで付いているASICS GRIP

フォアフット着地できなくなった時もカバーする

よりレーシーなモデルだと、カカトの部分にはグリップの高いアウトソールを貼らないモデルもあるが、こちらはつま先からカカトまできちんとある。マラソンのトップランナーは、最初から最後までかかとを付けずに走ってしまうが、4時間切るか切らないかのランナーは、疲労が蓄積するとカカトを付いて走ることもあるため、そこをカバーしていると言える。

ベロの部分が薄くて足入れの時もスムーズ。

シュータンも特長的な形で、薄くて柔らかい素材のため靴ずれが起きない。それでいて、しっかりフィットするので靴が脱げることもない。シューレースも最新の結びやすく、解けにくい、軽量な素材のモノ。

これはアシックスだけでなく、他のメーカーのシューズにも似たようなギミックのシューレースが付いているのでトレンドなのだと思う。長い距離を走っても、解けにくいのは有り難い。

インソールにはS4の文字。スタイリッシュだ。

何が何でも4時間切りをしたいランナーのための全ての要素を詰め込んでいる。ここまでパーフェクトだったのだが、強いて言うならば、インソールを取り外しできるタイプにしてほしかった。非常に薄いインソールで、通気性も良いが、取り外して洗ったり、干したりできないとなんとなく気持ち悪いので。

顔の横に並べるとソールの分厚さが分かりやすい。

このS4を履いて今年3月の東京マラソンを走った。結果は惜しくも4時間3分52秒と4時間切ることはできなかったが、自己ベストを26分縮めることもできたし、想像を超えてシューズの良さを体感できたと思う。

水を飲みすぎたためか、残り4kmくらいのところで脚を攣ってしまいスピードが落ちてしまったのは自分の調整不足だ。次にフルマラソンを走るチャンスがあったら、このシューズで4時間を切れる自信はある。

ということで、このS4を全世界の市民ランナーにオススメしたい!

アシックス S4


価格:2万2000円
生産国:ベトナム
インナーソール素材:合成樹脂(FLYTEFOAM)/固定式
適合する別売中敷:合成樹脂(FLYTEFOAM)/固定式
幅/ラスト:STANDARD
アッパー素材:合成繊維・合成樹脂
アウター素材:ゴム底・合成底

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  • 本業はファッションモデル(タイクーンエージェンシー)。自転車、バイク、クルマで旅をしながら旅の素晴らしさや旅に最適なアイテムを紹介するトラベルライターとしても活動。地方自治体サイクルマップやWEBで連載ページを持つ。 趣味は、旅行、キャンプ、草野球、オフロードバイク、自転車全般(ロードバイク、MTB、ランドナー、小径車)、トライアスロン、トレイルランニング、登山、パックラフト、サーフィン、スニーカー収集、NEWERAキャップ収集、ウエイトトレーニング、読書、インドカレーの食べ歩き、MLB観戦など。  スポーツトレーナーの資格はNASM-PES、小型船舶一級免許、小型特殊船舶免許、大型自動二輪免許、JCTA認定自転車ツアーガイドなどを持つ資格マニアという一面も。かつて、海外30か国以上を自転車で旅したこともある放浪癖あり。好きなファブリックはキューベン、好きな金属はスカンジウム、好きな筋肉は三角筋。20代の頃は某アウトドアショップでバイトをしていた経験も。
  • http://akikazoo.net

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