サントリー:好調「プレモル」「サントリー生ビール」「PSB」で攻めるサントリー
サントリー社長の鳥井信宏氏、サントリービールカンパニー新社長の多田寅(すすむ)氏が登壇し、サントリーホール小ホールでの会見となったサントリー。
数字面でみれば、2023年ビールカテゴリー販売数量が前年比131%(市場推定107%)と大幅に進捗したサントリー。けん引したのはプレモルとサントリー生ビールだ。
昨年春に登場した「サントリー生ビール」の数字が単純に乗っかった格好だが、プレモルもサントリーパーフェクトビールもプラス成長とあり、全体として「ビール好調」を印象付けた。
また手駒の多いのもサントリーの強みと言える。先のビールに加え、ウイスキー、「翠」などのスピリッツ・リカー類、ワイン、RTD、「オールフリー」などのノンアルを展開。「5割以上のユーザーが4種類以上のお酒を飲んでいる」(サントリー調べ)という多様化時代に対応できるとしている。
ビールについては「ザ・モルツ」の瓶・樽が3月製造分で終売。そのバトンを「サントリー生ビール」や「プレモル」に託すこととなる。また意外と言っては失礼だが、糖質ゼロの「パーフェクトサントリービール」が飲食店向けにも伸びている。焼き肉や中華、お好み焼きなど、脂っぽい食事のお供として、そのヘルシーなイメージ込みで好評なのだと推察できる。なお「サントリー生ビール」は3月より瓶ビールや飲食店向け樽生も提供。「サン生」にふれるチャンスをグンと増やす戦略だ。
ほか、ジンカテゴリーの強化も宣言され、全方位的に攻めの姿勢が目立った。
馬力をかけてビールに注力!!
2026年の酒税改正前に、各社ともビールに注力するのが2024年だ。業界勢力図を左右するのはおそらくキリンの新ブランドとなるはずだが、キリンには主力の「一番搾り」とオリジナルの「ラガー」の二枚看板があり、これらと自社競合しないいかなる個性をもつ新ブランドを生み出すのか、気になるところ。全体のキーワードとしては「ビールカテゴリーの可能性探求」「若年層へのアプローチ」「ノンアル、微アルへのアプローチ」となろうか。
国内外の多種多様なお酒・ノンアルが楽しめる日本は実は「お酒好きの宝島」だ。2024年もワクワク楽しく、お酒を楽もうじゃないか!