編集長のイチオシ!【大特集:ゴジラ対モノ・マガジン】ゴジラと対峙した旧日本軍兵器をプラモで楽しむ


「ゴジラ-1.0」の舞台は1947年、そこでいつもの自衛隊にかわりゴジラと対峙するのは旧日本軍の兵器たちだ。精巧なCGによりまるで実物のように動く、これらの兵器を見たら絶対にプラモデルが作りたくなるぞ。

文/青井邦夫

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◎日本海軍重巡洋艦 高雄
◎局地戦闘機 震電
◎日本海軍 甲型駆逐艦 雪風
◎四式中戦車 チト 量産型

 

【日本海軍重巡洋艦 高雄】
重厚な艦橋はまさに浮かぶ城のおもむき

高雄は高雄型重巡洋艦のネームシップで1932年に就役した。主砲は20.3cm連装砲を5基装備し4連装61cm魚雷発射管を4基備え、城郭を思わせる艦橋を持つそのスタイルは一般にも人気が高かった。1944年に米潜水艦の雷撃で損傷、シンガポールで修理を受けるが航行不能となったため艦尾を切り落として投錨し終戦まで対空防衛に従事した。戦後はイギリス海軍が自沈処理を決定し1946年10月29日、マラッカ海峡まで曳航され自沈処分された。

フジミ模型 1/700 FH16 日本海軍重巡洋艦 高雄 フルハルモデル 価格4950円

以前流通していた物を復刻した商品で艦底部分を含むフルハルモデル。25ミリ連装機銃は作りやすいワンピース構造と塗り分けやすい2ピース構造の二種類のパーツが付属している。以前は透明の成型色だった艦載機は作りやすいグレーの成型色に変更された。

フジミ模型

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【局地戦闘機 震電】
B29迎撃の切り札となるはずだった秘密兵器

通常と異なりプロペラが後ろに、尾翼が前にある前翼機またはエンテ型と呼ばれるこの航空機は全く新しいタイプの戦闘機として開発が始まり九州飛行機が製作を担当した。プロペラが後ろにあるため機首に30ミリ機関砲4門という重武装が可能でB29迎撃の切り札と期待されたが1号機が完成したのが1945年6月で、8月にテスト飛行に成功したがそこで終戦をむかえた。戦後は米軍に接収され現在もスミソニアン博物館でレストアを待っている。

ハセガワ 1/48スケールプラモデル 九州 J7W1 局地戦闘機 震電 『ゴジラ-1.0』 劇中登場仕様 価格3300円(12月27日発売予定)

以前から定番商品として人気のあったキットが劇中仕様として発売される。ゴジラをあしらったボックスアートは加藤単駆郎氏によるもの。ゴジラの姿とロゴを含む専用デカールが付属する。とても作りやすく初心者でも短時間で手軽に震電を再現できる名作キットだ。

©TM & © TOHO CO.,LTD.

劇中のバージョンは垂直尾翼下端の補助車輪が外されている。また30ミリ機関砲も後ろの2門が爆弾を搭載するためにはずされている。

ハセガワ

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【日本海軍 甲型駆逐艦 雪風】
つねに生還した日本海軍屈指の幸運艦

雪風は陽炎型駆逐艦の8番艦で1940年に就役した。ミッドウェー作戦やソロモン海海戦など幾多の戦いに参戦したが大きな損害は受けなかった。1945年には戦艦大和の沖縄特攻に随伴、米軍機の猛攻をほとんど回避し沈没した大和の乗組員の救助を行った。その後の戦闘でも損害は軽微のまま終戦を迎えた。戦後は復員船として使われた後に戦後賠償として中華民国に引き渡され、駆逐艦丹陽として1970年まで使用された後に解体処分された。

ハセガワ 1/350スケールモデル 日本海軍 甲型駆逐艦 雪風 “天一号作戦” 価格4620円

ハセガワ創立65周年を記念して発売されたキットで大和に随行した天一号作戦の際の姿を再現できる。艦体は艦底まで再現されたフルハルモデル。艦橋の基本構造物や、魚雷発射管の外装、砲塔のパーツはスライド金型を使用した一体成型となっており作りやすい構造となっている。

主砲や魚雷発射管、舵はポリキャップで固定するので旋回が可能だ。手すりやはしごを再現する専用エッチングパーツも発売されている。

ハセガワ

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【四式中戦車 チト 量産型】
幻に終わった日本最強戦車

列強戦車に対抗すべく計画された対戦車戦闘を目的とした国産戦車。1942年に開発が始まり1944年の仕様変更を経て日本の戦車としては最大の75mm砲が搭載され1945年2月に完成した。四式中戦車は日本戦車としては珍しく鋳造砲塔を採用、前面の装甲は75mmの厚さを誇った。しかし終戦時に完成されていたのは2輌だけだった。映画に登場したのは溶接砲塔を採用した量産型で生産されなかったとされるが、6輌が完成していたという説もある。

ファインモールド 1/35スケール 四式中戦車[チト]量産型 価格5170円

一貫して日本戦車を製品化し続けているファインモールド社は四式中戦車も試作型と量産型の二種類をキット化している。量産型は現存する図面をもとに設計されていて試作型とは異なる前部や側面の装甲板や砲塔、ハッチなどの形状もしっかり再現されている。

ファインモールド 1/35スケール 四式中戦車[チト]試作型 価格5170円

試作型は実際に2輌が作られたもので、エッジの丸い鋳造砲塔の特長が忠実に再現されている。履帯は部分連結式のプラスチック製で自然なたるみ表現ができる。ファインモールド社は浜名湖に沈められたと言われるこの車輌の捜索プロジェクトにも参加していた。

ファインモールド

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