特撮ばんざい!第36回:舞台挨拶レポート!大ヒット御礼と白黒版公開『ゴジラ-1.0/C』


昨年、「ゴジラの日」こと11月3日に公開され、世界興収140億円とメガヒット中の『ゴジラ-1.0(ゴジラマイナスワン)』。その白黒版『ゴジラ-1.0/C(ゴジラマイナスワンマイナスカラー)』が1月12日に公開された。TOHOシネマズ日比谷では「大ヒット御礼白黒舞台挨拶」も開催。キャストから、神木隆之介さん、浜辺美波さん、佐々木蔵之介さん、山田裕貴さん、田中美央さんが登壇。山崎貴監督はアメリカからリモート出演した。今回は、こちらの舞台挨拶をレポート!


取材・文 タカハシヒョウリ

舞台挨拶に登壇したキャスト陣。右から山田裕貴さん、浜辺美波さん、神木隆之介さん、佐々木蔵之介さん、田中美央さん。

今回のゴジラは「恐くて泣ける」! 世界中からの反響に俳優陣から喜びの声!

こちらの舞台挨拶は、同日に公開となった『ゴジラ-1.0』のモノクロカラー版『ゴジラ-1.0/C(マイナスカラー)』の上映後に行われ、神木さんが「いかがでしたでしょうか?」と問いかけると客席からは大きな拍手が湧き起こり、「一つの作品で色を変えて上映するというのは、なかなか無い新たな挑戦だと思います。その初日に来ていただいて嬉しい気持ちでいっぱいです」と感謝を伝えた。

ゴジラと幾度となく遭遇する特攻隊帰りの男・敷島浩一を演じた神木隆之介さん。

本作が全世界での興行収入140億円を突破する大ヒットを記録していることに触れ、各々が周りからの反応の大きさに驚きを見せる中、浜辺さんは「私の母は、私が出演している作品でも、怖いやつとか、私が嫌な目にあう作品は見れないんですけど、『ゴジラ-1.0』はすごく泣けて良かったって、私の予想をはるかに上回る反応が返ってきてすごく嬉しかったです。」と喜びを語った。

敷島と共に暮らすこととなる女性、大石典子を演じた浜辺美波さん。ゴジラ史上でも屈指の「大変な目」に遭うヒロイン。

イベント数日前に参加が発表されて、サプライズ登壇となった山田さんは「SNSで『山田裕貴出てたんだ』という感想を見て、僕が出てるっていう事があまり広まってない事実を知って……、今一度、僕はこの映画に出てるっていうことを宣言しに来ました」と予想外の角度からのコメントで会場を盛り上げた。

敷島らと掃海艇「新生丸」に搭乗し、ゴジラと遭遇する水島四郎を演じた山田裕貴さん。

佐々木さんは「ゴジラ初めて見たっていう人が、『めっちゃ怖かった』って言ってたんですけど、その人が4DX(シートが動き水飛沫や風の演出がある上映方式)で見たら『めっちゃ楽しかった!』って言ってて、見方でそんなに変わる!?って。だから白黒になると、また違う見方になるんやろうなと思います」と上映形態の違いにも触れた。

機雷除去用の掃海艇「新生丸」の艇長・秋津淸治を演じる佐々木蔵之介さん。

この舞台挨拶では、堀田艦長役の田中美央さんのノリノリっぷりも会場を盛り上げた。「海神(ワダツミ)作戦を開始する!田中美央でございます」と挨拶から名台詞を織り交ぜ、リクエストに応えて「衝撃に備えよーー!!」も披露。「我慢しきれずに朝10時からモノクロ版を見て参りました」「お客さん(のコメント)の中に『13回見ました』という方がいましたが、僕は15回見ました。勝ってしまいました、すいません。大好きな映画です」と告白。「劇場で結構気づかれてるっていう噂も聞いてるんですが…」と振られると「声をかけられたことは一度も無いんです。よく日比谷のゴジラ像の前にポツンと座っているので、声をかけてください」と答えた。

ゴジラを倒すべく立案された「海神(ワダツミ)作戦」を指揮する「雪風」元艦長・堀田辰雄を演じた田中美央さん。

「世界のタカシ!」監督とキャストのリモート掛け合いは息ピッタリ、次回作の話も……!?

