文/モノ・マガジン編集部 松崎薫子
ブロンプトンは、1975年に最初の1台を製造してから47年間、基本のデザインはそのままという稀有なブランド。
デザインの美しさ、操作性、そして機能に魅了されたブロンプトンファンは世界中に数多くいる。
私もそのひとり。
海沿いに住んでいるのでサビも出てきているが、愛着はますばかり。ブロンプトンから会話がはじまり、みんなが驚き、虜になっていく。そんな様子を何度も見てきた。
ここでは、そんなブロンプトン愛好者だけでなく、ブロンプトンが気になっていたという人へとっておきの新作を紹介したい。
このオールチタン製の「T Line」だ。ちょうど9月からついに日本でも発売されることになり、そのお披露目会が開かれたので参加してきた。
まずは、アジアパシフィックマネージングディレクターのマーク・スメドレーさんによるプレゼン。
「自転車の乗り方をわかっている人は9割もいるのに実際に乗っている人はどのくらいいると思う? 答えはたったの5%。自転車はこれまでに生まれたあらゆる交通手段の中でもっとも効率的な形である。そしてブロンプトンは約20秒でたためる折りたたみ自転車だ。小さく折りたためるので通勤電車やクルマ、飛行機などに乗せることもできる。つまりブロンプトンは自身の活動範囲を広げ、ライフスタイルを広げてくれるんだ。乗らない理由が見つからないだろ?」
たしかに、こんな素敵な乗り物はほかにないだろう。
しかも今でもイギリスのロンドンにある自社工場で職人の手により一台ずつ丁寧に作られているというから、ギアとしての魅力も抜群だ。
そして本題の今回のT-Lineの特長を紹介したい。
まずは重さがなんと7.95gという超軽量。片手で持ち上げられるほどだ。
そして軽量ながらスチールと同様の強度を保っている。新しい超軽量チタンフレームで構成された開発に3年以上かけて誕生した逸品!
スチール外装カーボンシートポストを備えた世界初のバイクである。カーボンの限界を0.3㎜の鋼鉄外装で強化する新しいプロセスを開発し、折り曲げによる摩耗や110kgの荷重、全天候型ライディングに耐えることできる超軽量シートポストが誕生した。
ほかにもより大きな直径のローリングホイールやスプリング式ハンドルバーキャッチなど細部へのこだわりも詰まっている。
価格は77万5500円。最高峰クラスのブロンプトン。これは一考の価値あり。
そしてもうひとつ展示されていたのが、この100万台目のブロンプトンだ。
ブランドの歴史におけるこの画期的な瞬間を記念して、100万台目のブロンプトンはブランドのオリジナルモデルのひとつである「マーク・ワン」にインスパイアされた、特別なデザイン処理が施され、赤いメインフレーム、シルバーのパーツ、世界にひとつだけの100万台のデカール、IDプレート、アルミニウムのタッチポイントがあしらわれている。
サドルもブルックスC17が装着され、1975年当時のシートへのオマージュが込められている。
さらに創業者であり発明者でもあるアンドリュー・リッチーさんと、現CEOのウィル・バトラー・アダムスさんのサインも刻印。
これをお祝いして、お披露目会では赤いドリンクに赤いスイーツが並んだ。
さらにこれを記念した世界ツアーが開催中で、先日東京に上陸。
浅草の浅草寺からスタートし、約15キロの道のりをBROMPTONの自転車と一緒に約30名のオーナーが朝の東京を走った。
世界に1台しかないこの自転車は、12ヶ月間にわたって18カ国を巡る壮大なグローバル・アドベンチャーを展開していく。
ブロンプトンは乗ることがひとつの共通言語になる数少ないブランド。それゆえブロンプトンはコミュニテイを広げる。
ブロンプトンだからできる経験をぜひあなにも!
そして最後にもうひとつ。
ちょうど昨年、ブロンプトン・ジャパン設立の発表会が開かれ、英国本社からは社長のウィル・パドラー・アダムスさんが来日。
創業者のアンドリュー・リッチーさんの最近の様子もわかる貴重なインタビューなのでぜひこちらも要チェック!