イタリア語やイタリア料理の講師を務めるマッテオ・インゼオさんが、簡単にできて美味しいイタリア料理を、毎月1品紹介してくれるこのコーナー!
2回目のメニューは、旬のジャガイモを使ったイタリアの定番料理「ジャガイモとゴルゴンゾーラのポルペッテ」!
ジャガイモといえば、よく使う野菜の代表格ですが、健康に欠かせないビタミンやミネラル、食物繊維が沢山含まれており、疲労回復や、疲れにくい体を作るのに役立つといわれています。
そんな天然の栄養素をたっぷりと含んだジャガイモですが、イタリアにはいくつかの種類があり、それぞれ料理によって使い分けるそうです。
「ジャガイモは、主に中部や南部で作られます。6月頃に収穫される『Patate novelle(パターテ・ノベッレ)』を始め、『Patate a pasta bianca(パスタ・ビアンカ)』、『Patate a pasta gialla(パスタ・ジャッラ)』などの種類があり、現地では、パスタ・ビアンカを使いますが、日本では、煮崩れしにくいメイクイーンがお勧めです」と話すマッテオさん。
まず茹でたジャガイモは、冷める前に「Schiacciapatate(スキャッチャパターテ)」と呼ばれる、ポテトマッシャーを使って潰します。イタリアの家庭では一般的に使われているそうです。これがあれば簡単にジャガイモを潰せて便利ですね!
生地を小さなボール状に丸めたら、中にゴルゴンゾーラチーズを入れて包みます。中に入れるゴルゴンゾーラチーズが苦手な場合は、カッチョカバッロやスカモルツァチーズなど、優しいミルク風味のチーズにしても、美味しく仕上がるそうです。
次に小麦粉、小さく砕いたパン粉、塩を少量加えた卵を、それぞれバットに準備し、順番に衣をつけていきます。均一に揚げるために、衣を2度繰り返しつけ、油は170度を目安に温度を調整し、こんがりと揚げて完成です!
「バットの中で転がすように衣をつけ、この作業を2度繰り返すと、衣がまんべんなくしっかりとつき、均一に揚げることができます。油は170度位を目安に温度を調節し揚げれば、こんがりと美味しく出来上がります!」と教えてくれたマッテオさん。
さらに今回は特別に、マッテオさんの出身地である、イタリア中部のラッツィオ州、ラティーナにあるマッテオさんの実家の畑についても、お話をうかがいました!
「ラティーナは、山と海に恵まれ、平野部では野菜も作られています。僕の実家は街から少し離れた平野部にあって、実家の畑では父が、ズッキーニ、ナス、トマト、パプリカ、そら豆、グリンピースなど、季節ごとに様々な野菜を育てて収穫しています。手間はかかりますが、自分たちが作ったものを食べることができるって、安心感にも繋がるし、幸せなことですよね!」と語るマッテオさん。
その土地の作物を丁寧に育てて収穫し、自然の産物を家庭で味わう。スローフードの国イタリアならでは健やかな暮らしです。丹精を込めて作った野菜の料理は、美味しさもひとしおなのではないでしょうか。
毎日の食事において、料理に自然の恵みを取り入れることは、とても大切なことです。日増しに秋の深まりを感じる今こそ、自然の栄養素を豊富に含んだジャガイモ料理「ジャガイモとゴルゴンゾーラのポルペッテ」で、夏の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。簡単に作れるので、みんなでトライしてみよう!
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Matteo Inzeo(マッテオ・インゼオ)さん
1976年生まれ、ラツィオ州ラティーナ出身。イタリア語・文化教室「ベリタリア」で、イタリア語、イタリア料理の講師を務める。2005年よりNHK TV「イタリア語会話」「テレビでイタリア語」「旅するイタリア語」、NHKラジオ「まいにちイタリア語」、「マッテオのレシピ12か月」などに出演。著書に音声DL BOOK 伊日対訳エッセイ『風変りで愛しいニッポン』(NHK出版)がある。
マッテオ・インゼオ
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ベリタリア イタリア語・文化教室
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