ここで、本作が第96回アカデミー賞の視覚効果賞に王手をかけている状態だというアナウンスが入り、そのロビー活動もあって渡米している山崎貴監督がリモートで登場した。

神木さんの「世界のタカシー!」の呼びかけで登場した山崎監督の背後には、鮮やかなハリウッドの風景が(壁紙)。「こっちは深夜2時です」「現地の取材を受けたり、名前を出せないような超巨匠の監督と会ったり、昼間からずっと稼働してます」と報告。ここで神木さんが客席にマイクを向け「タカシー!」という声援を海の向こうの山崎監督へ届ける一幕も。「ありがとうございます。でも、なんで呼び捨てなの(笑)。嬉しいけど切ない気持ち」と反応する監督。

ここでキャストから、監督への「白黒つけたい質問コーナー」がスタート。浜辺さんが「監督の好きなゴジラ怪獣は?」と聞くと、「一番はゴジラ。二番目がキングギドラ。キングギドラは、僕の地元・松本を初めて襲った怪獣なんですよ。ゴジラより好きかもってくらい、キングギドラが好き」と語った。西武園ゆうえんちで公開中の『ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦』では、すでにゴジラとキングギドラの対決を実現させている山崎監督。映画続編があったなら、ギドラの登場にも期待がかかるところ。

佐々木さんから「予想以上にうまくいったところと、予想以上にうまくいかなかったところは?」と聞かれると、「世界の展開は、夢のよう。すごくドメスティック(家庭的)な物語だったのに、こんなに世界中の人たちが反応してくれたっていうのはすごく嬉しいし、完全に予想外ですね」と今の状況に驚きを見せ、「うまくいかなかったことは……、無いです! うまくいきすぎてて、時々夢じゃないかと思うくらいです。滅多に無いことなので、味わいたいなと思っています」と喜びを噛み締めた。

リモートで繋がる山崎監督に「タカシー!」と呼びかける2人。

MCから「続編を期待する熱がお客様からすごいんですけど」と伝えられると、「続編作りたいですよね。(キャストの)みんな集まってくれるんですよね!?スケジュールがどうのこうのとか言わないでくださいよ」と続編への意欲を見せた。

神木さん佐々木さん山田さんの3人が掃海艇・新生丸の搭乗員だったことから、監督が3人に「また、海行きます?」と問いかけ、過酷な海上ロケを体験した3人が顔を見合わせて黙ってしまう場面も。神木さんが「楽しかったですけど」「でもどうでしょう、スタジオで撮ったらどんな風になるのかやってみたいですよね」と言うと、山田さんもすかさず「比較がしたいよね!」と答え、「どっちが酔うんだろうね……」と話題は「船酔い」に。佐々木さんが「涙も、汗も、違うものも全部出した」と語り、「監督も出してましたよね!?」と聞くと「俺は出してない!我慢した」と抵抗する山崎監督。神木さんらが「海でも良いんで、また行きましょう!」とまとめて、浜辺さんが「いってらっしゃい!」と送り出すと、監督から「典子も海に行く可能性ありますよ」と流れ弾が浜辺さんの方へ。山田さんが「最後に反応したゴジラの細胞が、ゴジラを探す鍵になって船に乗ることになるかも」と自説を展開すると、「囮みたいに使わないでください!ミルワームみたいなのやめて」と拒否。神木さんが「じゃあ、また電車で良いんじゃないですか?どれだけ長く(ぶら下がって)耐えられるかやりましょう」と次回作への妄想が広がったところで質問コーナーは終わりとなった。

最後に監督が「白黒も物凄い怖いですし、楽しんでいただきたいなと思っています。ゴジラを応援してくださってありがとうございます」とコメントし、「サンキュータカシ!」「おやすみタカシ!」と見送られながら舞台挨拶は幕を閉じた。

フォトセッションでは、各々が思うゴジラポーズを披露。

全編にわたって、キャスト陣や監督から予想を上回る反応に驚きすら感じているという雰囲気が伝わってきて、その高揚感にこちらも何かワクワクさせられるものがある舞台挨拶だった。監督は「滅多に無いことなので、味わいたい」と語っていたが、佐々木さんが印象に残った監督の言葉として挙げていた「映画館に人が来る映画を作りたい」という想いが、日本だけでなく世界中で結実した本作。これはもう「どうぞ!とことん味わってください!」と伝えたい!

ステージ上のパネルには観客の絶賛コメントが並ぶ。大ヒットのお祭りムードは最高潮。監督とキャストとファンが一緒に盛り上がっている。

『ゴジラ-1.0』『ゴジラ-1.0/C』 絶賛公開中!
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<ライタープロフィール>
タカハシヒョウリ 
ミュージシャン・作家。ロックバンド「オワリカラ」、特撮リスペクトバンド「科楽特奏隊」のボーカル・ギター、作詞作曲家。その様々なカルチャーへの偏愛と造形から執筆、番組・イベント出演など多数。近年は、円谷プロダクション公式メディア連載やイベント出演、ポケモンカードゲームCM音楽なども担当。

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