100周年で大刷新!「サントリー山崎蒸溜所」はここが変わった。


テイスティングラウンジ カウンターは役目を終えた蒸溜釜や樽をリサイクルして新造したもの。壁面には年代物の試作ブレンドがずらり!

皆さん工場見学はお好きですか? え、聞かれるまでもなく大好物ですと。ならばオススメしたいのが「サントリー山崎蒸溜所」。この蒸溜所が建設着手から100年となる今年に大々的なリニューアルを受け、より見ごたえある「ウイスキー製造の聖地」へとグレードアップしたのです!

サントリーの歴史は日本ウイスキーの歩み。

1923年.赤玉ポートワインを大ヒットさせた寿屋(現サントリー)創業者、鳥井信治郎氏はその利益を軍資金に「誰もやっていない大きなことを成し遂げたい」と決意。水質、気候、水運などウイスキーづくりの好条件が揃った山崎を約束の地と定め、1923年に山崎蒸溜所の建設に着手しました。

鳥井伸次治朗氏

ディスティラー(蒸溜技師)として竹鶴正孝(のちのニッカウヰスキー創業者)を招聘し、最初に販売した製品が1929年の「白札」です。

本場由来の味わいが災いし、日本人にはなかなか受け入れられなかった「白札」でしたが、1937年には「角瓶」が誕生し大ヒット。ここに日本ウイスキー普及の第一歩が刻まれたわけです。

赤玉ポートワイン
白札
初期の角瓶
※製品の撮影画像に一部加工を施しています。

現在では世界的な酒類コンペティション「ISC」で「山崎25年」が全部門での最高賞を受賞(2023年)するなど、山崎蒸溜所は、その知名度、品質ともに世界屈指のウイスキーの聖地として知られています。

ISCでの受賞トロフィー(左:PRODUCER OF THE YEAR、右:Supreme CHAMPION SPIRIT)

その山崎蒸溜所が100周年を迎え、主要施設のリニューアルと2種の新見学ツアーを展開します。

サントリー山崎蒸溜所・外観

「2種の新見学ツアー~」とは、「山崎蒸溜所ものづくりツアー」(参加費用3000円/80分)と「山崎蒸溜所ものづくりツアー プレステージ」(参加費用1万円/120分)。

見学内容は前者が、「仕込前室、仕込槽、発酵槽、蒸溜室、貯蔵庫見学、テイスティング」となり、テイスティング商品は、モルトウイスキー原酒3種、シングルモルトウイスキー山崎(ストレートとハイボール)です。

蒸溜室
ウイスキー仕込槽
1924年に山崎蒸溜所で生まれた日本初のモルトウイスキー原酒の熟成樽。
木桶醗酵室

プレステージツアーでは、上記見学内容に加え、新ゲストルーム「The YAMAZAKI」での映像視聴とテイスティング、後熟庫見学、つくり手による案内が加わります。テイスティング製品も、原酒3種は同じながら、ストレートと水割りがシングルモルトウイスキー山崎12年とグレードアップ!

プレステージツアーのみ見学できる後熟庫。技師によるサンプリングの様子。
プレステージツアーのみ利用できる新ゲストルームのThe YAMAZAKI。
The YAMAZAKIの前に展示される変わり種「干支ボトル」ウイスキーなども興味深い。

どちらに参加するか迷いどころですが、1回目なら前者、2回目以降はこだわって後者と複数回来ても楽しめるはずです。

「いままでより一層、記憶に残る体験を提供したいと思います!」
とアツく語るのは、サントリー執行役員ウイスキー事業部長の秋山信之さん。

サントリー執行役員ウイスキー事業部長の秋山信之さん。

そのための施設の改修、プログラム作りはもとより、ツアーの刷新以前は先着だった申込もネットによる抽選方式に変更し、インバウンド向けに英語ツアーも増やしました。来年2024年度の来場者数は13万5000人を見込んでいます。

役目を終えた蒸溜釜の銅素材をリサイクルして建造された鳥居。山崎の杜への入り口にあたる。

ウイルス対策には十分配慮をしつつも、旅行機会がぐっと増えた2023秋です。

日本ウイスキー製造の聖地「サントリー山崎蒸溜所」で、その空気と水と歴史と美味を体験すべく、山崎に寄っては(酔っては?)いかがでしょうか。

サントリー山崎蒸溜所で生まれるウイスキーたち。左から「シングルモルトウイスキー山崎」(税抜4500円)、「同:山崎12年」(税抜1万円)、「同:山崎18年」(税抜3万2000円)、「同:山崎25年」(税抜16万円)。

【ツアーの詳細と申込みは下記HPで!】
サントリー山崎蒸溜所

  • 元・モノ・マガジン&モノ・マガジンWEB編集長。 1970年生まれ。日本おもちゃ大賞審査員。バイク遍歴とかオーディオ遍歴とか書いてくと大変なことになるので割愛。昭和の団地好き。好きなバンドはイエローマジックオーケストラとグラスバレー。好きな映画は『1999年の夏休み』。WEB同様、モノ・マガジン編集部が日々更新しているFacebook記事も、シェア、いいね!をお願いします。@monomagazine1982 でみつけてね!

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