モノ・マガジン誌の長期連載「織本知之の電子写真機恋愛」がいよいよモノWEBに登場! 最新機種から懐かしのレトロ機種まで、掲載当時の熱量真空パックでお届け。誰もが立ち寄れる「デジタル一眼レフ、ミラーレス一眼情報の道の駅」だぞ!
写真と文/織本知之
SONY α6700
ソニー/α6700
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こんなトコロに戀をする!
この潔い直線。フラットなトップ部分。恰好良いでしょう。そうです、人気なスタイルだからα6700に続いてフルサイズのα7CⅡ、α7CRと新製品が続くのです。カメラバックへの収まりもスッキリしてるし軽いし。もう、でっかいカメラはちょっとね……というアナタにおススメのAPS-Cミラーレスです。
高い実写性能と実用的なオペレーションを備えた実戦向きなα6700。静止画と動画をホイールでそれぞれ完全切り替え。大切な撮影場面においてその実力を存分に発揮することができる操作感覚。オーバーサンプリングによる4K/60p記録、「S&Qモード」では4Kで5倍のスローモーション記録も可能になり動画性能も充実。
ボディ左側いっぱいに設けられたクリアな電子ファインダーは約236万ドットで明るく見やすい。最高約11コマ/秒の連写性能。常用最高感度ISO 32000、拡張時最大撮影感度ISO102400とAPS-Cセンサー機種としてはトップクラスの実力。本体質量約409gのこのスクエアなボディに恋してください。
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こんな寫眞に戀をする
今年の夏は暑うございましたね。涼を求めてついつい水辺付近をうろうろ。そんな湿度高めな撮影地でも防塵防滴に配慮された設計のボディにレンズの組み合わせがなにかと安心。手ブレ補正もシャッター速度1/6秒程度のスローシャッターでは画面がブレる気配すら感じないα6700の強力5軸補正。絞ればクッキリ、開けては美ボケの解放F値1.8の35㎜判換算16.5ミリのワイドな単焦点レンズはいかがでしょうか。
【撮影DATA】
シャッター速度:1/6秒/絞り:f4.5/撮影感度:ISO50/クリエイティブルック:VV
フルサイズ上位機種α7R Vと同じ「AIプロセッシングユニット」の被写体認識力は葉隠れ中の小鳥も驚異の認識。保護色により肉眼だとしばらく目を凝らさないと発見できませんが、どんなに上手に隠れてもαのカメラは見つけます。AF認識対象は「鳥」。なお、ヒナ四羽は無事に巣立ち完了。離れた場所から大きく撮りたいときにはソニーの解像感を保ったまま約2倍までズームできる「全画素超解像ズーム」は高画質でマジおすすめです。
【撮影DATA】
シャッター速度:1/60秒/絞り:f5.6/撮影感度:ISO1600/カメラ内超解像ズーム:×1.4(35ミリ換算283.5ミリ相当)
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ソニーα6700で撮ってみた!
ソニーAPSサイズフォーマットα6000系カメラファンの皆様、おまたせしました新作のα6700です。先代の流れをくむスクエアなボディは健在です!
これだけ四角いとカメラバッグへの収納もすっぽりスムーズで気持ちがいいです。いつの間にかカメラバックの機材収納が上手になったような気さえしてきます。
このフラットでソリッドなボディラインを見て一瞬、これはおしゃれカメラなのかなと勘違いする方もいらっしゃることでしょう。ところが手にした途端、すぐにこのカメラがきわめて実用的であることに気が付くはずです。
カメラの心臓部に搭載されるセンサーは有効約2,600万画素の最新の裏面照射型CMOS「Exmor R」。このセンサーをフルサイズαモデルと同じ「BIONZ XR」画像エンジンでハンドリング。
この画像エンジンは先代機種の「BIONZ X」に比べ、最大約8倍もの処理能力で操作のレスポンスやAF処理など、動画・静止画両方の撮影能力を全体的に大幅に向上しているのであります。 確かに撮影していても反応が素早く、気持ちのいいキレっぷりでリズム良くシャッターをレリーズすることができました。
α6700のレスポンスの素早さはオートフォーカスでも実感することができます。これはα7R Vと同じ「AIプロセッシングユニット」が搭載されていることにより被写体認識AFにおいて劇的な性能進化をもたらしているからなのであります。認識対象は人物・動物・鳥・昆虫・車・列車・飛行機と非常に細分化され、とくに人物においては骨格や姿勢から頭部の位置をより高精度に認識し、瞳の認識精度ではα6600と比べてなんと約6割もの精度向上を成し遂げたのであります。 なお、動物に対する認識性能も4割増し、小鳥を撮影してみたところ、手ごたえとしてはほぼ満点の出来であります。人類はこれ以上の被写体認識の向上を望む必要があるのでしょうか。
また映像機器全般を手がけるソニーだけあってメニュー画面も鮮やかで色気たっぷり。アイコンの色彩感覚がおしゃれ!画質にはまったく関係のない部分ですが、日々のカメラ操作が楽しいのはいずれ傑作につながるのではないかと存じます。
撮影モードをカメラからムービーに切り替えるとメニュー画面も完全にムービー専用操作画面に切り替わるのも流石。静止画メニューと動画メニューを完全に切り替わることで気分も入れ替わりこれは実に素晴らしいオペレーション感覚。おじさんになるとこれくらいガラッと切り替えてくれるほうがありがたいです。これならミスも勘違いも減りますね。
それではソニーの70本を超えるEマウントレンズのなからベストなレンズをご紹介したいと思います。今回のおススメコンセプトは「やっぱり最初は便利ズーム」と「この1本あるだけで玄人感」です。それではたいていのシーンを1本でカバーできるE 18-135㎜ F3.5-5.6 OSSです。α6700とは高倍率ズームレンズキットともなっており、相性の良さは抜群です。レンズ質量は約325gと軽量でフットワークを犠牲にせず35ミリ換算で広角27㎜から望遠202.5㎜をカバーする7.5倍の高倍率ズーム。光学式手ブレ補正機能を内蔵し、最短撮影距離0.45mと被写体を選ばないズームレンズです。超解像ズームなど、カメラ内蔵のデジタルズームと併用すれば更なる望遠域も気軽に撮影が可能に。
もう一本はソニーAPS-Cサイズ用Eマウントでも傑作レンズなのでないかとわたくしが思っている解放F値1.8の明るい広角E 11㎜ F1.8です。35ミリ換算で16.5ミリ相当です。約181g、長さ57.5ミリで軽くて軽量です。ボケもきれいで最短撮影距離だって0.12mです。というもっと注目されても良いのではないかと思う名レンズ。
映像クリエイターたちに人気なのはどちらかといえばフルサイズαシリーズですが、軽量コンパクトで実践的なレンズシステムが組めるAPS-Cサイズフォーマットの実力もなかなかのモノでありますぞ。ぜひこのα6700のフットワークの良さとプレミアムな画質を実感して頂きたいのであります。
※本企画の情報、コメントはすべて、機種発売当時のものです。ご了解ください。