モノ・マガジンではたびたび(しつこいほど⁉)RCを取り上げているが、今回はマシンとの両輪たるRCメカ=プロポにスポットを当てる。主役はSANWAが昭和時代にリリースした高級プロポ、エクセレンスだ。
写真/鶴田智昭(WPP)、文/前田賢紀(モノ・マガジン編集長)
昭和ルネサンスとも言うべき最も華やかなる、そう、西暦でくくれば1980年代には、RCカーも大躍進を遂げた。むろん1970年代から愛好家は存在したが、組み立てや操縦の難しさ、そして価格面のハードルもありあくまで大人の趣味であった。しかし、時はきた。
大人に加え、若手の団塊ジュニアたちすらも頂点的なエンジンRCカーで本格的なレースを始めたのだ(父がメカニック、子供がドライバーというRC親子鷹も多かった)。その頃すでに世界ではRCカーのチャンピオンシップも開催されており、日本からも少数ながら挑戦者が現れていた。
FUTABAと並び立つRCメカの雄SANWAは、盛り上がりを見せる1/8エンジンカー用の高性能プロポが求められていた。(RCボートレースも盛んだった)
そして誕生したのが最高級モデル「エクセレンス」だ。
エクセレンス。写真はボート用のXL-42BS
発売は1981年頃。頃というのはあいまいさが残るが、当時の正確な資料はすでにSANWAにもなく、ただ設計図面に「昭和55年(1980年)」との日付があることから発売時期は1981年と想定されるのだ。
「エクセレンス」は80年代のRCバギーブームを体験した皆さんなら雑誌広告などでご記憶だろう。「SANWA DASH-S」などビギナー向けプロポが黒いプラスチック製だったのに対し、シルバーのアルミ製パネルが上品な輝きを放つ「エクセレンス」は、まぎれもない高級機であり、自分には手の届かない高根の花と映ったはずだ。
実際、高価だった。
受信機、サーボ2個とのセットで4万5500円。シリーズは3機種。
【世界のエキスパート達が求めていたウイナーズ・プロポ。】
【ホイル式―完全レーシング武装のエクセレンス。】
【ボート専用、完全レーシング武装のエクセレンス。】
(上記画像はSANWAカタログ「SUPER MECHANICS」より)
次のページは、インタビューでさらに深堀り!