ロータスのEVが日本で初披露!

ブランド初のBEV

英国のスポーツカーメーカー、ロータスがブランド初となる完全電気自動車、エレトレを日本初公開しました。これは以前発表された2028年の創立80周年までにですべてのモデルをオール電動化し、インテリジェント、かつラグジュアリーなモビリティ•プロバイダーへ変革するという「ビジョン80」に沿った第1弾のモデルという位置づけになるようです。また販売中のスポーツカー、エミーラは同ブランド最後のガソリンエンジン車としても発表されています。

軽さと走る楽しさも

40代後半以上のオトナ世代の皆様には名作「サーキットの狼」でお馴染みのロータス。主人公の風吹裕矢の愛車として知られ、よりハイパワーなライバル車を軽さとテクニックを活かして抜き去っています。「行くぜ、幻の多角形コーナリング」は名言です。

さて筆者の感傷はさておき、ロータス車のイメージといえばやはり軽さは正義といわんばかりのライトウェイト感と抜群のハンドリング性能ではないでしょうか。EVだから軽いもなにも、とお思いの皆様、エレトレにはブランドの軽量哲学がキチンと受け継がれています。すなわち「必要のないモノは取り除く」です。

例えばリアスポイラーのデザインを反映し、ダッシュボード上部のフローティングウィングセンター部は取り外しています。エクステリアデザインも全長が5mを超えるボディと思わせないデザインもそのひとつです。

そしてハンドリング性能、すなわち運転してたのしいかということについてはワールドプレミア時にロータス•カーズ副社長のマイク•ジョンストン氏の「For The Driver」のロータスの伝統はエレトレにも受け継がれており、妥協はないといいます。

なんと900馬力オーバー!

エレトレはブランド初のEVである反面、ロータス初のSUVでもあります。同車は世界ではエレトレ、エレトレS、エレトレRの3モデルがラインナップされていますが、日本へ導入されるのはエレトレSとエレトレRの予定。メカニズムはEVの方程式通り、床下に駆動用のバッテリーが置かれます。

その容量はどちらも112kWh。満充電での航続可能走行距離はエレトレSが約600km、エレトレRは490kmです。ジツは後者のエレトレR、最高出力は驚異の918PS(最大トルク985Nm)と異次元のパワーを誇るのです。その俊足ぶりは0-100km/h加速2.95秒といえばお分かりいただけるかと。エレトレは前後にモーターを配した2モーターの4WD。すべてのモデルのフロントアクスルには、1速トランスミッションが搭載。

エレトレとエレトレSのリアアクスルも同様ですが、エレトレRは2速設計となっていて、これにより優れた発進・加速性能と、高速走行時の効率性・航続距離の向上を両立させているといいます。シフトはオートマチックで、摩擦板クラッチを採用し、スムーズな操作性を実現。ちなみにエレトレSのスペックは612PS、710Nmとなっています。

普段の快適性能も併せ持つハイパーSUV

EVならではの前輪と後輪の間が広いロングホイールベースなので、後席の広さは折り紙付き。また乗車人数も4人乗り、5人乗りと選択可能。4人乗りの場合、後席は専用の独立感のあるキャプテンシートと肘掛けには空調などの操作も可能な専用のディスプレイが設けられます。

また冒頭のようにEVならではの静粛性で音楽を楽しめるようスピーカーにもこだわっています。エレトレがタッグを組んだのはエミーラでも好評だった英国のKEF(以下ケフ)。最も没入感のある車載用オーディオシステムといい、エレトレSには23個のスピーカーを持つ2160Wのサウンドシステムが、エレトレRには1380Wの出力を誇る15個のスピーカーシステムが標準装備される。

またエレトレRには55万円でエレトレS同様のシステムをオプション出来るようになっている。ブランド初のEVでありSUVであるエレトレSは2332万円から、エレトレRは2585万円からのプライスになっています。

ロータス

  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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